導入
今回の記事では、
北海道の自社開発企業で1年間エンジニアとして働いていた私が、2022年8月に都内のフィンテック企業に転職した際に準備したことや、選考の中で聞かれたことなどを共有します!
対象の読者としては、下記のいずれかの方が当てはまるかと思います。
1.転職を考えている経験浅めのエンジニアの方
2.他社のエンジニア採用でどんなことが行われているのかが気になるエンジニア採用の担当者の方
なお、企業様のプライバシーの観点から、私が応募した具体的な企業名はこの記事においては公開していません。
何卒ご容赦ください。
そもそもなんで1年で転職したのか
私自身もともとは広告代理店で広告運用の仕事をしていたのですが、
趣味半分でWebサービスの開発・運用をした経験からエンジニアへの転職を決意し、縁あって北海道の会社に入社しました。
基本的にはホワイトな企業で、同僚も壁を作らない優しい人たちばかりだったのですが、
本当にユーザーに必要とされるようなサービスを作っていくために、自らのエンジニアとしての技術力をもっと伸ばしていきたいと考えたときに、「今の会社だと厳しいかな...」と感じていたのが理由でした。
このように感じていた理由としては、
地方の企業だからか、どうしてもエンジニア組織の技術力へのこだわりが薄い印象があったり、
会社の価値観としても、「今後の保守性や拡張性は気にしないから、動くものを実装してくれればいい」というものを感じていた点が挙げられます。
転職活動結果
選考フェーズ | 通過企業数 |
---|---|
応募した会社数 | 7 |
書類審査 | 6 |
技術試験(オンラインテストやディスカッション形式を含む) | 4 |
1次面接 | 4 |
2次面接 | 3 |
最終面接(内定をいただいた会社) | 1 |
内定承諾のために選考を辞退した会社 | 2 |
応募した会社の規模としては20人くらいのスタートアップからメガベンチャーまで幅広く、
フィンテック、Saas系の自社開発企業を中心に応募しました。
最終的には、その時に第一志望だった、
フィンテックの分野で難易度の高い課題にチャレンジしていける企業からの内定をいただいて転職活動を終了しました。
また、転職に関して要した時間はそれぞれ以下のようになりました。
種別 | 期間 |
---|---|
1社目への応募から内定承諾を行うまでの期間(本格的な転職期間) | 約1か月半 |
カジュアル面談を行っていた期間 | 約3か月 |
応募から最終面接の結果までの平均期間 | 約1か月 |
「3か月もカジュアル面談してたの?」と驚かれる方もいるかもしれないですね。(笑)
私の場合、転職というのは人生の中での大きいイベントの一つだと考えていますし、
マッチしていない会社に入って自分自身も会社側も不幸な状態が続くことは避けたいと考えていたので、
本格的な就活を始める前から様々な会社さんのカジュアル面談に参加していました。
また、カジュアル面談にあたっては、企業の自社HPから応募することもありましたが、
Meetyというカジュアル面談のマッチングサービスもよく使っていました。
企業が主催するカジュアル面談との違いとしては、
Meetyであれば話を聞きたい人を指名して面談の申し込みができるので、「カジュアル面談したら人事の人が出てきてしまって技術的に深い所を聞けなかった」とか、「フロントエンド希望なのにバックエンドの人が出てきてしまった」ということを避けられる点があります。
話がそれてしまいましたが、
今回の転職活動においてはカルチャーマッチの点を重視していたため、本格的な活動を始める前からカジュアル面談を含めて情報収集をしっかりと行いました。
選考内容
さて、ここからは本題に入っていきます!
なお、技術試験通過後の1次~最終面接の間に聞かれた内容に関してはひとまとめにして記載しています。
というのも、ある企業の1次面接で聞かれたことを、別の会社では最終面接で聞かれることもあったし、逆に、ある会社の最終面接で聞かれたようなことを1次面接で聞かれることもあったからです。
技術試験
技術試験に関しては主に下記のいずれかの形式にて実施されました。
1.オンラインテストで回答
2.面接の中でディスカッション
実際の課題の内容としては、以下のようなものが出題されました。
- インフラ構成図を見ながら、その中のあるサービスで~という障害が発生した時に、他のどのサービスをどういった観点で調査していくか
- ある既存のアプリケーションに新機能を追加するにあたって、どんなマイグレーションをDBに対して実行するべきか
- 外部サービスのAPIとの連携を要する新規機能の開発にあたって、どのようなデザインパターンを採用するか
- 与えられた引数を元に特定の処理を加えた上で、APIリクエストを行い、レスポンスをキャッシュするバッチを作成する
- Paizaに出てくるようなオーソドックスなアルゴリズムの問題もありました
前述の通り、今回の転職ではSaas系やフィンテック系の自社開発企業への応募がメインでしたので、
普段の業務に近い、「障害対応や新規機能の実装という場面でどのように対応するのか」というのを確認したい企業が多かった印象です。
近年では「コーディングテストではエンジニアの実力は測れない」というのが潮流となっているようで、
実際の技術試験においても、実際の業務に近い形で応募者の実力を測っている企業が多いようです。
1次面接~最終面接
普段の業務の進め方を聞かれることが多かったです。
-
普段どんなリソースから開発の勉強をしているか
-
どんな開発スタイルか(アジャイル・ウォーターフォールなど)
-
チームのメンバー構成
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チーム内での自分の役割
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どんなタイミングで仕事に楽しさを感じるか
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今までにどんな貢献をしてきたか
-
コードレビューの時に意識していること
-
コードレビューをどんな観点で行っているのか
-
チームメンバーと意見が対立した時にどう対応するか
-
スキルが低いチームメンバーをどうサポートするか
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障害が起きたときにどう対応するのか(誰に知らせるか、どんな手順で対応するのか等)
-
最近勉強した技術について
-
オーソドックスな質問もたまに聞かれました
- 志望理由
- 退職理由
- 転職の軸
- 将来のキャリアプラン
-
個人開発しているアプリケーションについて
- なんで開発したのか
- どんな技術をなぜ選んだのか
-
エンジニアになる前の仕事の話
- 私の場合は広告代理店で働いていたので、その時にどんな成果を出したのか、どうやってその成果を出せたのか、より成果を高めるには何ができたかというのを聞かれました。
転職活動を終えての所感
反省点
- 知ったかぶりはよくない
知らないことに対して嘘をついて知っているふりをする、っていう意味ではないです。(笑)
どちらかと言うと、例えば「気になっている技術はありますか?」と聞かれて、言葉通りに”多少気になっている”程度の技術を答えたら地獄を見ます、という意味です。
普段の仕事で使わないようなことを勉強するのは大変だけど、ある程度ディスカッションが出来るくらいに特定の技術の勉強は普段からするべきだと感じた。
やってよかったこと
-
応募企業のことを結構調べた
応募する企業のIRや過去のニュースは何年分かさかのぼって調べたりしていました。
やっぱり自分がこれから入社するかもしれない企業のことは調べて損はないです。 -
アーキテクチャの勉強をしていたこと
前職では実は、私を含めて若手エンジニアが業務を通して設計を学ぶ経験はほぼ無かったです。
それでも、今回の転職では自分自身の成長も目指して、そういった知識が必要な環境を求めていたので勉強はしていてよかったと感じています。
もし若手エンジニアの方で設計に触れる機会が業務上あまり無い方は、是非ともアーキテクチャの勉強は独学で取り組むといいと思います。 -
継続的なアウトプット
選考を受ける中で一定の評価をいただいたポイントの一つでした。
こちらのようなQiitaでの記事の投稿や、Twitter、Githubを活用しました。
正直最初のころは(というか今でもそうなんだけど)、経験の薄いエンジニアが自らの技術力の低さをアピールしている事になっていないか不安でした。
それでも、自分のアウトプットが他の人に対して有用な情報となっていることを感じれる場面がたまにでもあると嬉しかったし、
何よりも、「間違った情報を発信して、見てくれた人に対して迷惑をかけたくない」という思いから、記事を書くたびに「自分の認識が本当に間違っていないか」という確認をするようになり、結果的に自分自身の理解を深めていくことにも繋がったのでメリットは大きいと思っています。
その他所感
意地悪な質問や、長期間働いてくれるかを確かめるようながっつりとした深堀質問はあまりなかったです。
それ他の会社でもよくない?とか
ウチ来てもすぐ辞めるんじゃないの?とか
いくつか理由は考えられるけど、採用を担当されるようなエンジニアの方は優しい人が多いからそういった事を聞いて応募者を困らせたくない(悪い印象を持たれたくない)のか、2,3年で辞めるエンジニアが多いからわざわざ聞かないのか、とかなのかなと感じました。
まとめ
というわけで、ざっくりとではありますが、最新のエンジニア転職で聞かれる質問や、自分が行っていた準備についてまとめてみました!
文系出身の自分が大学生の時にビジネス職で就活していた時とは全く違う部分も多く、エンジニアの中途採用ではよりそれまでの業務の積み重ねのアピールが求められる、という印象でした。
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