0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

毎日AWS利用料金をSlackに通知する方法(AWS Lambda & EventBridge)

Posted at

はじめに

AWSのコスト管理はクラウド環境を運用する上で非常に重要です。特に、コストの増加をリアルタイムで把握することは予算オーバーを防ぐための鍵です。本記事では、AWS LambdaとEventBridgeを使って、毎日決まった時間にAWSの利用料金をSlackに通知する仕組みを構築する手順を詳しく解説します。

この設定により、毎日のAWSコスト情報をSlackで簡単に確認でき、予算管理が容易になります。以下の手順を進めるだけで、複雑なサーバー構築やSNSの利用なしで簡単に通知機能を設定できます。

前提条件

  • AWSアカウントを持っていること。
  • SlackでIncoming Webhook URLが作成済みであること(Slackの通知を設定するために必要です)。
  • AWS Cost Explorerが有効化されていること(AWS Billing Management Consoleから有効化できます)。

ステップ 1: Slack Webhookの取得

まず、通知を送信したいSlackチャンネルにIncoming Webhookを設定し、Webhook URLを取得します。

  1. Slack APIページにアクセス。
  2. 通知を受信したいチャンネルを選択し、Incoming Webhookを有効にします。
  3. Webhook URLが生成されるので、これをメモしておきます(例: https://hooks.slack.com/services/XXXX/XXXX/XXXX)。
    スクリーンショット 2024-11-14 18.32.24.png

ステップ 2: IAMロールとポリシーの設定

AWS Lambda関数がAWS Cost Explorer APIにアクセスするための権限を持つIAMロールを作成します。

  1. AWS Management Consoleで「IAM」に移動。

  2. ロールを選択し、「ロールの作成」をクリック。

  3. 「AWSサービス」を選択し、「Lambda」を選択して「次のステップ: アタッチするポリシー」をクリックします。

  4. 「ポリシーの作成」をクリックし、以下のJSONを使ってカスタムポリシーを作成します:

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "ce:GetCostAndUsage"
                ],
                "Resource": "*"
            }
        ]
    }
    
  5. このポリシーに名前を付け(例: CostExplorerAccessPolicy)、ロールにアタッチします。

  6. 「ロールの作成」をクリックして、Lambda関数で使用するIAMロールを完成させます。

ステップ 3: Lambda関数の作成

  1. AWS Lambdaコンソールに移動し、「関数の作成」を選択します。

    • ランタイム: Python 3.8以上
    • 実行ロール: 先ほど作成したIAMロール(例: CostExplorerLambdaRole
  2. 以下のコードをLambda関数に貼り付けます。このコードは、AWS Cost Explorerからデータを取得し、SlackのWebhookに利用料金を通知します。

Lambda関数のコード

import json
import boto3
import os
import http.client
from datetime import datetime, timezone

# 環境変数からSlack Webhook URLと予算額を取得
SLACK_WEBHOOK_URL = os.environ['SLACK_WEBHOOK_URL']
BUDGET_AMOUNT = float(os.environ.get('BUDGET_AMOUNT', 50000.0))

def lambda_handler(event, context):
    # AWS Cost Explorerクライアントの初期化
    client = boto3.client('ce', region_name='us-east-1')
    
    # 本日の日付
    today = datetime.now(timezone.utc).strftime('%Y-%m-%d')
    start_date = today[:8] + "01"  # 月の初日

    # 月初から本日までの合計利用料金を取得
    response = client.get_cost_and_usage(
        TimePeriod={'Start': start_date, 'End': today},
        Granularity='DAILY',
        Metrics=['UnblendedCost']
    )

    # 利用料金の取得
    today_cost = float(response['ResultsByTime'][-1]['Total']['UnblendedCost']['Amount'])
    month_to_date_cost = sum(float(day['Total']['UnblendedCost']['Amount']) for day in response['ResultsByTime'])

    # 通知メッセージ
    message = f"""
    予算額: {BUDGET_AMOUNT:.2f} USD
    利用料金(本日): {today_cost:.2f} USD
    利用開始日時: 2024-11-06T07:00:00Z
    今月の利用料金: {month_to_date_cost:.2f} USD
    """
    
    # Slack WebhookのURLからホストとパスを分割
    url_parts = SLACK_WEBHOOK_URL.replace("https://", "").split("/", 1)
    host = url_parts[0]
    path = "/" + url_parts[1]

    # Slackに通知を送信
    conn = http.client.HTTPSConnection(host)
    payload = json.dumps({"text": message})
    headers = {'Content-Type': 'application/json'}
    conn.request("POST", path, body=payload, headers=headers)
    response = conn.getresponse()
    conn.close()

    return {
        'statusCode': response.status,
        'body': response.read().decode()
    }

Lambda関数の環境変数設定

  • SLACK_WEBHOOK_URL: 取得したSlackのWebhook URL
  • BUDGET_AMOUNT: 月の予算額(例: 50000.0
    スクリーンショット 2024-11-14 18.33.07.png

ステップ 4: タイムアウトとメモリの設定

このLambda関数が適切に動作するためには、以下の設定も変更します。

  1. Lambdaの「設定」タブから、タイムアウトを「10秒」に設定します。
    スクリーンショット 2024-11-14 19.25.15.png

  2. メモリのサイズを「256 MB」に増やします。

ステップ 5: EventBridgeでスケジュールを設定

次に、毎日19時にこのLambda関数を実行するために、EventBridgeでスケジュールを設定します。

  1. EventBridgeのコンソールに移動。
  2. 「ルール」をクリックし、「ルールの作成」を選択。
  3. ルールの名前を入力(例: DailyAWSCostNotification)。
  4. スケジュールパターンで「Cron式」を選び、以下の式を入力します:
    毎日19時の月曜日から金曜日
    スクリーンショット 2024-11-14 18.49.46.png
  5. ターゲットでLambda関数を選択し、「ルールの作成」をクリック。
    スクリーンショット 2024-11-14 18.51.07.png

完成したスケジュール

スクリーンショット 2024-11-14 19.31.25.png

ステップ 6: 動作確認

設定が完了したら、Lambda関数を手動でテストして動作を確認します。

  1. Lambda関数の「テスト」タブで「テストイベント」を作成します。
  2. デフォルトの内容で構わないので「テスト」をクリック。
  3. 「成功」と表示され、Slackに通知が届くか確認します。
    スクリーンショット 2024-11-14 19.27.23.png

トラブルシューティング

  • 「リクエストのタイムアウト」エラー: タイムアウト時間が足りない場合は、「タイムアウト」設定を増やします。
  • Slackに通知が届かない: Webhook URLが正しいか確認してください。また、環境変数が設定されていることを確認してください。

まとめ

以上の設定で、毎日決まった時間にAWSの利用料金をSlackに通知する仕組みが完成しました。この設定により、予算を超えないようにコストをリアルタイムで管理し、不要な出費を防ぐことが可能です。AWSのコスト管理は、プロジェクトの健全な運営に不可欠です。定期的な通知を活用し、コストが計画通りに推移しているかを確認しましょう。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?