はじめに
データ分析の欠損値を補完する方法の一つとして、K最近傍法(KNN)を用いる手法があります。この手法では、欠損値を補完するために、そのデータポイントに最も近いK個のデータポイントを利用します。以下では、KNNを用いて欠損値を補完する方法について詳しく説明します。
1. 欠損値を含む列の特定
まず始めに、データセット内で欠損値が含まれる列を特定します。この段階では、データセット内で欠損値を補完する必要がある列を把握することが目的です。
import pandas as pd
# データの読み込み
train_data = pd.read_csv('train.csv')
test_data = pd.read_csv('test.csv')
# 欠損値を含む列のリストを作成
missing_columns_train = train_data.columns[train_data.isnull().any()].tolist()
missing_columns_test = test_data.columns[test_data.isnull().any()].tolist()
print("欠損値のある列(トレーニングデータ):", missing_columns_train)
print("欠損値のある列(テストデータ):", missing_columns_test)
2. KNNによる欠損値の補完
次に、KNNを使用して欠損値を補完します。KNNImputerを使用することで、欠損値を近傍のデータポイントから補完することができます。
from sklearn.impute import KNNImputer
# KNNImputerのインスタンス化
imputer = KNNImputer(n_neighbors=5, weights='uniform', metric='nan_euclidean')
# 欠損値を含む列のみを抽出
train_missing = train_data[missing_columns_train]
test_missing = test_data[missing_columns_test]
# トレーニングデータセットの欠損値を補完
train_imputed = pd.DataFrame(imputer.fit_transform(train_missing), columns=missing_columns_train)
# テストデータセットの欠損値を補完
test_imputed = pd.DataFrame(imputer.transform(test_missing), columns=missing_columns_test)
3. 注意点と適用範囲
計算負荷:
KNNは、全データポイントとの距離を計算する必要があるため、計算負荷が高い場合があります。大規模なデータセットや高次元のデータでは注意が必要です。
適切なKの選択:
KNNの性能は、近傍点の数(K)の選択に依存します。適切なKの値を選択することが重要です。
欠損値のパターン:
KNNは、欠損値のパターンに敏感です。ランダムな欠損値には効果的ですが、特定のパターンがある場合には注意が必要です。
これらの手順を経て、K最近傍法を使用して欠損値を補完することで、データセットの品質を向上させ、機械学習モデルの性能を向上させることができます。