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はじめに

機械学習では、モデルに与えるデータを適切に準備することが非常に重要です。特にカテゴリカルデータ(文字やカテゴリ)を数値データに変換するエンコーディング手法は、モデルの精度に大きな影響を与えます。本記事では、一般的なエンコーディング手法とそのユースケースについて、表形式で詳しく説明します。

エンコーディング手法

エンコーディングは、カテゴリカルデータを数値に変換するプロセスです。これにより、機械学習モデルがデータを適切に処理できるようになります。以下の表に、代表的なエンコーディング手法とそのユースケースをまとめました。

エンコーディング手法 概要 ユースケース
ラベルエンコーディング 各カテゴリをユニークな整数に変換します。 カテゴリ間に序列がある場合に有効。例: サイズ(小、中、大)
ワンホットエンコーディング 各カテゴリを二進数のベクトルに変換し、1つのカテゴリだけが1、それ以外は0になります。 カテゴリが多くない場合に有効。例: 色(赤、青、緑)
バイナリエンコーディング 各カテゴリを二進数に変換し、バイナリ形式の数値に変換します。 高次元のカテゴリカルデータに対して有効。例: 顧客ID
ターゲットエンコーディング 各カテゴリを目標変数(ターゲット)の平均値で置き換えます。 カテゴリカル変数が多く、データ量も多い場合に有効。例: 顧客の購入履歴に基づく購入予測
順位エンコーディング 各カテゴリに順位をつけ、順位を数値で表現します。 序列データに対して有効。例: 教育レベル(高校卒、大学卒、大学院卒)
頻度エンコーディング 各カテゴリをそのカテゴリの出現頻度で置き換えます。 出現頻度が重要な情報を持つ場合に有効。例: 商品の購入回数
平均エンコーディング 各カテゴリを目標変数の平均値で置き換えます。 ターゲットエンコーディングと似ていますが、異なる集計方法を用いる場合に有効。例: 商品の平均価格
正規化エンコーディング 各カテゴリを0から1の範囲に正規化された数値に変換します。 モデルが特定の範囲内のデータを要求する場合に有効。例: ニューラルネットワーク
ベイジアンエンコーディング カテゴリを目標変数の確率で置き換え、事前確率を考慮したベイズ推定を使用します。 データが少ない場合や、カテゴリが多い場合に有効。例: レコメンデーションシステム
エンベディングエンコーディング ニューラルネットワークを使用して、カテゴリを低次元の連続ベクトルに変換します。 高次元で複雑なカテゴリデータに対して有効。例: テキストデータのエンコーディング
カウントエンコーディング 各カテゴリの出現回数で置き換えます。 頻度エンコーディングと似ていますが、カウントの絶対値を使用する場合に有効。例: 単語の出現回数

エンコーディング手法の選択

どのエンコーディング手法を選ぶかは、データの特性やユースケースによります。例えば、カテゴリ間に自然な順序がある場合はラベルエンコーディングが適していますが、順序がない場合はワンホットエンコーディングが適していることが多いです。また、カテゴリの数が多い場合や、ターゲット変数との関係が重要な場合には、ターゲットエンコーディングが有効です。

おわりに

エンコーディング手法は、機械学習の前処理において非常に重要なステップです。適切な手法を選ぶことで、モデルの性能を向上させることができます。本記事が、エンコーディング手法の選択に役立つ参考資料となれば幸いです。

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