はじめに
新しいプロジェクトでは、フルマネージド、自動スケールアップ、トランザクションの一貫性、6TBまで拡張可能、SQLでクエリ可能なデータベースが必要です。この記事では、Google Cloudの主要なデータベースサービス(Cloud Spanner、Cloud SQL、Cloud Bigtable、Cloud Datastore)について、各サービスの機能、得意分野、およびユースケースを解説します。
データベースサービスの比較
以下の表に、各データベースの主な特徴と要件への適合度をまとめました。
データベース | 最大容量 | 自動スケールアップ | トランザクション一貫性 | SQLクエリ可能 | 主なユースケース |
---|---|---|---|---|---|
Cloud Bigtable | ペタバイト級 | ○ | × | × | IoTデータ、時系列データ、分析データ |
Cloud Spanner | 無制限 | ○ | ○ | ○ | グローバル分散トランザクション、金融アプリ |
Cloud SQL | 30.72TB | △ (手動スケール) | ○ | ○ | ウェブアプリケーション、トランザクション処理 |
Cloud Datastore | 無制限 | ○ | ○ | × | POSおよびモバイルアプリのデータストア |
Cloud Bigtable
- 最大容量: ペタバイト級
- 機能: フルマネージド、自動スケールアップ
- トランザクション一貫性: ×
- SQLクエリ可能: ×
- 得意分野: 大規模なリード/ライトワークロード、時系列データ
- 主なユースケース: IoTデータ、時系列データ、分析データ
Cloud Bigtableは、大量のデータを迅速に処理する必要があるアプリケーションに最適です。時系列データやIoTデータ、分析データの保存に適しており、リアルタイムなデータ処理が求められるシナリオで強力です。しかし、SQLクエリとトランザクションの一貫性が必要な場合には適していません。
Cloud Spanner
- 最大容量: 無制限
- 機能: フルマネージド、自動スケールアップ、トランザクション一貫性、SQLクエリ可能
- 得意分野: グローバルスケールのリレーショナルデータベース
- 主なユースケース: グローバル分散トランザクション、金融アプリ
Cloud Spannerは、Google Cloudの強力なリレーショナルデータベースサービスです。フルマネージドで、自動スケーリングが可能であり、トランザクションの一貫性を提供します。さらに、SQLクエリをサポートしており、グローバルスケールのトランザクション処理に適しています。高い信頼性とスケーラビリティが必要な金融アプリケーションなどに最適です。
Cloud SQL
- 最大容量: 30.72TB
- 機能: フルマネージド、トランザクション一貫性、SQLクエリ可能
- 得意分野: 中小規模のリレーショナルデータベース
- 主なユースケース: ウェブアプリケーション、トランザクション処理
Cloud SQLは、MySQLやPostgreSQLに対応したフルマネージドリレーショナルデータベースサービスです。トランザクションの一貫性とSQLクエリをサポートしていますが、自動スケーリングの機能は限定的です(手動スケール)。中小規模のウェブアプリケーションやトランザクション処理に適しています。
Cloud Datastore
- 最大容量: 無制限
- 機能: フルマネージド、自動スケールアップ、トランザクション一貫性
- 得意分野: スケーラブルなNoSQLドキュメントデータベース
- 主なユースケース: ウェブおよびモバイルアプリのデータストア
Cloud Datastoreは、フルマネージドでスケーラブルなNoSQLデータベースサービスです。自動スケーリングとトランザクションの一貫性を提供しますが、SQLクエリはサポートしていません。ウェブやモバイルアプリのデータストアに適しており、柔軟なスキーマを持つデータの保存に最適です。