1. 背景
仮想化基盤があったらバックアップも必要だよね。・・・必要だよね。
バックアップがなければ、緊急時に何もできないじゃないか。ということで、
HomeLabへバックアップ機能を提供するため、Proxmox Backup Server(以下、PBS)を導入していきます。
公式ドキュメントは以下の通り。
2. 事前準備
2.1 環境はどうする?
Proxmox基盤(Proxmox #1, #2)上にPBSを乗せることはできる。乗せることはできるのだが、普通に考えると復旧するためのデータと普及させたいデータが同じ場所にあるのはおかしいのではないか・・・?(障害時に両方おだぶつ)ということで、推奨はProxmox基盤以外に乗せるのがよいと思われます。
以下が、HomeLabの論理構成図になりますが、Proxmox基盤から物理的に分離しているESXi上にPBSを載せ、Proxmox基盤からバックアップデータを取得していきます。
2.2 Proxmox Backup Serverのマシンサイズ
公式ドキュメントを参考に、以下のように設定してます。
vCPU:4vCPU
メモリ:4GB(※)
ストレージ:500GB
※ドキュメントによるとストレージが1TBごとに1GBほど追加したほうが良いとのこと。
2.3 ISOの取得
以下、URLにPBSの最新版がおかれてます。
記事作成時点(2025年7月6日)でversion 3.4-1が最新です。
3. インストール
さて、実際にPBSをインストールしていきます。
※ESXi上に仮想マシンを展開する手順は省略します。
ISOから起動設定にしていれば、下の画面が出てくるはずなので。「Install Proxmox Backup Server(Graphical)」を選択します。
ライセンスに関する説明があるので「I Agree」を選択します。
インストール先のストレージ(今回は500GBの仮想ディスク)が選択されていることを確認し、「Next」を選択します。
国を入力します。「Japan」を入れて、Time Zone, Keyboard Layoutが問題ないことを確認したのちに「Next」を選択します。
rootユーザのパスワードを入力します。Confirmで同じパスワードを入力し、Emailで有効なメールアドレスを入力ます。メールアドレスを入力しないと次に進めない点に注意。なお、オンラインで本PBSを運用する場合は、バックアップ失敗時などに登録したメールアドレスにメールが来ます。
「Next」をクリックします。
ネットワークインターフェースやIPアドレスを指定していきます。
今回は以下の通りに設定しました。ここは各位ご自身の環境に合わせてください。
Hostname(FQDN):pbs.local
IP Address(CIDR):10.0.10.10/24
Gateway:10.0.10.254
DNS Server:8.8.8.8
「Next」を選択します。
サマリのページが表示されるので、「Install」を選択し、インストールを開始します。(なぜかこの瞬間のスクショを取っていない)
サマリページの下部に「Automatically reboot after successful installation」にチェックが入っていれば、インストール完了後、自動で再起動が実行されます。
4. バックアップ用の設定
ここからは、実際にProxmox基盤の仮想マシンをバックアップ取っていく方法を記載します。
4.1 アクセス方法
PBS起動後の画面に、アクセスするURLが表示されていると思います。
今回の環境では、https://10.0.10.10:8007/ へアクセスすると、以下のログイン画面が表示されます。
「root」ユーザとインストール時に設定したパスワードを入力し、「ログイン」を選択してください。
ログイン成功後、こんな画面が出るけど「OK」を押しましょう。気にしない。
4.2 PBS設定
データストアの設定をします。「追加」をクリックします。
私の環境下では「BackupManagementLine」ということで、管理系用専用のデータストアを作成しています。
名前:データストア名(任意)
Backing Path:データストアの内容を実際に格納する場所
Backing Pathをスクショと同じように設定すると「PBSの/(ルート配下)」に直接フォルダ(/BackupManagementLine)を作成することになりますので、バックアップの保存先を指定したい場合は、各自の環境に合わせて調整してください。
データストアの設定が済んだので、次は、PBSのフィンガープリントを取得します。
ダッシュボードに移動し、「フィンガープリントの表示」をクリックしてください。
なんかすごい文字列が出てくるので、「コピー」をおして、作業用PCのクリップボードにコピーします。
4.3 Proxmox VEの設定
次はProxmox基盤側にアクセスし、こちら側の設定を行います。
「データセンター」⇒「ストレージ」を選択し「追加」から「Proxmox Backup Server」を選択します。
以下の画面が出てくるので、各値を設定し、「追加」を選択します。
ID:任意(Proxmox VE上での表示名)
サーバ:PBSのIPアドレス
ユーザ名:PBSのユーザ(rootしか設定してない)
パスワード:PBSのrootのパスワード
DataStore:PBS上のデータストア名(今回は「BackupManagementLine」)
Fingerprint:PBSで取得したフィンガープリントを貼り付けます。
これでいったん、Proxmox基盤側の基本設定は終了です。
4.4 バックアップジョブの設定
次はバックアップジョブを作成します。
「データセンター」⇒「バックアップ」を選択し「追加」を選択します。
バックアップジョブの設定画面が表示されるので、以下のように設定していきます。設定が完了後、「作成」を選択します。
ノード:全部(デフォルト値)
ストレージ:データストア名(今回は「BackupManagementLine」)
スケジュール:様々なパターンを選択できます。今回は毎日バックアップを取得したいので、一番動いてなさそうな午前2時に毎日取得することにしました。
選択モード:すべての仮想マシンをバックアップする必要があれば、「全部」を。一部だけであれば、スクショの通りに「選択したVM」を含むを選択し、対象の仮想マシンをしたから選択ください。
これで、午前2時にバックアップが取得されていれば、自動バックアップの設定は成功です。
4.5 手動でバックアップ取得
当然手動でバックアップを取得することも可能です。
仮想マシンを選択後、「バックアップ」⇒「今すぐバックアップ」を選択します。
手動バックアップの設定画面が表示されるので、以下のように設定します。
ストレージ:データストア名(今回は「BackupManagementLine」)
モード:「スナップショット」 or 「停止」のいずれか。一時停止は基本使う必要なし。
スナップショット⇒稼働中の仮想マシンからバックアップ取得の際に指定
停止⇒停止中の仮想マシンからバックアップを取得する際に指定。
これで、バックアップが取得できました。
5. おわりに
バックアップ取得できましたでしょうか。
私はProxmox基盤をよく初期化したりしているので、PBSでバックアップを取得し、復元という工程をよくとってます・・・。PBS、シンプルでいいですね。自宅のメイン物理Windows PCのバックアップなども取ってくれる機能あったら、いいのに。