平成30年度秋期 第31問
2台の端末と2台のレイヤ3スイッチが図のようにLANで接続されているとき、端末Aがフレームを送信し始めてから、端末Bがそのフレームを受信し終わるまでの時間は、およそ何ミリ秒か。
〔条件〕
フレーム長:1,000バイト
LANの伝送速度:100Mビット/秒
レイヤ3スイッチにおける1フレームの処理時間:0.2ミリ秒
レイヤ3スイッチは、1フレームの受信を完了してから送信を開始する。
ア0.24 イ0.43 ウ0.48 エ0.64
答えはエの0.64ですが、文系出身にはなぜそうなのかわかりませんでした。
これまでお恥ずかしい話ですが時間ははじき(時間=速さ÷距離)で認識しておりました。。。
ただ通信に関しては以下の式なんですね。
時間 = データ量 ÷ 通信速度(伝送速度)
備忘録として以下に詳細を記載します。
◇用語の意味
用語 | 意味 |
---|---|
伝送速度(伝送レート) | 1秒間に送信できるデータ量。単位は bps(ビット/秒)や Mbps(メガビット/秒) |
データ量 | 実際に送信したい情報のサイズ。通常はバイトやビットで表される(1バイト = 8ビット) |
伝送時間 | データが回線を通過するのにかかる時間。データ量 ÷ 伝送速度で求める |
Mbps | 1秒間に送信可能なビット数を表す単位。1Mbps = 1,000,000bps |
◇結論
通信において伝送にかかる時間は、以下の式で求めるのが正しい:
伝送時間(秒) = データ量(ビット) ÷ 伝送速度(bps)
つまり、「送りたい情報の大きさ」と「送信できる速さ(能力)」を比較することによって、かかる時間を求める。
◇具体例で解説
条件
• データ量:1,000バイト = 8,000ビット
• 通信速度:100Mbps = 100,000,000bps
計算
伝送時間 = 8,000 ÷ 100,000,000 = 0.00008秒 = 0.08ミリ秒
つまり、8,000ビットのフレームを100Mbpsの回線で送ると、0.08ミリ秒で伝送される。
たとえば:
•毎分100人が通れる自動改札(=100人/分=通信速度)
•800人を通すのに何分かかる?
→ 800 ÷ 100 = 8分
この考えと同じです。
◇あらためて言葉の意味
• 「伝送速度」は1秒間に「これだけのビットを送れるよ」という能力のこと。
• 「伝送時間」は「それだけの能力で、実際にこの量を送るとどれくらい時間がかかるか?」を計算する。
◇なぜそうなのか(なぜダメ?またはなぜ良い?)
観点 | 内容 |
---|---|
❌ 「速度 ÷ データ量」では? | 単位が時間にならず、意味が合わない(たとえば Mbps ÷ ビット → 単位が逆) |
✅ 「データ量 ÷ 速度」なら? | 単位は「ビット ÷ ビット/秒」なので、しっかり秒(時間)になる |
✅ 現実的な例でも納得 | 「1秒にこれだけ送れる」という前提で、「どれだけ送るか」を考えれば自然に時間が出せる |
◇まとめ
• 通信での時間計算は、データ量 ÷ 伝送速度で行う
• これは物理の「距離 ÷ 速さ」ではなく、「作業量 ÷ 作業能力」に近い考え方
• 単位も計算式も整合性があるため、公式として覚えるだけでなく意味から理解することが大切
• この考え方を理解しておけば、ネットワークの問題や試験問題で迷うことが減る!