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おおいたAIテクノロジーセンター 令和6年度キックオフセミナー【イベントレポート】

Last updated at Posted at 2024-07-26

はじめに

おおいたAIテクノロジーセンター」の「令和6年度キックオフセミナー」に参加してきました

県内の具体的な事例や、AIの最新動向まで知ることができて満足しました

「おおいたAIテクノロジーセンター」とは

いつでも どこでも 好きなように“大分”から始まる、 AIの未来。

「おおいたAIテクノロジーセンター」は AI 利活用推進を目的として、大分県内で以下のような活動をしています

公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所が運営しています

GPU プラットフォームの提供

以下の利用条件に則って、 GPU プラットフォームを貸し出しています

  • 大分県内に事業所のある法人
  • 大分県内の教育機関
  • おおいたAIテクノロジーセンターの参加メンバーであること
  • ビジネスアイデア・事例提供にご協力をいただけること 等

無償で NVIDIA A100 Tensor コアGPU が使えるので、 AI のトレーニング環境が欲しい、 AI を学びたい、という人にはうってつけの環境です

A100 は Google Colab Pro を契約していても GPU ガチャに当たらないと使えないので、これはありがたいです(GPUメモリはもっと欲しいけど)

教育活動

県内の高校、専門学校での AI 教育

キックオフセミナーでも、学生が「大分県産いちごの等級判別」を実演デモしていました

カメラからの映像を Jetson 上の画像認識AIで識別し、結果を PC の画面にリアルタイム表示しています

IMG_1793.JPG

ビジネス創出

県内事業者に伴走して AI ビジネスの創出支援

キックオフセミナーでも複数事例を紹介していました

株式会社 WANTO さんの教育AIアプリの事例など、 AI を使った具体的な取り組み内容、今後の課題、展望まで知ることができて良かったです

PoC で GPTs を活用していたり、誰でも AI を試せる環境がすでに整っています

反面、やはり現場で実用するためにはハードルもあるので、 AI インフラやクラウドなどの技術、それを実装するための人材、企業間のデータ連携が重要だと感じます

情報発信

SNS、Youtube、イベントなどでの AI 啓蒙、普及活動も活発に行なっています

GPU 利用者の声

前述した GPU 提供環境を利用している企業の方から、実際に使っての所管、意見要望が聞けました

株式会社 APC

空港内の特殊車両が航空機を認識し、自律走行するための仕組みを紹介していました

GPU 利用環境については、もっとリソースを強化してほしい( H100 GPU が使いたい)、初学者でも使いやすいように段階的な利用環境を提供してほしい、というような意見が出ていました

実際、いきなり GPU サーバーを使うのはハードルが高いので、 Google Colab を使っての AI 推論・学習の体験や、 Jetson の貸し出しなどのメニューはあったほうが良いと思います

株式会社 CAOS

自動搬送ロボット WILL を紹介していました

ハードからソフトまで内製化しているため、細部まで調整可能なところが強みとのこと

WILL に搭載している音声認識 AI のトレーニングに GPU 提供環境を利用していました

やはり GPU メモリがもっと欲しいとの意見が出ており、私も同意見です(近年の LLM を動かすには足りない)

情報科学高校生徒の登壇

情報科学高校の生徒が登壇し、 AI を活用した授業内容や、自分たちで企画運営した未来博覧会などについて紹介しました

高校生ながらしっかりとした登壇で、質疑応答にも落ち着いて答えていて、大分県の未来に希望が持てました

先日の「生成AIを活用した公開授業」にも参加したのですが、情報科学高校では国語や数学、体育にも生成 AI を活用していて、「AIを学ぶ授業」ではなく「AIがツールとして溶け込んだ授業」を見ることができました

NVIDIA 最新動向

NVIDIA の田上英昭氏がオンライン登壇し、 NVIDIA の最新動向について語ってくれました

最初に "I AM AI" という動画が再生され、 AI が色々な場面で人を助け、仮想空間や音楽まで作っている様子を視覚的に伝えてきます

そして、次世代 GPU Blackwell と、それを使用したサーバーの紹介

さらに次世代の GPU Rubin

また、 NVIDIA はソフトウェアにも重きを置いている、という話がありました

生成 AI 用のフレームワーク NeMo

生成 AI をマイクロサービス化する NIM

やはり CUDA で AI 界隈を席巻している NVIDIA はソフトウェアでも強いです

トランスフォーマー世代のAI x Roboticsで構築される新産業

株式会社 Fabo の佐々木陽氏が、ロボティクスにおける AI 動向を語ってくれました

Google Cloud Next 24 で Fabo の AI カーが活躍した様子

Google Gemini との会話で行き先を決めると、 Fabo の AI カーが自律運転で走行します

カメラ映像を AI に入力すると、車を動かすための制御信号が出力される仕組みです

ロボティクスの分野でも AI が利活用され、大きな転換点を迎えています

Mobile ALOHA

人間がロボットアームを操作したときのカメラ映像を AI が模倣学習することで、料理などの家事を自律してこなせるようになっています

Google RT-2

カメラ映像と自然言語による指示を理解してロボットを動かします

NVIDIA GR00T

ヒューマノイドを動かすための基盤モデル

ロボットのハードウェアが違っていても、ファインチューニングすることで同じ基盤モデルを利用できる

学習 Gym

仮想空間上でロボットを動かすことで学習する

まとめ

生成 AI が多方面に起こしている革新はまだまだ続きそうです

その一方で、 GPU が使えない(不足している、使う環境がない)、人材がいない(利活用方法が分からない、技術者を育成できない)などの障壁があります

AI を活用できる組織と活用できない組織の格差はますます拡がることが懸念されるため、「おおいたAIテクノロジーセンター」のような、利活用推進、情報発信していく組織が社会に必要だと感じました

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