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GPTs でサクッと翻訳、キャラクター生成、財務分析、いいね数取得ツールなどなどを作ろう!

Last updated at Posted at 2024-02-19

はじめに

昨年11月にリリースされ、ハンズオン祭でも紹介されていた GPTs を今更ながら触ったので、使い方を紹介します!

GPTs とは

GPTs are a new way for anyone to create a tailored version of ChatGPT to be more helpful in their daily life, at specific tasks, at work, or at home—and then share that creation with others.

和訳

GPTs は、日常生活や特定のタスク、仕事、家庭でより役立つようにChatGPTをカスタマイズできる新しい方法です。そして、その作成物を他の人と共有できます。

ざっくりいうと、 生成AIを使ったサービスをサクッと作れて公開できてしまう機能 です

ノーコードで = プログラミングなしに、生成 AI サービスが作れてしまう 、恐ろしい機能と言えます

ただし、少なくとも現状では自分の GPTs を有償化するような機能はないため、あくまでも 無償のお役立ちツールとして公開するもの 、という点に注意してください

GPTs は Plus プラン以上で利用可能 です

Team プランで契約した場合、同じチーム内の人だけに GPTs を公開できるため、社内ツールとして使用できる という利点もあります

ChatGPT の契約プラン

ChatGPT のプランは4つです(2024年2月時点)

企業で使う場合「プロンプトの内容が学習されない」ということが重要です

以前は企業向けプランが Enterprise プランしかなく、問い合わせると中々の金額だったので諦めていました(代わりにAOAIを使用)

2024年1月に追加された Team プランが プロンプトの内容が学習されず、リーズナブルかつ GPTs が利用できるので、企業で使うには最適です

Free

  • 料金: $0
  • GPT-3.5 が使える
  • Web, iOS Android から使える

Plus

  • 料金: 月額 $20
  • Free の機能全てが使える
  • GPT-4 が使える
  • GPTs が使える
  • DALL·E(画像生成)や高度なデータ分析などが使える

Team

  • 料金: 月額 $25(年払い)または月額 $30 (月払い)
  • Plus の機能全てが使える
  • ワークスペースの管理ができる
  • ワークスペースないだけで GPTs が共有できる
  • プロンプトの内容が学習されない

Enterprise

  • 料金: 要お問合せ
  • Team の機能全てが使える
  • アクセスが高速になる
  • 優先的にサポートされる
  • SAML SSO に対応
  • プロンプトの内容が学習されない

事前準備

ChatGPT のアカウントを作り、 Plus プランか Team プランで契約してください

業務で使う場合や企業で契約する場合、少し高くなりますが Team プランで契約しましょう

言語設定を変更する手順

  • 自分の名前をクリック
  • Settings をクリック

スクリーンショット 2024-02-18 11.30.13.png

  • 英語の場合、「Language (Alpha)」となっているところで「日本語」を選択

スクリーンショット 2024-02-18 11.30.28.png

Plus プラン以上で契約していれば左メニューに「GPTを探索する」(言語設定を英語にしている場合は「Explore GPTs」)が表示されているので、クリックします

スクリーンショット 2024-02-18 11.26.58.png

GPTs の画面が表示されます

この画面から他の人が公開した GPTs を検索して使うことができます

右上の「+GPTを作成する」をクリックします

スクリーンショット 2024-02-18 19.23.06.png

左側に GPT を作るためのフォーム、右側に作成中の GPT のプレビューが表示されています

スクリーンショット 2024-02-18 19.26.12.png

左側の「Create」タブでは「GPT Builder」とチャットしながら GPT を作ることができます

しかし、デフォルトが英語で使いづらいため、「Configure」タブの方を開きます

スクリーンショット 2024-02-18 19.29.28.png

この項目に入力していくだけで、生成AIツールが作れます

翻訳ツールの作成

まずは一番単純な翻訳ツールを作ります

英訳ツールの作成

以下の手順を実施してください

  • 「Name」に「英訳」と入力する

  • 「Description」に「日本語を全て英語に翻訳します」と入力する

  • 「Instruction」に以下の内容を入力する

    入力された日本語を全て英語に翻訳してください
    
  • 「+」アイコンをクリックする

    スクリーンショット 2024-02-18 19.41.14.png

  • 「Use DALL·E」をクリックし、「Name」や「Description」に沿ったアイコンを生成してもらう

スクリーンショット 2024-02-18 19.45.39.png

アイコン画像は違う画像になります

この状態で右側のプレビューに「こんにちは」と送ってみましょう

「Hello」と英訳されて返ってきます

スクリーンショット 2024-02-18 19.48.27.png

無事、英訳ツールができました

右上の保存ボタンをクリックし、公開範囲を選んで「確認」をクリックしましょう

スクリーンショット 2024-02-18 19.51.38.png

和訳ツールの作成

英訳ツールと同様の手順で、「Instruction」を以下のようにすれば和訳ツールが作成できます

入力された英語を全て日本語に翻訳してください
直訳ではなく、意味がわかりやすいように意訳をしてください

2行目の文言は、そのままだと直訳すぎたので追加しました
用途によって調整してください

スクリーンショット 2024-02-19 10.17.33.png

左上のドロップダウンから「GPTをカスタマイズ」をクリックすることで、作成したGPTを編集可能です

スクリーンショット 2024-02-19 10.38.38.png

ただし、変更が反映されるまでには時間がかかる場合があります

保存しても動きに変化がない場合、気長に待ちましょう

キャラクター生成

続いて画像生成(DALL·E)の機能を活かして、キャラクター生成ツールを作成してみましょう

「Instruction」を以下のようにしてください

入力された画像とテキストを元に、以下の処理を行なってください
- マスコットキャラクターの名前を提案する
- マスコットキャラクターのプロフィールを作成する
  - 好きな食べ物
  - 好きな言葉
  - 好きな本
- マスコットキャラクターの画像を生成する
- キャラクターから挨拶

ユーザーへの応答は全て日本語にしてください

プロフィールの項目などは好きなものに変更しましょう

最終行の ユーザーへの応答は全て日本語にしてください を指定することで、確実に日本語を使うよう指定しています

そして、 必ず「Capabilities」で「DALL·E Image Generation」にチェックを入れてください
(デフォルトでチェックが入っているので問題ないと思いますが)

スクリーンショット 2024-02-19 10.18.23.png

以下のように、写真と言葉からキャラクターを作ってくれます

スクリーンショット 2024-02-18 20.29.47.png

スクリーンショット 2024-02-19 10.04.08.png

財務分析ツール

続いて Knowledge を活かしたツールとして、財務分析ツールを作ってみましょう

Knowledge 用データの準備

以下の Web サイトから株式会社オーイーシーの電子広告(決算資料)が PDF形式でダウンロードできます

直近5年分をダウンロードしておきます

Knowledge では PDF 以外にも Excel や CSV 、HTML なども読んでくれます

財務分析 GPT の作成

GPT を以下の内容で作成してください

  • Instruction

    グラフは Python の Matplotlib を使って描画します
    日本語フォントは現状では使えず文字化けするため、グラフ内では英語を使うように支持します

    KnowledgeのPDFファイルは株式会社オーイーシーの決算情報です
    株式会社オーイーシーの決算情報を元に質問に答えてください
    ユーザーへの応答は全て日本語で行なってください
    ただし、グラフを出力する場合、グラフ内の文字は全て英語に翻訳してください
    
  • Knowledge

    ダウンロードしておいたPDFファイルをアップロード

  • Capabilities

    「Code Interpreter」にチェックを入れる

スクリーンショット 2024-02-18 20.38.20.png

出来上がった GPT は PDF の内容を参照し、質問に答えてくれます

「Code Interpreter」にチェックを入れないと、 Knowledge のデータを参照できません

Knowledge データのグラフ化、表形式表示

以下は「売上高と売上原価の推移をグラフと表で示してください」と入力した場合の結果です

スクリーンショット 2024-02-19 10.35.39.png

GPT の出力末尾にある [>_] のアイコンをクリックすると、以下のように Python コードが表示されます

スクリーンショット 2024-02-18 21.06.53.png

ChatGPT が内部的に Python コードを生成、実行することでグラフ出力していたことがわかります

Knowledge データを使った計算、分析

もっと難しい質問として「自己資本比率の推移を表とグラフで示し、傾向を分析してください」と入力してみます

スクリーンショット 2024-02-18 21.13.45.png

Knowledge にアップロードした PDF には「自己資本比率」の項目はありませんが、「純資産合計」と「資産合計」から正確に計算しています

自己資本比率の計算式、その意味合いまで正しく理解できているようです

Qiita いいね数取得

最後に Actions を活かした例です(実用性はないですが)

Actions を利用すると、 GPT が API を呼び出してくれます
今回は Qiita のいいね数を取得してみます

Qiita API のアクセストークン発行

Qiita API のアクセストークンを発行しておきます

発行手順はこちらの記事を参考にしてください

Qiita API の定義取得

Actions で API を呼び出すためには、 OpenAPI 仕様の定義(yml や json 形式で API の仕様を定義したもの)が必要です

残念ながら Qiita API は定義ファイルを公開していないので、自作する必要があります

しかし、自作するのはすごく面倒なので ChatGPT に生成してもらいます

Qiita API のドキュメントから「いいね」用 API のパス、レスポンス等の記述をコピーします

ChatGPT に以下のように指示します

以下の情報を元に OpenAPI の yml ファイルを生成してください

GET /api/v2/items/:item_id/likes HTTP/1.1
Host: api.example.com
HTTP/1.1 200
Content-Type: application/json

[
  {
    "created_at": "2000-01-01T00:00:00+00:00",
    "user": {
      "description": "Hello, world.",
      "facebook_id": "qiita",
      "followees_count": 100,
      "followers_count": 200,
      "github_login_name": "qiitan",
      "id": "qiita",
      "items_count": 300,
      "linkedin_id": "qiita",
      "location": "Tokyo, Japan",
      "name": "Qiita キータ",
      "organization": "Qiita Inc.",
      "permanent_id": 1,
      "profile_image_url": "https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/qiita-image-store/0/88/ccf90b557a406157dbb9d2d7e543dae384dbb561/large.png?1575443439",
      "team_only": false,
      "twitter_screen_name": "qiita",
      "website_url": "https://qiita.com"
    }
  }
]

すると、 ChatGPT は以下のように yml を生成してくれます

openapi: 3.0.0
info:
  title: Example API
  version: '1.0'
servers:
  - url: https://api.example.com
paths:
  /api/v2/items/{item_id}/likes:
    get:
      summary: Get likes for a specific item
      operationId: getItemLikes
      parameters:
        - name: item_id
          in: path
          required: true
          schema:
            type: string
          description: The ID of the item to retrieve likes for
      responses:
        '200':
          description: A list of likes for the item
          content:
            application/json:
              schema:
                type: array
                items:
                  type: object
                  properties:
                    created_at:
                      type: string
                      format: date-time
                    user:
                      type: object
                      properties:
                        description:
                          type: string
                        facebook_id:
                          type: string
                        followees_count:
                          type: integer
                        followers_count:
                          type: integer
                        github_login_name:
                          type: string
                        id:
                          type: string
                        items_count:
                          type: integer
                        linkedin_id:
                          type: string
                        location:
                          type: string
                        name:
                          type: string
                        organization:
                          type: string
                        permanent_id:
                          type: integer
                        profile_image_url:
                          type: string
                        team_only:
                          type: boolean
                        twitter_screen_name:
                          type: string
                        website_url:
                          type: string

servers.urlpaths のパスを修正します

openapi: 3.0.0
info:
  title: Example API
  version: '1.0'
servers:
  - url: https://qiita.com/api/v2
paths:
  /items/{item_id}/likes:
...

これで OpenAPI 定義が準備できました

Qiita いいね数取得 GPT の作成

  • Instruction

    入力された記事IDを元に Qiita API から「いいね」数を取得してください
    
  • Actions

    左下の「新しいアクションを作成」をクリック

    スクリーンショット 2024-02-19 9.31.18.png

    Actions の追加画面が表示されます
    「Authentication」の下「None」をクリックしましょう

    スクリーンショット 2024-02-19 9.33.21.png

    「Authentication」モーダルが開きます
    以下のように入力してから「Save」をクリックします

    • 「Authentication Type」: API Key
    • API Key: Qiita API 用アクセストークン
    • Auth Type: Bearer

    スクリーンショット 2024-02-19 9.47.13.png

    「Schema」に OpenAPI の yml を入力します

GPT を保存して記事IDを入力してみましょう

初回は API へのアクセス許可を求めてきます
「許可」または「常に許可する」をクリックします

スクリーンショット 2024-02-19 9.52.34.png

許可後、APIを呼び出していいね件数を取得してくれます

スクリーンショット 2024-02-19 9.53.44.png

まとめ

GPTs を使うことで、ノーコードで生成 AI ツールが作成できました

思いついたアイデアを素早く形にするには最適のサービスではないでしょうか

今後も色々試してみたいと思います

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