Elixir Image で簡単動画再生

はじめに

先日記事を書いた Image モジュールを使って、 Livebook 上で動画を再生します

Image モジュールの動画関連処理は内部的に evision を使っています

実行環境

• Elixir: 1.14.2 OTP 24
• Livebook: 0.8.1

以下のリポジトリーの Docker コンテナ上で起動しています

Docker が使える環境であれば簡単に実行できます

https://docs.docker.com/engine/install/

Docker Desktop を無償利用できない場合は Rancher Desktop を使ってください

https://rancherdesktop.io/

実行環境の注意点

Image (Vix) を使うためには libvpc が必要です

また、 evision の動画関連処理を実行するためには、 FFmpeg をインストールしてからビルドする必要があります

Ubuntu　の場合は以下のモジュールを apt-get install してください

• unzip
• ffmpeg
• libavcodec-dev
• libavformat-dev
• libavutil-dev
• libswscale-dev

事前準備

適当な動画を以下のパスに用意したものとします

• /tmp/sample.mp4 （なんでも良い）

セットアップ

必要なモジュールをインストールします

Mix.install(
  [
    {:image, "~> 0.23"},
    {:evision, "~> 0.1"},
    {:req, "~> 0.3"},
    {:kino, "~> 0.8"}
  ],
  system_env: [
    {"EVISION_PREFER_PRECOMPILED", "false"}
  ]
)

環境変数 EVISION_PREFER_PRECOMPILED に false を指定することで、 evision をソースからコンパイルするよう指定しています

evision のコンパイルには非常に時間がかかるため、30分程度待ちます

動画の読込

Image.Video.open で動画ファイルを開きます

video = Image.Video.open!("/tmp/sample.mp4")

Image.Video.image_from_video で動画内の1フレームを静止画として取得できます

オプションとしてフレーム番号とミリ秒単位での時間を指定できます

frame = Image.Video.image_from_video!(video, frame: 0)

Image.Kino.show(frame, max_height: 400)

frame = Image.Video.image_from_video!(video, millisecond: 3_000)

Image.Kino.show(frame, max_height: 400)

オプションを指定しない場合は前回読んだフレームの次のフレームを読み込みます

frame = Image.Video.image_from_video!(video)

Image.Kino.show(frame, max_height: 400)

Image.Video.stream で動画ファイルを開くことで、各フレームを列挙型として扱えます

また、 frame や millisecond で範囲を指定することができます

というわけで、以下のコードで Livebook 上で動画が再生できます

"/tmp/sample.mp4"
|> Image.Video.stream!(frame: 0..-1)
|> Kino.animate(0, fn frame, counter ->
  if frame do
    frame
    |> Image.Kino.show(max_height: 400)
    |> then(&{:cont, &1, counter + 1})
  else
    :halt
  end
end)

まとめ

かなり短いコードで簡単に動画が読み込めました

次は動画を加工してみましょう