はじめに
BLAST SETOUCHI は瀬戸内のイノベーターたちが集まり、瀬戸内を盛り上げるイベントです
2022 年に愛媛ではじまり、 2023 年は岡山、そして 2024 年は私の住む大分県で開催されました
当日はたくさん刺激を受けたので、印象に残った言葉などを振り返っていきます
「#ブラセト」のポストは勝手に togetter にまとめましたので、当日のリアルタイムな熱気を見たい方は以下のリンクからどうぞ
前夜祭
前夜祭は OPAM で開催されました
赤レンガ館のリニューアルでは、敢えて内装を剥がし、戦争で焼け残ったレンガ壁本来の姿を見せる引き算を行った話
アートを通したコーチングによって、生きづらさをプラスに転換する話
ダリが抱える「亡くなった兄の代わり」というコンプレックから、多くの人に見てほしいという芸術への昇華の話
共通して、マイナスだからこそプラスにもできる、という話だと感じました
そこに「不」があるからこそ、そこからイノベーションが生まれる可能性がある
「悪い」と思われるような状況こそ、何かを創ることができるチャンスなのかも
セッションの後、ダリの作品を観てまわりました
私は詳しくないので「リャネの野菜畑」が飾られているのを見て「なんで逆さまなんですか?」と学芸員さんに聞いたところ、当時10代だったダリがキャンバスの両面に書いた際に間違った(飾ることを意識していなかった?)のだろうと教えてもらいました
聞いていなかったら、芸術ってそういうものなんだ、とか納得してしまいまいそう
瀬戸内はファジー
BLAST SETOUCHI の中で「瀬戸内の境界が曖昧なところがよい」という話題が出ました
実際、熊本や鳥取の方も来ていました
そこで、 ChatGPT に「瀬戸内とは何県を表しますか」と聞いてみました
「瀬戸内」とは、瀬戸内海に面した地域を指し、具体的には以下の7県を含みます:
- 兵庫県
- 岡山県
- 広島県
- 山口県
- 香川県
- 愛媛県
- 徳島県
これらの県は瀬戸内海に接しており、風光明媚な景観や穏やかな気候、そして豊かな海の幸で知られています。また、この地域は「瀬戸内地方」とも呼ばれ、歴史的にも文化的にも共通点が多い地域です。
続けて「大分県は含まれませんか?」と聞いてみます
大分県も瀬戸内海に面しているため、広義には瀬戸内地域に含まれることがあります。ただし、瀬戸内地方として語られる場合、大分県は中心的なエリアとして扱われることは少なく、九州地方として認識されることが一般的です。
ただし、大分県の一部地域(例えば臼杵市や佐賀関など)は瀬戸内海沿岸に位置し、瀬戸内の風景や文化の影響を受けています。そのため、大分県が瀬戸内に含まれるかどうかは文脈や定義次第で異なると言えます。
臼杵市出身の私は、フジテレビ系列の番組を見るのにテレビ愛媛を毎日観ていました
そのため、なんなら大分市よりも愛媛の方が近いように思っていました
(特に県南は)文化的にも方言的にも、他の九州各県よりも瀬戸内の方が近いように思えます
というわけで、 BLAST SETOUCHI が大分県で開催されると言っても何ら違和感はありません
「境界が曖昧」というのは私としても「良いこと」のように思えます
何か「自分の範囲はここまで」と決めてしまうことは、個人にとっても組織にとっても、「身を守る」という意味では良いように思えますが、長期的に見ると「生き残る」ことが難しくなります
観光業も今や「点」で勝負はできない、「面」で勝負しないといけない、という話は非常に説得力がありました
瀬戸内周遊で観光できるようなブランディングが重要だと感じました
「ユナイテッドステイツオブ瀬戸内」というワードも面白かったです
人材にフックをかける
いくつかのセッションで人材流出について話題に出ました
結局、出て行こうと思っている人を変えることはできないし、無理やり変えようとしてもいいことはありません
「思い出」をフックとして繋げて、「世界を見て来い」と送り出してあげる、という別府市長の話が非常に良かったです
「良い人」がいて「良い思い出」があれば、いずれ帰ってきてくれるから、おおらかに構えていよう
だからこそ、「人」が大事という話でした
成長して出ていくのであれば、それはきっと「良い思い出」なので、やはり積極的にスキルアップを促していきたいと思いました
ローカルの時代
BLAST SETOUCHI に参加されている皆さん共通で、「ローカルが未来だ」と信じているように思います
日本と海外、田舎と都会、というような境界線は本来存在していない
海外だからできない、都会の人材だから優秀、というようなことはない
インターネットでどこでも働けるようになって、いよいよ生活の豊かさが重要視されるようになれば、温泉は最強のコンテンツ
死に方
非常に強い言葉として、「起業家は一回死なないといけない」というものが出てきました
支援する側は死なないようにするのではなく、死んでから再生できるようにすることが大事
英語習得の話題でも「ヒリヒリした皮膚感覚」「餓え」がなければ、言語は習得できない、という話が出ました
英語は不得意なので、特に身につまされる話です
結局のところ、絶望したこともなく、できなくても死なないのであれば、本気で取り組むことはできない、ということです
アントレプレナー = 誰からも頼まれていないことを、勝手にやる人
この定義であれば、 Elixir Advent Calendar で毎年数十記事を勝手に書いたり、勝手に社内勉強会を立ち上げたり、勝手にエンジニアコミュニティの運営をしていたりする私もアントレプレナーと言えるかも
誰かに言われてやることは、責任があるようで、言い訳ができてしまう
誰にも言われずやることは、自分で勝手にやっているから、言い訳ができない
「起業ができるか」と言われると、人間関係も金勘定もマネジメントも苦手な私には正直難しい
それでもアントレプレナーではいたいと思います
CLS との違い
以前、 CLS 高知にも参加しました
CLS 出島の運営にも入っています
CLS と BLAST SETOUCHI 、当然、それぞれ対象とする地域も誕生の経緯も違いますが、どちらも地域課題がテーマに挙げられています
私は CLS に参加してから BLAST SETOUCHI に興味を持ったので、同じ四国だし、意識し合っていたりする?とも思いましたが、 BLAST SETOUCHI の参加者、運営の方々は誰も CLS を知りませんでした
また、 CLS はエンジニア系コミュニティが誕生の経緯に関わっていることもあり、かなりエンジニアが来ていましたが、 BLAST SETOUCHI にはほぼエンジニアはいませんでした
(Backlog ユーザーの人はいました)
CLS が「地域コミュニティ」に主軸を起き、地域そのものに対して具体的に行動を起こそうとしている(地域の参加者が多い)のに対し、 BLAST SETOUCHI は「イノベーター」や「アントレプレナー」「起業家」に主軸を置いてイノベーションを起こすための仕組みや環境を作ろうとしている(県外参加者、起業家が多い)、という違いがあるように思います
どちらの参加者、運営メンバーもキラキラして一所懸命で眩しいことは同じですが、ゴール、目的の違いを感じます
いずれにせよ、このようなイベントが他にも全国でたくさん開催されていて、「地域の力」というのが本当に強くなっている、というのを感じます
目的が違うので必ずしも手を組めば良いわけではないですが、色々なイベントで、もっと色々なものが混じり合うのは面白そうです
地域コミュニティ、自治体、エンジニア、企業、イノベーター、全てが垣根なく、何かの目的に向かっていけることを望んでいます
次回は香川
次回 BLAST SETOUCH 2025 は 2025 年 9 月 14 日、 15 日
香川県で開催されます
懇親会もめっちゃ盛り上がっていました
まとめ
「誰からも頼まれていないことを、勝手にやる」というのは、やはり大事だな、と感じました
「名刺から社名を抜いたら何も残らない人」という辛辣な話題も出てきましたが、そうならないよう、組織の中でもアントレプレナーでいたいと思います