クラウドワークス Advent Calendar 2021 14日目です!
よろしくお願いします!
はじめに
この記事では英語力ゼロの私がクラウドログと出会い、
フィリピンのオフショアメンバーと一緒に"基本英語"で開発を進めてきた中で得た、
"英語で開発をする"上での知見を紹介させていただきます。
自分でもなかなかにレアな境遇だと思っておりますが、
もしかしたらいるかも知れない「いきなり英語を使う環境に放り込まれた人」の参考になったら嬉しいです。
また、なんとなく英語を使いたいという欲だけはあるのだけど何から始めたらいいかわからない、という方にも参考になる情報があると思います。
それではどうぞよろしくおねがいします!
※ クラウドログとは工数管理ができるプロジェクト管理ツールです。
直感的操作で簡単に工数入力ができます。
更にGoogleカレンダーやOutlookカレンダーとの連携もでき、日々の入力作業を効率化できます。
ご興味のある方はぜひこちらも見ていってください!
超忙しい人向け3行まとめ
- 文章だけのやりとりなら英語力ゼロでもなんとかなる
- 英会話でのやり取りも増やす場合は工夫が必要
- リモートのオフショア開発で業務時間だけ英語を使っていても英語を喋れるようにはならない!!
前知識
クラウドログ開発チームの環境紹介
最初にクラウドログの開発でどのように英語を使用しているかを紹介します。
- 設計書は英語で記載
- ソースコードのコメントやコミットメッセージは英語で記載
- 開発に関わるQiita Teamの記事は英語で記載
- オフショアメンバーとのやり取りは基本Slackを使用(メッセージのやり取りは英語)
- スクラム開発における以下のミーティングは英会話で実施
- 毎朝のショートミーティング(15分くらい)
- スプリントデモ
- スプリントレトロスペクティブ
- 日本メンバー同士のやり取りは日本語
上記のようになっていて、開発に関わる文章、会話は原則英語となっています。
ただ、社内の公用語を英語にしているというわけはなく、
日本メンバー同士のやり取りは日本語で行っています。
クラウドログオフショア開発の歴史
クラウドログ自体は立ち上げ当初から数えると10年くらいの歴史があるのですが、
オフショア開発が始まったのは2018年の7月でした。
当時はフィリピン現地に日本メンバー1名とフィリピンメンバー7名、
日本オフィスには日本メンバー3名ほどで開発を行っていました。
私が参画したのは2018年12月で、その時ちょうど他のメンバーとの入れ替わりになったため、
その後は日本オフィスのメンバーはしばらく私含め2名でした。
ちなみに2021年12月の今では日本メンバーのほうが人数が多くなり、
フィリピンメンバー7名と日本メンバー約11名となっています。
私の英語力
参画当初(3年前)の私の英語力を参考までに。。。
- TOEIC: 受けたこと無い
- 高校時代の英語の成績: 5段階評価で3か4
- 大学時代の英語の成績:なんかすごいゆるい感じの講義で出席さえしていれば単位がもらえる感じのものだったので割愛・・・
- 海外留学:もちろんなし
- 海外旅行:行ったこと無い
- 英語への興味:英語使うのってかっこよくない!?(
厨二病) - 単語力:makeの過去形がmadeであることくらいは知ってる。
- 文章力:主語の後すぐ動詞書けばいいんでしょ?
- 英会話力:エターナルフォースブリザード!!
英語へのあこがれだけは無駄にある状態でした。
さて、前置きが長くなりましたがここからは実際にどのように英語環境で生き抜いてきたかを紹介していきます。
まずは文章メインで開発をすすめた2年間
クラウドログに参画して最初の1〜2年くらいは基本的に文章だけのやり取りをしていました。
(自己紹介などの挨拶はビデオ通話でやりました)
文章だけのやり取りなら、本当に英語力ゼロからでもそこそこなんとかなるように思います。
これはやはり各種翻訳ツールが高性能になったことが大きいと思います。
また、「この日本語は英語だとどう表現するのか?」というやり取りも
インターネット上で盛んにやり取りされているため、
文章を翻訳する事においてはほぼ困ることは無いと思います。
三種の神器
そんなわけで、これから英語での開発を始めようとしているそこのあなた!
まずは以下のツールとサイトを活用しましょう。
DeepL翻訳
神翻訳ツールです。必ずアプリ版をインストールしましょう。
当初はGoogle翻訳を使用していましたが、DeepLと出会ってからはDeepLだけを使用しています。
ココが神だよDeepL
- Cmd(Ctrl) + Cキー二回押しで選択した範囲を即翻訳できる
おそらく死ぬほどお世話になる機能です。
DeepLを導入する前は
- テキストを選択してクリップボードにコピー
- Google翻訳などを開く
- クリップボードの内容を貼り付け
とやっていた作業がわずか1ステップになりました。
- 翻訳された内容を単語単位で「候補の中から」修正できる
英語での仕事に慣れてきた頃に嬉しい機能!
恐れ多くもその単語じゃないんだよな〜となったときに、
他の候補を選択して瞬時に再翻訳できます。
上記以外にもファイルを丸ごと翻訳してくれたり、
翻訳した内容を直接もとの文章に上書きしてくれたりなど色々な機能があります。
翻訳作業の手間は格段に減るのでぜひ導入しましょう。
※ 注意!
DeepLの無料版は翻訳内容がDeepLのサーバに送信されるため、
機密情報を含んだテキストの扱いには注意する必要があります!
心配な方は有料版(DeepL Pro)をご検討ください。
英語のページだけ検索
英語で仕事をしていると英語のページだけを検索したくなります。(なるんです)
そんな時、通常の方法で"英単語"だけで検索しても、日本語のページもヒットしてしまいます。
以下のパラメータ付きのGoogle検索URLを使用することで、
英語のページだけを検索可能になります。(厳密にはアメリカからの検索結果を表示できます。)
https://www.google.com/?gl=us&hl=en&gws_rd=cr&pws=0
これで今日からアメリカンな検索が簡単にできます。
DMM英会話なんてuKnow?
基本的な翻訳はDeepL先生がなんとかしてくれるのですが、
日本語ならではの以下のような単語を翻訳したい時、こちらのサイトがとても助けになります。
- お疲れさまでした
- 仕方ない
- そんな感じ
翻訳には基本DeepLを使用し、翻訳結果に違和感があるときはDMM英会話で確認、ということを私はよくやっています。
Slackで1クリック翻訳
三種の神器と言ったな、あれは嘘だ。
去年の クラウドワークス Advent Calendar 2020 にて
Slack上の投稿を1クリックで翻訳するBotを作成する手順が紹介されておりました!
こちらもどうぞご一読ください!
翻訳ツールを使って英語で仕事をするときに気をつけたいこと
- 1文を短く切って伝える、翻訳する。
- 長い日本語はなかなかうまく翻訳されません。1文は短くするのがベター
- 日本語➔英語の翻訳結果が怪しいときは、翻訳後の英語を日本語に翻訳してみて意味がおかしくなっていないかを確認する。
- 更に不安な場合は、DeepLで英訳、Google翻訳で和訳、と2つの翻訳ツールを交互に使ってみるのもおすすめ。
- 主語をなるべく"人"にしてから翻訳する。(これはちょっと私の主観が入っていますが、このほうがシンプルな英文が生成されるように感じます。)
- 例) タイムシート機能が修正されました。 ➔ 私はタイムシート機能を修正しました。
- 後で自分で自分の英語を見たときに「何を言ったか」がわからなくならないように、難しいことを伝えるときは日本語も併記する
- 翻訳ツールはどんな難しい言葉もそれっぽく訳してくれますが、1週間後とかに見返してみると、もともとなんという日本語だったか思い出せないものです。。。
- 特に大事なことについては、日本語も書いておくのが良いと思います。
- 翻訳ツールの翻訳精度は日々向上しているので、今日の翻訳結果と明日の翻訳結果は異なる可能性があります。そういう意味でも日本語を併記しておくことには意味があると思います。
- いちばん大事なのは、「伝えたい内容を間違いなく確実に伝える」こと
- そのためには図や画面キャプチャも使用していく(日本語でも同じですね。)
英会話でのやり取りを増やしたくなった直近1年半
ここまでに紹介した内容を活用することで文章オンリーのやり取りに限れば英語でもなんとかなると思います。
ここからは上記に加えて更に「英会話」でのやり取りを増やしていった中で得た知見を紹介します。
クラウドログでは2020年9月から本格的にスクラム開発を導入しています。
またスクラム開発を始める数ヶ月前から、毎朝15分ほど「昨日の作業、今日の作業、困っていること」を共有するミーティングを始めました。(英会話です)
なので直近1年半ほどでどんどんと英会話によるやり取りが増えてきています。
ほぼ文章でのやり取りしかできないかった私がどのように生き抜いてきたかを御覧ください。
ちなみに、、、会話でのやり取りは文章だけのやり取りと比べて100倍くらい難しいと感じています。
発音、リスニング、英文章をぱっと作る力・・・
これらは一朝一夕で身につくものではありませんが、まずは序盤を凌ぐための方法として捉えていただければと思います。
Google Meetの字幕機能を使うべし
Google Meetには字幕を表示する機能がついています!
日本語には対応していないのですが英語にはバッチリ対応しています。
これでリスニング力ゼロでもぎりぎりなんとか、、なります。
※ちなみに2021年12月現在、Meetの録画に字幕は含まれません。。。
録画に字幕が付けられれば、後から会議の内容を確認したいときに捗るのですが・・・
アップデートが待たれます。
(別途動画ファイルとしてダウンロードして、別のソフトで会話内容から字幕を生成するなどは可能だと思います。)
自分が喋る内容は事前に用意する
準備は大事です!自分が喋る内容は事前に翻訳して用意しておきましょう。
DeepLでは翻訳した文章を読み上げてくれる機能もあるので発音の確認も行えます。
いざというときの魔法の呪文
会話をしていてわからない内容があったらそのままにせずにきちんと確認しましょう。
といっても、その場で英語で確認しても難しいと思うので、
自分がよく使う言い回しはこれです。
I'm sorry, I don't understand. Can you please tell me about it on a Slack post after this meeting?
「すみません、理解できませんでした。この会議の後、Slackの投稿で教えてもらえませんか?」
最悪、上記を覚えておけば会議はなんとかなります・・・(最終手段)
英語を勉強しよう
ここまで色々言ってきて、、ではありますが
英語で会話やディスカッションを盛んにやりたい場合は、
やはり英語の勉強は必須です。
なんだかんだ翻訳ツールで仕事ができてしまったばかりに英語の勉強をあまりしてこなかった結果、
参画から3年経った今でも私の英語力は以下のような感じであまり上達していません。
- TOEIC: いまだに受けたこと無い
- 英語への興味:MCUの映画を字幕で見るようになった。
- 単語力:開発に関連する単語は大体覚えた。
- 文章力:開発に関連する簡単な文章なら翻訳ツールを使わなくてもかけるようになった。
- 英会話力:スクラムの朝ミーティングやレトロスペクティブなど、ある程度内容が決まっていることであればなんとか・・・。また、簡単な内容であればその場ですぐに英語で質問できるようになった。英語でがっつりディスカッションなどはまだ厳しい。
1年半ほど前から本格的に英語(特に会話)の勉強をはじめましたが、
それも毎日ちゃんとやれているわけではないのでまだまだといったところです。
ここまで読んでくれた方は、翻訳ツールにあぐらをかくことなく、日々勉強していただきたいところです。
最後に、個人的におすすめの英語レッスンサイトと本を紹介して結びとしたいと思います。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
おすすめの英会話レッスン:レアジョブ英会話
一番気に入っているのは・・・値段だ
上記は半分冗談ですが、値段やレッスンアプリのUI含め気に入っています。
毎日25分のレッスンが受けられて月額6,380円です。(21年12月11日時点)
月8レッスンで月額4,620円のコースもありますが、毎日コースにしておきましょう。
たとえ毎日は無理かもなーと思っても毎日コースにしましょう。
なんだかんだ言って月8回(毎土日)くらいしかやらないな〜と思っても毎日コースにしましょう。
かくいう私も途中で月8回のコースに変更したことがありましたが、
変えた月に限って時間がたくさんとれて結局8回じゃ足りなくなりました。
そういうものです。
ちなみに英語力ゼロの人がいきなりビジネスコースにするのはやめましょう。
私は勇み足でビジネスコースに申し込み、ビジネスコース中で一番簡単なレッスンを受けましたが全然わからず挫折しました。
そして、その後3ヶ月間ビジネスコースの料金で、通常コースでも受けられるレッスンを受けるという屈辱を味わいました。
(私が申し込んだときは初月無料、3ヶ月間同一コース継続必須というキャンペーンをやっていました。まんまとはめられました[自爆])
iPadを持っていたらレッスンはiPadのアプリで受けるのをおすすめします。
使いやすいです。
iPhoneでレッスンの予約をして、iPadでレッスンを受ける、ということをやっています。
おすすめの学習本その1:英会話イメージトレース体得法
日本語と英語のモノの見方の違い、1つの状況について、日本語からの視点と英語からの視点でどのように文章がつくられるのかなどを通して英語の考え方を教えてくれる本。
この本の中で自分が一番感銘を受けたのは以下の文章でした。
「日本語は聞き手の責任が英語よりも大きい」
これは言いかえると
- 英語は話し手に責任のある言語
- 日本語は聞き手に責任のある言語
ということで、日本語を英語に翻訳するときにうまく行かないことが多い理由が少しわかった気がしました。
(詳しくは本を読んでね)
おすすめの学習本その2:中学レベルの英単語でネイティブとペラペラ話せる本
ネイティブの人がどういうふうに考えて英語を喋っているのかが分かる本です。
そこから、日本人がどのように英会話を考えていけばいいかが書いてあります。
個人的には理系の人におすすめしたい本です。