スタッフ体験会
SEパートへようこそ!
SEパートではスタッフ、選手がより自由に活動できるよう、google document, google spreadsheet, google form, slack などのツールを横断して連携できるコードを書いたり、あったら便利な機能を詰め込んだアプリの開発をしたりしています。
今後は運動会に属しているという強みを活かし、スポーツ × IT を実現して選手の技術上達や戦術理解に役立つこと(例えばAIを使用して身体の動きや戦術を分析するなど...?)を考え、よりWarriorsの勝利に直結する仕事をしたいと考えています。
なぜSEパートが必要なのか?
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まだWarriros内には効率化できるところがたくさんあるから!
SEパートに入ると、他のパートと話し合いを行う機会があります。そこでは他のパートから効率化したいけど手が回っていないことが挙がってきます。今もそのストックがあります。一緒に解決しましょう! -
Warriorsの勝利に繋がりそうなのに活用できていないデータ・環境があるから!
今までSAさんが貯めてきてくれたデータがあり、最先端の研究をしている大学に所属していますが、今はそのどちらも活かせていない状況です。みなさんの希望次第・行動次第でこれらの環境を活かして活動することができると思います!
この記事は、プログラミングの入門としてPythonを使ってシンプルなじゃんけんゲームを作りながら、プログラミングの基本概念を学ぶことを目的としています。
プログラミングとは?
そもそもSEパートがやっているPCでのプログラミングとは、コンピュータに作業をさせるためにコンピュータにわかるように指示を出すことです。じゃんけんのようなシンプルなゲームでさえ、コンピュータに理解させるには、手順を追って指示を出す必要があります。
この記事も文字を打って画面に表示させるという一種のプログラミングです。すごいでしょー
じゃんけんゲームを作ろう
それでは、Pythonでじゃんけんゲームを作っていきましょう。このゲームでは、プレイヤーがグー、パー、チョキのいずれかを選び、コンピュータがランダムに選んだ手と勝負します。
作業する環境
このスタッフ体験会では Google Colaboratory というブラウザ上でPythonを記述、実行できるサービスを使用します。このサービスを使うと、コードを動かせるソフトウェアをインストールする必要がありません。
使い方は、リンクを押してもらい、左上の「ファイル」-> 「ドライブの新しいノートブック」でpythonを書くためのNotebookを開くことができます。ここにコードを書いていきます。
おすすめサイト
以下の説明ではわかりにくいところがあったときにおすすめのサイトをあげておきます。
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Python早見表
東京工業大学(現・東京科学大学)が作った、Pythonの基本的なコードが書かれたサイトです。項目ごとにまとまっているので、見やすいです。コードを書くのに困ったとき、Macなら [command] + F,Windowsなら [Ctrl] + Fのページ内検索も使えば、書き方の疑問が解決されると思います。 -
Python公式ドキュメント
これを読めるのが一番理想です(公式なので...)。 検索機能を使って知りたい構文を入れれば公式の解説を読むことができます。
実際のコード
# ======== モジュールのインポート ========
# モジュールとは簡単にいうと誰かが作ってみんなが使えるように残してくれた便利機能のことです。コード内に持ってくる(importする)ことによって使えるようにします。
import random
このゲームはプレーヤーがやめることを選択しない限り何回も遊ぶことを想定して作ります。なのであらかじめループ構造にしておく必要があります。
# ======== 無限ループ ========
# while文は下の形で使われ、条件を満たす限り、「繰り返したい処理」を何度も行います
# while 条件式:
# 繰り返したい処理
while True:
インデント
while以下の文はインデント(字下げ)をすることによって文頭にtabひとつ分のスペースを空けてコードを書いていかなければなりません。
これは見やすさのためでもありますが、pythonに関してはインデントしないとコードが動かないためです。(インデントしなくても動く言語も多いですが...)
# ======== ユーザーに手を選ばせる ========
# input関数が呼ばれるとキーボードによる入力を受け取ります。
# 括弧内の文字列は、ユーザーに表示されるメッセージです。
# 入力された値は、設定したuser_action という変数に保存されます。
user_action = input("選択してください(グー、パー、チョキ): ")
# ======== コンピュータの手の準備 ========
# リストとは、複数の値をまとめて保存できるデータ構造です。
# ここでは、コンピュータが選べる3つの選択肢をリストとして定義しています。
# リストの各項目は、カンマで区切られ、[] で囲まれています。
possible_actions = ["グー", "パー", "チョキ"]
# ======== コンピュータが手を選択 ========
# random.choice() 関数は、リストからランダムに1つの要素を選びます。
# ここでは、possible_actions リストから1つの選択肢をランダムに選んで、
# computer_action という変数に保存しています。
computer_action = random.choice(possible_actions)
# ======== 結果の表示 ========
# print() 関数は、画面に文字列を表示します。
# f"..." という書き方は「f-string」と呼ばれ、文字列の中に変数の値を埋め込むことができます。
# 変数は中括弧 {} で囲みます。
print(f"あなたは{user_action}を選びました。コンピュータは{computer_action}を選びました。")
このコードでは:
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randomモジュールをインポートしてコンピュータの選択をランダムする
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input関数でユーザーの入力を受け取る
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コンピュータがランダムに選択する
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両者の選択を表示する
という手段で画面に表示していきます。
勝敗判定のロジック
次に、勝敗を判定するロジックを追加します:
# ======== 勝敗判定のロジック ========
# if-elif-else文は、条件に基づいて異なる処理を行うための構文です。見慣れない elif は else と if の組み合わせと考えると良いです。以下のように使います。
if 条件A:
Aを満たす場合にする処理
elif 条件B:
Aを満たさないが、Bを満たす場合にする処理
else:
AもBも満たさない場合にする処理
# 条件が成立すれば、そのブロック(if, elif, else の次のインデントに書かれている)内のコードが実行されます。
# まず、引き分けのケースをチェックします。
# == は「等しい」という比較演算子です。(一つの = は「代入」という意味なので、等しいことは表しません。)
if user_action == computer_action:
print(f"両者とも{user_action}を選びました。引き分けです!")
# 引き分けでない場合は、ユーザーの選択ごとに勝敗を判定します。
# elif は「さもなくて、もし〜なら」という意味です。
elif user_action == "グー":
# ネストされたif文(入れ子になった条件分岐)で、コンピュータの選択に応じた結果を表示します。
if computer_action == "チョキ":
print("グーはチョキに勝ちます!あなたの勝ちです!")
else:
# コンピュータがチョキでなければ、パーです(残る選択肢はパーしかないため)
print("パーはグーに勝ちます!あなたの負けです。")
elif user_action == "パー":
if computer_action == "グー":
print("パーはグーに勝ちます!あなたの勝ちです!")
else:
print("チョキはパーに勝ちます!あなたの負けです。")
elif user_action == "チョキ":
if computer_action == "パー":
print("チョキはパーに勝ちます!あなたの勝ちです!")
else:
print("グーはチョキに勝ちます!あなたの負けです。")
このコードでは条件分岐(if-elif-else文)を使って、じゃんけんのルールに従って勝敗を判定しています。
ゲームを繰り返し遊べるようにする
最後に、ゲームを繰り返し遊べるようにループを追加しましょう:
play_again = input("もう一度プレイしますか?(はい/いいえ): ")
if play_again.lower() != "はい":
print("ゲームを終了します。お疲れ様でした!")
break
このコードでは while True でループを作成し、ユーザーが「終了」と入力するか、「もう一度プレイしますか?」の質問に「はい」以外で答えるまでゲームを続けます。
ここで学んだプログラミングの基本概念
このじゃんけんゲームを通して、以下のプログラミングの基本概念を学びました:
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変数 - user_actionやcomputer_actionのように、データを保存するための「箱」
処理した結果などを後で使用する場合は変数を設定していれておきましょう! -
データ型 - 文字列("グー"など)やリスト(possible_actions)
整数型(int), 浮動小数点型(float), ブール型(bool), 文字型(string)などの種類があります。 -
条件分岐 - if-elif-else文を使った条件分岐
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ループ - while文を使った繰り返し処理
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関数 - input()やrandom.choice()などの機能を呼び出す
()の中に引数をいれることもあります。
発展課題「ブラックジャックのCPUを作ろう」
ブラックジャックのルール
プレイヤーとディーラー(運営)が戦うゲームで、21により近づけるようにカードを引き、近い方が勝ちというゲームです。ディーラーとプレーヤーの挙動を作成しましょう。今回はプレーヤーとディーラーが1対1で戦うことを想定したコードを書きます。
主なゲーム内のアクションはチップのベットとカードのドローの選択です。
カードが21を越えればburst、強制負けになります。
基本は勝てばbetの2倍、引き分けならbetの返還、負けならbetが回収されます。
カードの種類は A, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, J, Q, K の 13種類
Aは1または11(任意選択)、絵札(J, Q, K)は10として扱います。A + 絵札で21となりゲームの名を冠するBlack Jackという役になりbetの2.5倍を獲得できます。
詳しく知りたい方は調べてみてください。
トランプとプレイヤーの持ち金をセットしよう
#inputでプレイヤーの持ち金をplayer_moneyをセットする。
#トランプカードを格納した配列trump_cardsに用意する。各スート(♠︎、❤︎、♣︎、♦︎)の1~13の52枚を使用する。以下を配列を使用してもらえれば大丈夫です。もっと効率よくゲームを進められる配列を考えついたらそちらを使ってもらって大丈夫です!
trump_cards = [
"♠A","♠2","♠3","♠4","♠5","♠6","♠7","♠8","♠9","♠10","♠J","♠Q","♠K",
"♥A","♥2","♥3","♥4","♥5","♥6","♥7","♥8","♥9","♥10","♥J","♥Q","♥K",
"♦A","♦2","♦3","♦4","♦5","♦6","♦7","♦8","♦9","♦10","♦J","♦Q","♦K",
"♣A","♣2","♣3","♣4","♣5","♣6","♣7","♣8","♣9","♣10","♣J","♣Q","♣K"]
カジノディーラーからの"place your bet"の合図でゲームが開始
#input()を使用してbetしてその数を格納してみましょう。
#今回はいくらでもbetできることにします。好きな数字をいれてください。
#入力された数は文字(string)なので数字にして新たな変数に格納してあげましょう。int()という関数を使用します
print('place your bet')
bet = input('bet金額: ')
bet_number = int(bet)
#これでint型にした
print('no more bet')
カジノディーラーがプレイヤーとディーラーに2枚ずつカードを配布する
#以下の条件に合うコードを書いてください。
#※プレーヤーが先、ディーラーが後という順番でそれぞれ2枚引く
#player_cards,dealer_cardsという配列にtrump_cardsからランダムに選んだ2枚を入れる
#取り出したカードはtrump_cardから削除する(使う関数は調べてみてください)
#プレイヤーには自分の2枚のカードとディーラーの1枚目をprint()関数で開示する
計算方法
今、player_cards、dealer_cardsに入っているのは絵柄+数字の文字列であり、これから21に近い方を判定していくためには、数字の情報を取り出す必要があります。ここでtrump_cardsの要素に注目してみましょう。これらはすべて2文字目以降が数字の情報になっていますね。つまり、player_cardsから合計を計算するには、まず2文字目以降を取り出す処理を行うと良いです。(sliceを使うと良いと思います。調べてみてください。)取り出してもまだ文字列なので、(例えば"♠2"の2文字目以降を取り出しても"2"という文字列です。)これを整数に変換してください。特別な処理が必要なものもあると思うので、if文なども使いつつ、計算できるようにしてみてください。
burstしたときの判定
最初にカードを引いた段階でどちらかがburstしてしまうときもあるでしょう。このようなとき、それより下のコードは実行せず、プレーヤーの勝敗を判定して上でゲームを終了する必要があります。1つの方法として、勝敗がつきそうな局面の度に勝敗判定をし、勝敗がついていなかったらそれ以下のコードも実行するという、if文を使った方法が考えられます。勝敗判定をする必要があるかどうかを常に念頭において考えないとあとで実装が面倒なことになる(僕がそうなりました...)ので注意してコードを書き進めてください。
自分のアクションを決める
自分のカードを見てカードを引く(hit)、番を終了する(stand)、betを2倍にして1枚引き、版を終了する(Doubling Down)を決める。
本当はもう少し詳しいルールがあるけど、今回はここまでにします。
#前回のじゃんけんの手を決める時と同様にactionを決めさせて、条件分岐でどうなるか考えます。
#playerが何回もhitする場合が考えられるので無限ループ(while True)にしてplayerが終了条件を満たしたらループを抜けるようにしましょう。
#終了する条件を満たしたらbreakと書くことでループを抜けられます。
# 以下はユーザーの入力が1だったときだけループを抜けるコードの例です。
# while True:
# number = int(input())
# if number == 1:
# break
while True:
player_action = input('次のプレーヤーのアクションは: ')
if player_action == 'hit':
#処理
elif player_action == 'stand':
#処理
elif player_action == 'Doubling Down':
#処理
ディーラーがアクションを行う
CPUの戦略
CPUの戦略について考えます。
CPUは引いたカードの和が17を超えるまで引き、超えたら引くのをやめるという戦略をとることにします。
#手順:
#ディーラーの2枚目のカードを開示する(print)
#条件分岐のコードを書く
#ディーラーのアクションとドローの場合はそのカードも表示する
勝敗を判定する
#引き分け、勝ち、負け、Black Jackの4つで条件分岐を行い、リターンしてplayer_moneyに加算する
#最後はget_coinという変数に勝ち取ったお金をいれる
#勝敗とリターン(get_coin)を表示する
print(f"勝ち: {get_coin}枚獲得")
#補足: f"xxx{number}xxx"この書き方をすることでnumberを文字型に変更して文字と繋げて表示できます
完成してしまった人へ
まずはおめでとうございます!!そして本当にお疲れ様でした!プログラミングの魅力、伝わったでしょうか。次は別のプログラミングでやりたいことに挑戦してみたり、このゲームを発展させたりしてみてください!ゲームを発展させる案としては、より複雑なルールを実装してみる、繰り返し遊べるようにしてみる、などのことが考えられると思います。そして、もしプログラミングを使ってWarriorsのために活動したいと思ってくれたら、ぜひSEパートに入ってください!僕たちと一緒にWarriorsを支え、盛り上げていきましょう!