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【UE4】UE4ぷちコン15で使ったControl Rigまとめ

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株式会社ヒストリアさん主催の第15回UE4ぷちコンのまとめ。

色々残念ながら…

審査結果発表会からすでに10日以上たっていて、今さら感が強いが、今回応募した作品はこちら:
両手両足をかわるがわる動かすゲーム - Youtube

以下は一部を抜粋したGIF動画
20210426_02_ControlRig.gif

(終始こうやって壁を登っているだけ…)

  • 残念1: 時間が足らず、ゲームにならなかった。技術デモということでご容赦ください。
  • 残念2: もちろん、賞をいただけるわけもなく。

とはいえ、興味深い作品の紹介枠(?)で紹介していただけた。ありがたや。

ボルダリング(崖登り)のしくみ

今回は「プロシージャルアニメーション」がメイン。
プロシージャルアニメーションとは「アニメーションをただ再生するだけではなく、プログラムで加工して状況に応じたポーズを作っていく」といったところだろうか。

このボルダリングの動きは以下のような仕組みで作った。

アニメーションは2つ

ポーズ編集用のコントロールリグ+シーケンサーで、ボルダリング時の手足の伸び切った状態、縮み切った状態の2つを作成した。
どちらも1フレームしかない固定のポーズ。

伸び切った状態 縮み切った状態
image.png
Aポーズ
image.png
Bポーズ

これらを、Anim Blueprint 内で、右足/左足の IK の伸び具合を Alpha にしてブレンドしている。

image.png

IKAlphaLength_L, _Rは、足が伸び切ったときのthighからfootまでの長さに対する、現在のthighからfootまでの長さ(…の比率)

大雑把には:

  • 両足が伸び伸びるほど、Aポーズに近づく。
  • 両足が縮めば縮むほど、Bポーズに近づく。
  • 片足が伸びて、もう一方が縮んでいれば、AとBの中間くらい。

…みたいな感じになる。

これを Control Rig で加工する

Aポーズ/Bポーズのブレンド結果をコントロールリグに渡して加工する。

image.png

大量にパラメータがあるが:

  • 最初の3つ:PelvisAdditive, SpineAdditive, HeadAdditive
    • 手足の伸び具合から、なんとなく体幹(spine等)をねじる角度を指定。
    • 込み入った計算はしておらず、手足のIKの長さに対して、20度ねじる、とかそういうシンプルな式。
  • 続く4つのTransform:IKToeL, IKToeR, IKHandL, IKHandR
    • Pawn からもらってくる、両手両足のTransform。
    • これはユーザーがゲームパッドで操作する。
  • その他のパラメータは割愛(ごめんなさい)

Control Rig のノードグラフ

非常にでかい上に、皆さんの参考になるかどうかすらわからない…
ControlRig_Boulder-Rig Graph.jpg

Anim Graph の Control Rig ノードのソースピンに渡されたポーズのTransformが各ボーンにセットされた状態でControl Rigに来る。
Control Rig内では:

  • もらった角度だけ、体幹(pelvis, spline_01, spine_02, spine_03, neck_01, head)を愚直にねじる。
  • 両手両足は、Basic IK。つまり2ボーンIK。
  • 妙にでかいのは、スケルトンの大半に渡るボーンの計算が2回行われているから。
    • 前半部「if runtime, make rigs' transforms from bones」と書いた箇所で、Anim Graphの引数からもらった値をボーンに適用
    • 後半部「rigs to bones」と書いた箇所で、リグのTransformから各ボーンのTransformを算出
    • これはもう仕方がない。(せめて関数に分けたい!)
    • あと、指の計算がどうしてもでかくなる。(ボーン数60!)

まとめると、Anim Blueprint と Control Rig には、両手両足のIKエフェクタ(=IK末端)に合わせて、

  • 両手両足の2ボーンIKを行う
  • 両手両足のIKの長さから、背骨周り(=体幹)を、なんちゃってでねじる

…をさせている、ということである。

物理回り

やはりプロシージャルアニメーションと言えば、アニメーションと物理の連携だろう。
物理はアクタ(Pawn)で行っており、

  • アクタのルートコンポーネントは、Sphere Collision。
    • 力(Force)やトルク(Torque)は、ここにしか掛けていない。
  • Skeletal MeshはSphere Collisionの子。
    • アクタの動きに100%くっついて動く。
  • 両手両足のIKエフェクタ(=末端)は、アクタのTransformとは独立している。
    • 単純に、Transform型の変数を両手両足分の4つ持っているというイメージ(すべて、ワールド座標系)

こうしておけば、手足をワールド位置に固定したまま体(アクタ)が動く状態になる。

力やトルクの釣り合いは、IKルート(肩や股関節)とIKエフェクタ(手首や足首)との距離をベースにしたバネとダンパー(つまりサスペンション)で作ってある。

  • IKが長いと、アクタのIKルートの位置に、IKエフェクタの方向に引っ張る力とトルクが加わる。
  • IKが短いと、アクタのIKルートの位置に、IKエフェクトから離れる方向に力とトルクが加わる。

という形である。
下のGIFアニメは、これらを説明したもの。

20210426_01_ControlRig.gif

  • 左側:物理だけ動いている状態(Control Rigを使っていない=アニメーションしていない)
    • 左手のIKエフェクタ(オレンジ色の〇)の動きで両手両足のバネの長さが変化し、アクタの釣り合いの状態がそれに合わせて動く様子。
  • 右側:物理+Control Rig
    • 左側の状態に加えて、IKエフェクタの位置に手足をIKで伸ばす。
    • 体幹(spine等)もなんちゃってでねじってある。

なお、左右ともIKエフェクタの動きが同じなのに、オレンジ色のBOXで示したアクタの動きが異なって見える。
これは、Control Rigによって体幹のねじりを作っているので、その分だけIKルート(肩や股関節)の位置が変化するためである。
このねじり量は、なんとなく目分量で調整したもので、ノウハウも何もなく、単なる勘である。

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