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【UE4】UMGのRetainerBoxがいつ更新されたかデバッグ表示するメモ

Last updated at Posted at 2021-12-20

確認したバージョンは UE4.27.2 です。

参考URL

Retainer Box とは?

  • 更新頻度が低くても構わないウィジットに有効。
  • 子ウィジットをテクスチャレンダリングして、そのテクスチャを表示する。
    • 更新頻度が低くてよいときなどに使用する。
    • なので、毎フレームレンダリングさせてしまうと逆に重くなる。

参考URL

Render on Phase

image.png

一定周期でレンダリングする。
(上のスクショならば、30フレームに1回)

20211220_01_RetainerPhase.gif

Phaseを変えると、その30フレームに1回のうちの何フレーム目にレンダリングするかを指定できる。

  • 【一番左】Retainer Box を使わない普通の状態。
  • 【左から2番目】Retainer Boxで毎フレームレンダリングしたもの (重い)
  • 【左から3番目】Retainer Boxで30フレームに一回レンダリングしたもの
    • 30フレーム周期の0番目のタイミングでレンダリング
  • 【左から4番目】Retainer Boxで30フレームに一回レンダリングしたもの
    • 30フレーム周期の15番目のタイミングでレンダリング

Render on Invalidation

image.png

  • 内容に変更があればレンダリングする。(サイズやレイアウトの変更など)
  • RequestRender ノードを使えば、任意タイミングでレンダリングを行える。

image.png

ボタンを押すたびレンダリングする例:

20211220_02_RetainerInvalidation.gif

本題。いつ更新されたかをデバッグ表示したい

コンソール スレート デバッガを使う。
…のだが、公式のリファレンスを見てもなんだか良く分からない。
以下は、結局ソースを追いかけて分かったことのメモ。

Retainer Boxの更新タイミングをデバッグ表示するコンソールコマンドは:
SlateDebugger.InvalidationRoot.Start
(これを終了するにはSlateDebugger.InvaidationRoot.Stop)

デバッグ表示色 意味
Slow Path (レンダーテクスチャのリサイズ(再確保)が必要な場合)
Fast Path (レンダーテクスチャのサイズ変更が不要な場合)
None (何も更新していない)

2021/12/23 Slow Path, Fast Path の説明文を修正しました。

誤 Slow Path (レンダリングを行っている)
正 Slow Path (レンダーテクスチャのリサイズ(再確保)が必要な場合)

誤 Fast Path (どうやらInvalidation Boxで使っているようだ…たぶん)
正 Fast Path (レンダーテクスチャのサイズ変更が不要な場合)

以下のような絵になる:

20211220_03_RetainerPhase_DebBad.gif

問題は、すべてのRetainer Boxが、終始「」で表示されている点である。
「こんなハズではない!」と変な汗をかいてしまう。
ソースを追いかけて知ったのだが FConsoleSlateDebuggerInvalidationRootクラスにはCacheDuration なる秒数を保持する変数があり、Slow Path/Fast Path/None が変わった後「CacheDuration」秒だけかけて色をゆっくりと変えているようだ(lerp)。
で、このデフォルト値が2.0秒。
つまり、30フレームに1回程度の更新では、lerpが追いつかず、ひたすら赤のままになるわけである。
何という罠。

というわけで、CacheDuration を任意に変更したい

私のWeb検索力では、このことについて言及した記事を見つけることができなかった。
ソースを調べると、以下の.iniファイルを書き換えることで可能だと分かった:
<プロジェクトDir>/Saved/Config/Windows/EditorPerProjectUserSettings.ini

このファイルにはかなりたくさんの項目があるが、その中の[SlateDebugger.InvalidationRoot]を探す。(ないなら手動で追加する)

[SlateDebugger.InvalidationRoot]
bDisplayInvalidationRootList=True
bUseWidgetPathAsName=False
bShowQuad=True
DrawSlowPathColor=(R=255,G=0,B=0,A=255)
DrawFastPathColor=(R=0,G=255,B=0,A=255)
DrawNoneColor=(R=0,G=0,B=255,A=255)
MaxNumberOfWidgetInList=20
CacheDuration=2.000000

最後のCacheDurationを任意の秒数 (例: 0.15 秒) に変更するとこうなる:

Render on Phase版

20211220_04_RetainerPhase_Deb.gif

Phase Count = 30の2つは Phase = 0 と 15 の異なるタイミングで更新されているのが分かる。

Render on Invalidation版

20211220_05_RetainerInvalidation_Deb.gif

ボタンを押して RequestRender を呼び出したときだけ更新されているのが分かる。

関連するエンジンソース

  • class URetainerBox: Retainer Boxウィジット。
  • class SRetainerWidget: Retainer Boxウィジットが持っている Slate。これが本体。
  • class FSlateInvalidationRoot: Retainer Box, Invalidation Boxの基底クラス。
    • これが更新の可否(Fast Path, Slow Path, None)を決めている。
    • Fast Path, Slow Path, None は、このクラス宣言の少し上にenum class ESlateInvalidationPaintTypeとして宣言されている。
  • class FConsoleSlateDebuggerInvalidationRoot: コンソール スレート デバッガの InvalidationRoot の機能。

雑記

  • Widget Reflector はコンソールスレートデバッガの機能を呼び出しているようだ。
  • Slate Insights は公式ドキュメントの通りにやれば使える。
    • だが、ズーム機能がうまく働かなくて、個々のフレームの状態を選択するには、非常に微妙なマウス操作を要する。改善してほしいなぁ。
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