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Linuxにおける時間

Last updated at Posted at 2019-04-04

Linuxの中には複数の時間の概念があることを最近になって知った。
jiffiesにも綺麗にハメられたことであるし、LinuxとC言語の時間をまとめておく。

※肝心のjiffiesが別記事なったけどw

Linuxの時間概念

Linux Kernelの中には、複数の時間システムが存在する。

  • timeval
  • timespec
  • ktime_t
  • jiffies

構造体timeval

POSIX環境での時間構造体。
理由は分からないが、どうやら**非推奨**らしい。

構造体定義
#include <sys/time.h>
struct timeval {
    time_t      tv_sec;     /* Seconds. */
    suseconds_t tv_usec;    /* Microseconds. */
};

POSIX環境で使用できる時間構造体の一つ。
次に紹介するstruct timespecと非常によく似た構造体である。

  • tv_sec time()の戻り値と同値。
  • tv_usec 範囲は0~999,999

gettimeofday()によってUNIX時間を表現した値が入ったインスタンスが取得できる。

構造体timespec

C11で採用されたらしい新しい時間構造体。

構造体定義
#include <time.h>
struct timespec {
  time_t tv_sec; /* Seconds.  */
  long tv_nsec;  /* Nanoseconds.  */
};

元々、struct timespecはPOSIX環境で定義されていた時間構造体らしい(知らん)。

  • tv_sec time()の戻り値と同値。
  • tv_nsec 範囲は0~999,999,999

こっちの方が、struct timevalより記録粒度が細かい。
(細かく正確に測定できるとは言ってない。)
さらには、OSのAPIを直接使わなくていいので、移植性が高い。

……誰かstruct timevalの方の優位性を教えて欲しい、偉い人よ。

あと、これ何でか知らないけどLinux Kernel上でも使えるよね。
#include <linux/time.h>すればstruct timespecstruct tmに変換したりできる。

変数ktime_t

1/100,000,000(ナノ)秒単位での時間または時刻を格納するために使われる。
粒度はstruct timespecと同じ。

ただし、こっちはKernel空間の変数。
Linux Kernel内でKerel Timerとして使われる。

変数定義
#include <linux/ktime.h>

union ktime {
        s64     tv64;
#if BITS_PER_LONG != 64 && !defined(CONFIG_KTIME_SCALAR)
        struct {
# ifdef __BIG_ENDIAN
        s32     sec, nsec;
# else
        s32     nsec, sec;
# endif
        } tv;
#endif
};

複雑な定義だが、以下に分岐する。

  • 64bit環境
    64bit長変数1つだけ。
  • 32bit Big Endian 環境
    32bit長変数2つでメモリ消費量を合わせている。
    元がunion定義なので、64bit <--> 32bitの環境差を吸収している。
    この定義スゴイよな。俺も仕事でやったわ。
  • 32bit Little Endian 環境
    32bit Big Endianの定義の順番を入れ替えただけ。

番外編:time_t

C言語は別記事で。

変数Jiffies

ハマったので別記事にしました。

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