1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

IBM Cloud Object StorageのTier別スループット検証

Last updated at Posted at 2025-06-24

はじめに

IBM Cloudで提供しているICOSについてTier別のスループットについてDocsに記載がなかったため、本稿にて検証しました。
結論から記載しますと、Smart・Standard・Vault・Cold Vault全てでほとんどスループットに変化がないことが確認できました。

本稿ではそれぞれのTierのバケットを作成し、VPCの仮想サーバーから同容量のファイルをアップロード、ダウンロードを実施してバケットのスループットを計測した結果を記載しています。

使用するコマンドラインについてはdocs : cURL の使用に記載がありますので参照ください。

検証手順

本稿の検証手順は以下の通りです。

  1. 10GBのダミーファイルを4種類のバケットへアップロード
  2. 10GBのダミーファイルを4種類のバケットからダウンロード

ICOSの処理能力を確認するために、VSIからファイルの通信を行います。
検証する構成は以下の図の通りです。

スクリーンショット 2025-06-20 8.03.46.png

事前準備

検証環境として以下の環境を事前に用意します。

  • IBM Cloud Object Storageインスタンス(jp-tok)
    • 4種類のバケット(smart/standard/vault/cold vault)
  • ICOSとの通信用VSI for VPC(2core 4GB, RHEL)

また、あらかじめ通信用のVSIでICOSとのやり取りができるように以下のコマンドを実行しておきます。

ibm cliのインストール
$ curl -fsSL https://clis.cloud.ibm.com/install/linux | sh
$ ibmcloud plugin install cos
ibmcloudへのログイン
$ ibmcloud login --sso
ICOS TOKEN取得
$ export ACCESS_TOKEN=`ibmcloud iam oauth-tokens | head -n 1 | awk '{print $4}'` 

性能検証用に今回は10GBのダミーファイルを作成します。

ダミーファイルの作成
$ dd if=/dev/zero of=10G.dummy bs=1M count=10000

tokenはデフォルトで有効期限が1時間となっています
有効期限が切れた場合は再度取得してください

1. 10GBのダミーファイルを4種類のバケットへアップロード

以下のコマンドを実施してICOSへ用意したダミーファイルのアップロードを実施します。

ICOSへのファイルアップロード
$ curl -X "PUT" "https://(endpoint)/(bucket-name)/(object-key)"  -H "Authorization: bearer (token) -d "(object-contents)" 

例えば、東京リージョン(s3.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud)のバケットstandard-bucketにVSI上のダミーファイル10G.dummyファイル名10GBとしてアップロードする場合は以下のコマンドとなります。

ICOSへのファイルアップロード実行例
$ curl -X "PUT" "https://s3.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud/standard-bucket/10GB"  -H "Authorization: bearer $ACCESS_TOKEN" -T "10G.dummy"

4つのStorage Tierでそれぞれアップロードを実施したところ、以下の結果になりました。

Smart Tier Standard Tier Vault Tier Cold Vault Tier
198s 184s 194s 177s

何度か繰り返したところ、Tierに関わらず165~200s程度の転送時間となったため、アップロードの速度はStorage Tierに関わらず50~60MB/sであることが確認できました。

2. 10GBのダミーファイルを4種類のバケットからダウンロード

続いて、以下のコマンドを実施してICOSへ用意したダミーファイルのダウンロードを実施します。

ICOSからのダウンロード
$ curl "https://(endpoint)/(bucket-name)/(object-key)" -H "Authorization: bearer (token)"

例えば、東京リージョン(s3.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud)のバケットstandard-bucketにあるファイル10GBをダウンロードして、ファイル名10GB_stで保存する場合は以下のコマンドとなります。

ICOSからのダウンロード実行例
$ curl "https://s3.jp-tok.cloud-object-storage.appdomain.cloud/standard-bucket/10GB" -H "Authorization: bearer $ACCESS_TOKEN" --output 1GB_st

4つのStorage Tierでそれぞれダウンロードを実施したところ、以下の結果になりました。
(ダウンロードの場合、ダウンロード中の転送速度が確認できるため、Averageの転送速度で比較しています)

Smart Tier Standard Tier Vault Tier Cold Vault Tier
203s 204s 203s 203s

こちらもアップロード同様にStorage Tierに関わらず49MB/sであることが確認できました。
(実際にダウンロード中の通信速度が確認できますが、初速が100MB程度でその後46.5MB程度に落ち着くのでさらに大きなデータをダウンロードすると平均も46.5MB/sになるかと考えられます。)

まとめ

本稿ではICOSのスループットについて確認した結果、Storage Tierによらず、アップロード/ダウンロードの速度は変化しないことがわかりました。

ストレージの種類でスループットは気にしなくて良いですが、ストレージ毎にアップロード/ダウンロードの課金が異なりますので、適切なストレージを選択するもしくはSmart Tierをご利用ください。

1
0
2

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?