はじめに
朗報!!!最新ファームウェア[MTCDT 5.1.2(署名ファームウェア) と リリースノート](http://www.multitech.net/developer/downloads/)にて、Web UIのみでTheThingsNetworkに接続できるようになりました!!!世界最大のオープンソースLoRaWANネットワークサーバー「The Things Network」用に、LoRaWAN規格準拠SX1301の8chゲートウェイMultiConnect® Conduit™LTEなしモデル(MULTITECH社 Made in USA)を日本国内で接続するための設定作業を掲載いたします。
静岡県島田市でのLoRaWAN実証実験の内容一部記載となります。
自治体のインフラ実証実験の委託ですので、
####1. リース可能であること
####2. 実績があること
####3. 価格の妥当性があること
の3点の要求がありました。
1のリース会社との打ち合わせで、フランス製か?この米国製か?に絞られました。
2の実績は、リースの耐用年数の項目にも関係してきます。2018年4月時点で新しい技術でしたので海外の実績可という条件に変更されました。
3で、この米MULTITECH製となりました。
苦労しましたが結果的にTheThingsNetwork+MULTITECHのLoRa定番セットです。
また、当地の総務省東海通信局からの問いかけに対し、「Made in USAのMULTITECH製です!」と1回の回答で終わり、少し勝った気になれたところも想定外に良かったところでした。
Conduitは、スマートフォンレベルのSAWバンドパスフィルター(BPF)を備え、電波が混雑している日本に適したLoRaWANゲートウェイです。
#内容
まず、設定パソコン =(有線LAN)⇒ Conduit(AEPモデル)と接続し、Conduitの基本設定。
次に、Conduit=(有線LAN)⇒モバイルルータに接続切替し、インターネット接続するまでの設定を行います。
Conduitは、有線Ethernetポートが1つありLANに設定されていますが、設定でWANに切り替えることができます。
LTEが付いているモデルの場合は、EthernetのWAN設定は、WANポートを2つ作ることになりますので切替の必要はあまりありません。
最後に、「The Things Network(TTN)」のゲートウェイを追加作成し、その設定をConduitで読み込ませてTTNとの接続をさせる手順です。
組立作業
###1. SDカード(別売)取付 *注:写真はLTEモデル
その他機器で、動作チェックすることもあるかと思いNanoSIMを依頼しましたので、大きなSIMにするためのアダプターを使用しています。
ネジを外し、フロントの蓋を開けます。
付属の取説通りに差し込み、蓋を閉めます。
###2. アンテナなど取付 *注:写真はLTEモデル
LoRa(3dBi)やGPS(別売)のアンテナなどを取り付け、LANケーブルをパソコンに差し込みます。
Conduitの電源を入れたら、パソコンの無線LANはOFFにした方が、作業の進捗が分かりやすいと思います。
設定作業
###1. ConduitのWANポートLTEの設定
Google Chromeなどブラウザーを使って、http://192.168.2.1/ をタイプし、
Username:admin
Password:admin
で入ります。この時、httpsではないので、ブラウザーによってはセキュリティーのエラーが出ますが関係なく進めますと、この画面です。
無事、ConduitのLANポートから入れますと、いきなりウィザードで設定開始です。
てきとうに設定しても、あとから修正できますし、フロントの蓋の横のResetボタンを5秒以上長押しすれば工場出荷状態になりますので、気楽に設定してください。
パスワードを変更したい人は変更、そのままでいい人は、「Skip」です。
時刻設定は、もちろん「Japan」!感慨深いですね。
Ethernetポートはそのままにします。
EthernetポートをWANで使いWANからアクセスする設定は、後で行いますので「Finish」です。
「Save and Restart」で設定を保存し再起動させます。なぜか?こまめに保存していった方が、設定中のトラブルはありませんでした。
再起動させ、設定が上手くいっていると再度ログインできます。
はじめに、Access Configurationの設定です。
3ヶ所「Via WAN」にレ点のチェックを入れます。
次にNetwork Interfacesの設定です。
eth0の鉛筆マークをクリックし、自分のネットワーク環境にあったIPアドレスを入れていきます。
画面の例は、モバイルルーター「NEC Aterm MR03LN」に接続する場合の設定です。
ルーターが、「192.168.179.1」のデフォルト設定でしたので、Conduitは「192.168.179.254」に設定しました。
###2. ConduitのLoRaWANポートの設定
Modeで「PACKET FORWARDER」を選択します。
Channel Plan「AS923」、しっかりありますね!
Enable LBTにチェックを入れ、キャリアセンスと言われている日本古来の機能「リッスン・ビフォー・トーク」を開始させこの画面での設定は終了です。
ホーム画面の「Save and Restart」で再起動させます。
これで、パソコン ⇒ Conduitの直結作業は終了ですので、LANケーブルは外し、一端パソコンをインターネットに接続します。
TTNとの接続作業
###1. TTNコンソールでゲートウェイ追加
詳細は、掲載が多くありますので省略します。
https://www.thethingsnetwork.org/docs/gateways/registration.html
TELECマークが眩しい、Conduit裏のシールを見ながら設定します。
###2. SSHクライアントのPuTTYなどで、TTNパケットフォワーダーの設定
PuTTYをインストールしたら、接続切替です。
パソコン = (無線) ⇒ モバイルルーター
Conduit = (有線LAN) ⇒ モバイルルーター
に接続し、PuTTYを実行です。
Host Name:admin@192.168.179.254
です。このadminは、ConduitのIDです。
うまくつながると、警告画面ですので、「はい」で進みます。
まずは、
Password:admin
を入力しエンターです。
下記のコマンドを入力して、インストーラをダウンロードします。
wget https://github.com/kersing/multitech-installer/raw/master/installer.sh
sh installer.sh
インストール中、いろいろ聞かれます。
内容は、
ゲートウェイID:eui-***
ゲートウェイキー:ttn-account-***
アカウントのメールアドレス
yesの1になります。
問題なければ、LoRaWANの通信ができるようになっています。
これで完了となります。
https://www.thethingsnetwork.org/map
で確認してください。
このあと、個人・個人企業以外は、
電波の質:スペクトルアナライザ
環境適正:ネットワークアナライザ
の確認を求められるかと思いますので、お近くの電気通信事業者までご相談ください。
TheThingsNetworkのLoRaWANは、接続するに許可は必要ありません。
自由に静岡県島田市金谷地域の本格的LoRaWAN環境をお試しくださいませ。
#参考