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エンジニアの為の、アイデア効率化

Last updated at Posted at 2015-06-11

今回は、サービス作成作りのための効率的なアイデアメイキングということで書きたいと思います。
今までのハッカソンの中での経験から、アイデア出しの手法について共有したいと思います。基本的にはWebに載っているものが多いですが、独自の手法や既存の手法を改造したものなどもありますので、ぜひチェックしてみてください。

また、今回はお金がかからずに、すぐできる手法を集めました。各アイデア出し用のアイデアシートも作成したので活用してみてください!

アイデアメイキングとは?

アイデアメイキングは、アイデアの種を思いつくところから、具体的なアイデアとして醸成するところまでをいいます。
主なアイデア出しの段階をあげると、以下のようなものがあります。人によってアイデアの出し方の順番は前後しますが大体下のようなことを知らないうちに考えていることが多いです。

アイデアメイキングの段階

  1. 種探し
    1. テーマ探し
    2. 発散
    3. 収束
  2. 要点上げ
  3. 調査
  4. 評価

よく言うアイデア出しは、1.の種探しの部分だけしか行っていない場合が多く、実際のサービス化までのギャップが大きく、個人でアイデアを考える際にはあまり意味がありません。
今回は、4のアイデア評価というところまでの簡単な流れと、それぞれの段階での手法について経験則から伝えていきます。

さて、アイデア出しの段階について書きましたが、それぞれの段階についてそれぞれの手法を見ていきましょう。

種探しの手法

つまり、アイデア出しの手法ですがこれがもっとも様々な手法があります。その中で自分に合うタイプのアイデア出し手法を選びましょう。

1.テーマ探し

アイデア出しは、テーマがない場合に行うと、アイデアの評価ができずテーマがある場合に比べて格段に難しくなります。また、アイデアを考える起点でもあり、重要な工程になります。
まず、テーマには何個かの種類があります。

  1. 課題型
  2. ターゲット型
  3. 場所型
  4. Non Zero型

1. 課題型

課題型は自分が最近感じた不満や、まずいと思った点をテーマとしたものです。この場合は、ソリューションやなぜやるかが決まりやすいです。テーマを考える際には、自分の最近の経験やニュースから探すと見つかりやすいです。

2.ターゲット型

ターゲット型は、自分の周りにサプライズをしたい人や、困っている人、愚痴を言っている人がいた時などに、その人をどうやったら幸せにできるかを考える方法です。この場合は、その人がそのままペルソナとなります。テーマを考える際には、友人などにインタビューを行うのが早いです。

3.場所型

場所型は、土地を中心にその場所が抱える特定の問題や、PRを行う際に出てくるテーマです。場所に関するテーマは扱いが難しいですが、まずはその場所が持っている課題を一人の人から聞くのではなく、複数の違う立場の人から意見を聞くようにしましょう。この場合は、どのような場面で使うかが決まりやすいです。

4.Non Zero型

Non Zero型は、サービスを考える際にすでに、ベースとなるサービスがある場合です。サービスの新機能の追加や、Onプラットフォームでのサービス開発を行う際にでてくるテーマです。この場合は、既存のサービスの解析を行うところから始めます。

2.発散

アイデアは、何かと何かの掛け合わせだとよく言われます。そのアイデアを作る際に掛け合わせる 材料 を作る作業がこの発散という工程です。具体的には、設定したテーマから連想されることや、似たもの、視点を変えて見えるものを列挙していく作業になります。
各手法について見ていきましょう。

マンダラチャート

対象人数:1人
所要時間:3~5分
説明:9×9のマスに関連するワードを書き込むことで、アイデア出しに必要な関連するワードを出し、アイデアの発散を図る方法です。全部のマスを埋めれば、最初のテーマから72個の関連ワードを出すことができます。
方法:9×9のマスを作成し、真ん中にテーマを記入します。その周りにそのテーマから連想されるワードを書き最初の8個が埋まったら、周りにある8個のブロックの中心のマスにそのワードを書き写し、同じくその周りの8マスに連想されるワードを書きます。
注意点:制限時間を決めて行うようにしましょう、マスを全部埋める必要はありません。
スクリーンショット 2015-06-11 14.03.55.png

マインド・マップ

対象人数:1~4人
所要時間:8分
説明:テーマを中心に置き、そこから自由にアイデアを放射状に書いて発想をする方法です。マンダラチャートよりも自由な表現が可能です。
方法:以下の手順の通りにやってみましょう。

  1. 真ん中にテーマを記入する。
  2. テーマから枝を伸ばして、その先に思いついたアイデアを記入する。
  3. そのアイデア(キーワード)から思いついたアイデアをさらに枝を伸ばして記入する。
  4. アイデアが詰まるまで繰り返す。

注意点:色などを使い、わかりやすく書くようにしましょう。

オズボーンのチェックリスト

対象人数:1人
所要時間:9~15分
説明:アイデアに刺激を与えるようなチェックリストに照らし合わせることで、強制的にアイデア拡張、発想させていく方法です。チェックリストの項目と例は以下のようなものがあります。
方法:テーマを下記のチェックリストに照らし合わせて、アイデアを発想させていきます。

  • 転用:他に利用したらどうか
    • 今のままで新しい使い道はないか
    • 少し変えて他の使い道はないか
  • 応用:アイデアを借りたらどうか
    • これに似たものはないか
    • 他に似たアイデアはないか
    • 一部借りたらどうか
  • 拡大:大きくしたらどうか
    • 何か加えたらどうか
    • もっと回数を多くしたらどうか
  • 縮小:小さくしたらどうか
    • 分割したらどうか
    • やめたらどうか
  • 変更:変更したらどうか
    • 形式を変えたらどうか
    • 意味を変えたらどうか
  • 代用:他のモノで代用できないか
    • 他の材料にしたらどうか
    • 他の人にしたらどうか
  • 置換:入れ換えたらどうか
    • 他の順序にしたらどうか
    • 原因と結果を入れ換えたらどうか
  • 逆転:反対にしたらどうか
    • 役割を逆にしたらどうか
    • 立場を変えたらどうか
  • 結合:結合したらどうか
    • 目的を結合したらどうか
    • アイデアを結合したらどうか
      スクリーンショット 2015-06-11 14.04.33.png

ブレインストーミング

対象人数:2~4人
所要時間:10分
説明:複数人で、無秩序にアイデアを出し合うことでアイデアを発想する方法です。他の人のアイデアについて批判をしたり、深く考えないようにします。
方法:以下の方法で行います。アイデアがどんどんで出てくるため、自分が気に入ったアイデアだけちゃんと覚えておくようにしましょう。または、書記の人を立てましょう。

  1. テーマをメンバーに共有する。
  2. アイデアをどんどん発言します。他の人のアイデアについてもいちいち考えず、どんどん出すようにします。
  3. 最後に全員で自分が気に入ったアイデアを発表します。
  4. 気に入られたアイデアを推薦者と共に記述しておきます。

ブレイン・ライティング

対象人数:6人
所要時間:30分
説明:ブレインストーミングを議論せずにシートに書き出し行う手法です。参加者は原則6人で、1ラウンドに3つのアイデアを考えます。1ラウンドは5分間で行います。ブラインストーミング同様に、批判は禁止です。
方法:以下の方法で行います。

  1. メンバーそれぞれに3x6のマスのあるシートを配ります。
  2. それぞれの人がテーマについて3分間考え、3つのアイデアを書き込みます。
  3. 書いたシートを隣の人に回し、それまでに書かれているアイデアを生かしつつ、テーマについて発想します。
  4. 2と3を、6回繰り返します。

スクリーンショット 2015-06-11 14.04.23.png

ロジックツリー

対象人数:1人
所要時間:12分
説明:物事の原因と結果を枝分かれしたツリーで表現する手法です。トップボックスと呼ばれるいちばん上位のボックスからはじまって、枝分かれしながら論理のツリーを展開していくのが特徴です。
方法:以下の方法で行う。

  1. テーマや課題を一番左の円の中に書く
  2. 1のテーマから考えられる原因や、関連する事柄を書き、1の円とつなぐ
  3. 2の事柄から連想される事柄や、アイデアを書き、2で書いたモノと繋げる。
  4. できたら近くの人と情報共有などを行うようにする。

スクリーンショット 2015-06-11 14.04.11.png

3.収束

アイデアは、何かの掛け合わせでできますが、同時にその要素数が多いと形が崩れます。そのため、先ほど出たワードを整理し、実際のサービスアイデアの雛形を作る作業がこの工程です。
各手法について見ていきましょう。

SCAMPER法

対象人数:1人
所要時間:9~15分
説明:オズボーンチェックリストを項目数を絞り、より具体的なところまで考えることを目的にしたものです。SCAMPERという名前はそれぞれ の質問項目の頭文字をとっておりさらに覚えやすくなっています。
方法:下記のチェックリストに照らし合わせて、アイデアを発想させていきます。

  • Substitute:置き換える
  • Combine:組み合わせる
  • Adapt:当てはめる
  • Modify:修正する
  • Put other purposes:別の使い道を考える
  • Eliminate:余計なモノを削る
  • Rearrange/Reverse:並び替える/逆にする

スクリーンショット 2015-06-11 14.04.53.png

KJ法

対象人数:1〜3人
所要時間:15分
説明:カードを並べて、分類整理をしていくことで頭の整理を行います。
準備するもの:紙、はさみ、ペン、広いスペース
方法:以下の手順の通り行いましょう。

  1. テーマに関するアイデアをカードに書き出す。カードは机などの広いスペースに並べる。
  2. カードの中で、似たものを集めてグループを作る。
  3. 先ほどのグループにタイトルをつける。
  4. グループでさらに似たものを集めて、タイトルをつける。
  5. 3と4を10グループ以内になるまで繰り返す。
  6. まとめたものを紙の上で分類する。紙の上にそれぞれのカードを置き、グループごとに線で囲む。また、関連のあるグループは線で結び関係性がわかるようにします。

3.png

「なぜなぜ」×5法

対象人数:1人
所要時間:15分
説明:問題を書き出し、書きだした問題に対して、「なぜ○○なのか?」「なぜなら○○だから。」と答え、それを5回繰り返す方法。
方法:紙の一番上に解決したい問題やテーマを書き、その一つ下に上の枠の事象がなぜ起きるのかの回答を枠に書き込みます。これを5回繰り返すというものです。

スクリーンショット 2015-06-11 14.05.24.png

等価交換法

対象人数:1人
所要時間:12分
説明:対象となるものを他のモノと一旦等価に置き換えるアイデア発想手法です。
方法:以下の方法で行う

  1. 対象となるテーマを決める。
  2. その対象と等価なモノを探す。
  3. その等価のモノと置き換えて、そこから発想する。
  4. 3で得たアイデアを使って、改めてテーマについて考える。

PREP法

対象人数:1人
所要時間:8~16分
説明:P(ポイント・要点)->R(理由)->E(具体例)->P(ポイント)を繰り返す手法です。論理的にアイデアを説明するために使われます。
方法:以下の方法で行う

  1. 紙にPoint,Reason,Example,Pointと書く。
  2. アイデアのそれぞれの項目に関する内容を書く。
  3. 1,2を書けなくなるまで繰り返します。

スクリーンショット 2015-06-11 14.05.03.png

要点上げ

ここでは、種探しで考えたアイデアを形作る作業を行います。具体的には、アイデアを軸に沿って整理します。基本的な軸は以下の5つです。

  • WHAT:何を提供するか
  • WHO:誰に対して提供するか
  • WHERE/WHEN:どのような場面で使われるか
  • WHY:なぜ使うか
  • HOW:どのように使われるか

なお、これらの軸はテーマを決めた時点で自然と決まっているものもあるでしょう。そのような場合は、決まっているものから埋めていくようにし、決まっていないものについて、頭の中を整理しながら決めていくようにします。
また、議論をしながら書く場合などに便利な手法もあります。

4W1Hクロス法

対象人数:5人
所要時間:30分
説明:4W1H(WHAT,WHO,WHERE,WHY,HOW)の各項目に対して、課題をあげ。意見交換をしながら、優先順位をつけて改善方法を見つける手法。
方法:以下の方法で行います。

  1. 4W1Hのそれぞれの各項目に関する課題をメンバーで順番に出していきます。
    • WHAT:何を取り扱うか
    • WHO:ターゲットは十分か
    • WHERE:サービスの提供場所設定は正しいか
    • WHT:サービスを利用してもらう理由は正しいか
    • HOW:どのようにやるか
  2. 出た課題をメンバー全員で共有します。
  3. 出た課題の中で優先順位をつけます。
  4. 各順位ごとに紙を分け、課題を先ほどの項目の部分に書き写します。
  5. それぞれの課題の部分についての対応策を、メンバーで回しながら書いていきます。

スクリーンショット 2015-06-11 14.08.10.png

スクリーンショット 2015-06-11 14.08.19.png

リーンキャンバス

対象人数:1人
所要時間:30分
説明:アイデアを9種類の要素で整理する方法です。どれも実際のサービスを意識したものが多いです。次の 調査 の段階などを得て埋めるようにし、必ずしも全部を埋めることを考えないでください。
方法:表内の各項目について、埋めるようにします。

  • 顧客
    • Eary Adapter(最初に使用するユーザー)
  • 課題
    • 代替手段
  • UNIQUE VALUE PROPOSTION
    • HIGH LEVEL CONCEPT
  • 解決策
  • 顧客流入元
  • 収益の流れ
  • 費用構造
  • 主要指標
  • 競合優位性

スクリーンショット 2015-06-11 14.05.38.png

調査

アイデアを考えた段階で必ずしもそのアイデアを自分だけが考えたとは限りません。自分のアイデアが既存で存在していないか、存在していた場合、使用してみてどのような点が不満か、どのようなレビューがあるかを見ることで自分のアイデアの質を高めることができます。
特にアイデアの探し方として以下のような手法を考えてみるといいでしょう。

NM法

対象人数:1人
所要時間:10分
説明:似た例から、それを元に発想する方法。
方法:以下の手順の通り行いましょう。

  1. テーマからキーワードを出す。(マンダラチャートなどを使いましょう)
  2. テーマから似たものの例を探す。
  3. 似たものの例の本質を考える。
  4. その本質とテーマを元に考える。

評価

ここでは、アイデアを評価してもらうようにします。アイデアを他の人に話し反応や意見をメモしましょう。何よりも自分のアイデアを人に話すということが、自分の頭の整理につながります。

その他

アイデア出しを行うのに便利なアイデアシートも作成しましたので、よければ活用してください。
アイデアシート
※無許可での2次配布厳禁でおねがいします。

参考サイト

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