本記事は Azure OpenAI、Anthropic Claude、Google Vertex AI Gemini などの生成AIを活用して、日々の業務生産性を向上させたい方向けの内容です。
特に、業界・業種・学生などを問わず幅広くおすすめです。🎯
👤 著者プロフィール
項目 | 詳細 |
---|---|
使用デバイス | 主にMac |
業務内容 | IT営業(提案書作成、製品デモ制作) |
❓️ 本日、公開された Anthropic Claude 3.7 Sonnet とは?
Claude 3.7 Sonnetは、Anthropic社が開発したハイブリッド推論モデルであり、コーディング、コンテンツ生成、データ分析、計画などのタスクで大幅な改善を実現しています。
公式サイト
1. Claude 3.7 Sonnetの概要💡
Claude 3.7 Sonnetは、ハイブリッド推論モデルという新しいタイプのAIモデルです。
[ハイブリッド推論モデルとは?]
- 瞬時の応答と段階的な思考(Extended Thinking))の両方が可能です。
- これは今までは、OpenAIもGPT4-oとo1とかで切り分けてたのが内包されているようです。
- 人間のように、タスクに応じて認知的努力を調整できます。
- 例えば、簡単な質問には即座に答え、複雑な問題には時間をかけて論理的に考えます。
2. 主な機能と利用事例
Claude 3.7 Sonnetは、その高度な能力により、様々な分野で活用できます。
[コーディング能力]
- ソフトウェア開発の全ライフサイクル(計画、バグ修正、保守、大規模なリファクタリングなど)をサポート
- 複雑なコーディングタスクの計画と解決の両方で優れたパフォーマンスを発揮
- 最大128Kの出力トークン(ベータ版)をサポートし、大規模なコード生成や計画に役立ちます
[Computer Use]
- APIを介してClaudeを統合することで、人間のようにコンピュータを操作可能
- 画面を見て、カーソルを動かし、ボタンをクリックし、テキストを入力するなど
[高度なチャットボット]
- 高度な推論能力と人間らしい温かみのある口調
- 様々なシステムやツールを連携させてデータに接続し、アクションを実行するチャットボットに最適
[ナレッジQ&A]
- 大規模なコンテキストウィンドウと低い幻覚率
- 大規模な知識ベース、ドキュメント、コードベースに関する質問に回答可能
[視覚データ抽出]
- 図表、グラフ、複雑な図などの視覚情報から情報を抽出
[顧客対応エージェント]
- 優れた指示追従能力、ツール選択、エラー訂正、高度な推論能力
- 顧客対応エージェントや複雑なAIワークフローに適している
[コンテンツ生成と分析]
- 文章作成に優れており、ニュアンスやトーンを理解
- より魅力的なコンテンツを生成したり、コンテンツをより深く分析したりできる
[ロボティックプロセスオートメーション(RPA)]
- 反復的なタスクやプロセスを自動化
- 業界をリードする指示追従能力で複雑なプロセスや操作を処理
3. ベンチマーク
Claude 3.7 Sonnetは、コーディング、視覚、推論タスクなど、様々なベンチマークで最先端のパフォーマンスを発揮しています。
4. 信頼性と安全性
Anthropic社は、Claude 3.7 Sonnetの安全性、セキュリティ、信頼性を確保するために、外部の専門家と協力して広範なテストと評価を実施しています。
- コンピュータ利用による新たなリスク
- 推論モデルによる潜在的な安全上の利点
- いくつかのカテゴリで新しい安全性の結果について議論
利用方法としては Claude Web Service やClaude APIだけでなく、Google Cloud Vertex AI でも利用できるため以下に"Get Started"的なのを備忘録で共有します。
🛠 実装方法
ここでは、Python コードで API を呼び出し、クリップボードの内容を入力としてモデルに投げて回答を得る流れを紹介します。
全体のフロー
- Pythonコードを作成(後述)
- クリップボードにモデルへ質問したいテーマをコピー
- Pythonコードを実行
- 回答を確認
今回は試験モデルの呼び出しという形なのでデプロイは不要です。
通常の Vertex AI 同様に、REGION や PROJECT_ID、仮想環境の準備は必要です。
コード実装
もちろん Vertex AI の GUI ページからサンプルコードは出力できるのですが、それだと絶妙に欲しい形の出力や、入力ができなかったので少し魔改造しました。
Extended Thinking 利用時の注意点 ⚠️
- Thinking Budget: 最小バジェットは 1,024 トークンです。
- max_tokens が 21,333 を超える場合は、ストリーミングが必須です。
- 適切なThinking Budgetの設定: 複雑なタスクには、より大きなThinking Budget (16,000 トークン以上) から開始し、必要に応じて調整します。
Extended Output Capabilities (Beta) 🧪
- Claude 3.7 Sonnet は、最大 128K の出力トークン (ベータ版) をサポートし、以前のモデルよりも大幅に長い応答を生成できます。
- この機能を有効にするには、anthropic-beta ヘッダーに output-128k-2025-02-19 を渡します。
(環境変数は本来ベタ打ちしないですが、サンプル用に記載してます)
from anthropic import AnthropicVertex
import json
import pyperclip
import re
LOCATION="us-east5"
client = AnthropicVertex(region=LOCATION, project_id="ここにPROJECT ID")
system = """
あなたは有能なAIアシスタントです。以下の手順に従って問題を解決してください:
1. まず、与えられたテーマや意図を注意深く読み、理解してください
2. テーマの主要な要素を分解してください
3. テーマの理解や解決のための各ステップを考えてください
4. 明確な理由付けとともに解決策を提示してください
5. これまでの出力を批判的に評価して最終出力の質を高めてください
以下の点に注意してください:
- すべての過程を示してください
- 各ステップでの理由付けを説明してください
- 具体的かつ正確に記述してください
- エッジケースも考慮してください
"""
prompt = "Theme is " + pyperclip.paste()
message = client.messages.create(
max_tokens=20000,
system=system,
messages=[
{
"role": "user",
"content": prompt
}
],
thinking={
"type": "enabled",
"budget_tokens": 16000
},
model="claude-3-7-sonnet@20250219",
)
response_content = json.loads(message.model_dump_json())["content"][0]["text"]
pyperclip.copy(response_content)
📸 出力イメージ
🔥 活用のコツ
- 外部アプリ/サービス連携: Pythonを活用してAPI経由で呼び出せるので、Input/Outputを他の既存アプリやサービスと連携してサービス体験を拡張できる 🔀
-
エイリアス設定:
python sample.py
などをショートカット化 ⌨️ - プロンプト設計: 体感ですが、詳細な要件や振り返り事項、期待する出力形式を記載することで、しっかり命令を反映してくれています。他のモデルだと特に重要なものを反映するだけだったり、出力量をサボる傾向がある 📝
⚠️ 注意点
- Google VertexAIの環境設定は別途必要です
- 社内のセキュリティポリシーに準拠したAPI利用を心がけましょう
🎉 まとめ
Google VertexAIは、高度なAI機能を必要とする様々な分野・業務に最適なソリューションです。
適切な実装と利用戦略により、以下のメリットが得られます:
- 業務プロセスの効率化
- より深い分析と洞察の獲得
- スケーラブルなAIソリューションの構築
ぜひ皆様の業務効率化にお役立てください! 🙌
上記Python出力テキストのベタ貼り 🖼️
Input = "VertexAI を日本の大手製造業(ディスクリート:多品種少量生産)で採用するべきか?"
Output =
# VertexAI を日本の大手製造業(ディスクリート:多品種少量生産)で採用するべきか?
## 1. テーマの分解と理解
このテーマは以下の要素に分解できます:
- **VertexAI**: Googleが提供する機械学習プラットフォーム
- **日本の大手製造業**: 対象となる業界
- **ディスクリート製造(多品種少量生産)**: 製造形態の特徴
- **採用の是非**: 導入すべきかどうかの判断
## 2. 各要素の詳細分析
### VertexAI の特徴
- 機械学習モデルの開発、デプロイ、管理のための統合プラットフォーム
- AutoML機能(コーディング不要でAIモデル開発可能)
- カスタムモデルのトレーニングと展開機能
- 画像認識、自然言語処理、予測分析などの機能
- Googleのインフラストラクチャ上での運用
### 日本の大手製造業(ディスクリート)の特徴
- 多品種少量生産方式(自動車、電子機器、機械部品等)
- 高品質・高精度の製品製造
- ジャストインタイム(JIT)生産方式の普及
- 職人技や暗黙知に依存する側面
- 改善文化(カイゼン)の存在
- 厳格な品質管理基準
- 少子高齢化による人材不足
- デジタル化への遅れ
## 3. 採用可能性の検討要素
### メリット
1. **品質管理の強化**
- 画像認識技術による不良品の自動検出
- センサーデータ分析による予兆保全の実現
- 品質ばらつきの予測と未然防止
2. **生産効率の最適化**
- 需要予測精度の向上による在庫最適化
- 生産スケジューリングの最適化
- 設備稼働率向上のための予測モデル活用
3. **暗黙知のデジタル化**
- 熟練工のノウハウをAIモデルで再現
- 製造プロセスのバラツキ要因特定
- 職人技の一部自動化
4. **人材不足への対応**
- 単純作業の自動化による人材シフト
- 意思決定支援による少人数での効率的運営
- ナレッジマネジメントの強化
5. **新製品開発の加速**
- シミュレーションモデルによる開発期間短縮
- 顧客フィードバックの自動分析による製品改良
### 課題・デメリット
1. **導入コストと投資回収**
- 初期投資(インフラ、人材育成、データ収集)
- ROI算出の難しさと経営判断
- 中長期的視点での評価の必要性
2. **技術的障壁**
- AI人材の不足
- 既存システムとの統合課題
- データ収集・クレンジングの労力
3. **組織文化への適合性**
- 現場の抵抗感(「職人技をAIに置き換える」という抵抗)
- トップダウン vs ボトムアップのアプローチ
- 改善活動との連携方法
4. **データセキュリティ**
- 製造ノウハウの外部流出リスク
- クラウドサービス利用への懸念
- 顧客情報保護
5. **多品種少量生産の特性**
- 製品ごとにモデル調整の必要性
- データ量の不足(品種あたりのデータ量)
- 変化への迅速な対応
## 4. 導入シナリオの検討
### 段階的アプローチ
1. **パイロットプロジェクト**
- 特定の製造ラインや工程での試験導入
- 短期間で効果が出やすい領域から開始(品質検査等)
- 効果測定の仕組み構築
2. **拡大フェーズ**
- 成功事例をもとに他ラインへ展開
- 現場フィードバックの収集と改善
- モデルの精度向上と適用範囲拡大
3. **全社展開**
- 標準化されたAI導入プロセスの確立
- 人材育成の仕組み構築
- 経営戦略との連携強化
### 重点領域の特定
- **予測保全**: 設備故障予測による計画外停止削減
- **品質検査**: 画像認識による不良検出自動化
- **需要予測**: 生産計画最適化
- **設計支援**: 新製品開発の効率化
- **ナレッジマネジメント**: 暗黙知のデジタル化
## 5. 提言と結論
VertexAIの日本の大手製造業(ディスクリート)への導入については、**条件付きで採用を推奨**します。
### 採用を推奨する根拠
1. 日本製造業が直面する人材不足問題への有効な対策となる
2. 品質管理の高度化と製造コスト削減の両立が可能
3. グローバル競争力強化のためのデジタル化は避けられない潮流
4. 多品種少量生産においても、共通基盤技術として活用可能な領域が存在
5. 段階的な導入により、リスクを最小化しながら効果検証が可能
### 成功のための条件
1. **経営層のコミットメント**: デジタル変革への明確なビジョンと投資判断
2. **現場との協働**: 現場知識とAI技術の融合を促進する体制
3. **段階的アプローチ**: 小さな成功を積み重ねる実装戦略
4. **人材育成**: AI人材とドメイン知識を持つ人材の育成
5. **データ戦略**: 製造現場のデータ収集・活用の仕組み構築
### 具体的な第一歩
1. PoC(概念実証)の実施:特定工程での小規模導入
2. データ収集基盤の整備:センサー設置、データレイク構築
3. 社内AI人材の育成:教育プログラムの開始
4. 効果測定の仕組み構築:KPI設定と評価方法の確立
5. 現場理解促進:ワークショップやデモを通じた理解醸成
多品種少量生産という特性から全工程の完全自動化は現実的ではありませんが、特定領域での導入により、人間の創造性と判断力をより価値の高い業務に集中させることが可能になります。適切な計画と段階的アプローチにより、VertexAIは日本の製造業の競争力強化と持続可能性向上に貢献できると考えられます。
本記事へのご質問やご意見がありましたら、コメントにてお気軽にお寄せください。