2
0

More than 3 years have passed since last update.

ファーウェイHMSの開発についての考察

Last updated at Posted at 2020-09-30

HMSの概要

HMSとはファーウェイが提供しているファーウェイモバイルサービス(Huawei Mobile Services)の略です。

Android端末とGMSの関係

現在モバイルOS分野ではAndroidとiOSが独走しています。Android端末はAndroidというオープンソースのOSを搭載している端末だと多くの人が認識しています。おそらく皆さんはAndroid端末はこんな感じだと思っているでしょう。
スクリーンショット 2020-09-30 165008.png

昔ならこのイメージは正しいです。しかし近年、Android端末はAndroid OSとGMS(Google Mobile Service)のセットで出荷されていることがほとんどです。つまり、こちらこそ、正しい構成図というわけです。
スクリーンショット 2020-09-30 165021.png

ここで気を付けてほしいのは、GMSはAndroidと違って、オープンソースではありません。完全にグーグルのものです。そして、現状ではほとんどのアプリはGMSの利用を前提に開発されています。

では、もしGMSがなくなると、どうなるでしょうか?アプリが正常に動作できない可能性があります。たとえば、ユーザー側なら、ログインできなくなったり、通知が来なくなったり、といった不具合に見舞われます。開発者側なら、統計データが見られなくなったり、広告が表示されなくなったり、といった困った問題が生じます。

HMSが別の選択肢を提供

GMSが入っていない端末でもGMSと同等なサービスが使えるようにするのがHMSです。HMS端末をわかりやすくいうと、GMSをHMSに置き換えたAndroid端末です。
スクリーンショット 2020-09-30 180956.png

下の図はファーウェイが提供しているHMSサービスの一覧です。かなり充実していると思います。詳細はこちらをご参照ください。
https://developer.huawei.com/consumer/jp/hms

screencapture-developer-huawei-consumer-jp-hms-2020-09-30-17_18_43.png

HMSの開発でどのくらい儲かるのか

開発者がアプリで稼ぐ方法が主に2つあります。

  • 課金
  • 広告

アプリ課金もアプリ広告もアプリの使用者数に比例します。つまり、ダウンロードする人が多ければ多いほど、より高い利益が見込めるというわけです。

アプリストア

現在、ほとんどのHMSアプリはファーウェイが提供しているHUAWEI AppGalleryでリリースされています。では、AppGalleryの規模を見てみましょう。
スクリーンショット 2020-09-30 173710.png

MAUが4.9億人のストアなので、ダウンロード数がかなり期待できると思います。

端末の世界シェア

端末の世界シェアも見てみましょう。ファーウェイのオフィシャルサイトの発表によると、端末シェアは18.6%で世界で2位となっているので、シェアがかなり大きいです。
HUAWEI Ads Publisher Service

スクリーンショット 2020-09-30 174851.png

収益の割合

開発者が得られる広告の収益の割合も重要です。HMSの広告では、開発者は70%~90%の収益が得られます。ちなみに、Googleアドセンスでは68:32(メディア:Google)と言われています。
HUAWEI Ads Publisher Service

スクリーンショット 2020-09-30 174821.png

HMSの開発準備

必要なもの

あったほうがよいもの

  • ファーウェイのHMS実機(実機を持っていなくても開発できます。詳細は後程説明します)
  • Huaweiアカウント(Huaweiアカウントがいらない機能もあります。たとえば、プッシュ通知や、マップなど)

開発費用

0円です。開発者登録もアプリリリースも費用がかかりません。ちなみに、グーグルとアップルの開発費用を下記の通りです。

プラットフォーム 費用
ファーウェイ 0円
グーグル 初回登録費 25ドル
アップル 年間参加費 99ドル

HMSの開発ヒント

Android StudioにHMS Toolkitをインストールすれば、クラウドデバッグ機能が使えます。
HMS Toolkitについてはこちらをご参照ください(https://developer.huawei.com/consumer/jp/huawei-toolkit/)。

クラウドデバッグを使えば、エミュレートをと同じ感覚でデバッグできます。
スクリーンショット 2020-09-30 184253.png

Logcatも使えます。
スクリーンショット 2020-09-30 184236.png

HMSのみの機能もテストできます(たとえば、プッシュ通知)。
スクリーンショット 2020-09-30 184313.png

ただ、ブレークポイントを張っても止まってくれないので、実機があれば、実機を使ってデバッグしたほうが良いです。

感想

これからHMSのマーケットシェアがどんどん伸びると予想します。HMS自体の機能もGMSと比べて勝るとも劣らないので、かなり期待できるサービスだと思います。ユーザー数も億を超えているので、広告収益もかなり期待できるはずです。開発費用が0円であることも参入しやすい魅力的なポイントです。

みなさん、いかがでしょうか?
アプリのGMS版だけではなく、HMS版も作れば、より大きな収益を望めるので、ぜひHMS開発をはじめて、もっと稼いでほしいです。

2
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2
0