HMSの概要
HMSとはファーウェイが提供しているファーウェイモバイルサービス(Huawei Mobile Services)の略です。
Android端末とGMSの関係
現在モバイルOS分野ではAndroidとiOSが独走しています。Android端末はAndroidというオープンソースのOSを搭載している端末だと多くの人が認識しています。おそらく皆さんはAndroid端末はこんな感じだと思っているでしょう。
昔ならこのイメージは正しいです。しかし近年、Android端末はAndroid OSとGMS(Google Mobile Service)のセットで出荷されていることがほとんどです。つまり、こちらこそ、正しい構成図というわけです。
ここで気を付けてほしいのは、GMSはAndroidと違って、オープンソースではありません。完全にグーグルのものです。そして、現状ではほとんどのアプリはGMSの利用を前提に開発されています。
では、もしGMSがなくなると、どうなるでしょうか?アプリが正常に動作できない可能性があります。たとえば、ユーザー側なら、ログインできなくなったり、通知が来なくなったり、といった不具合に見舞われます。開発者側なら、統計データが見られなくなったり、広告が表示されなくなったり、といった困った問題が生じます。
HMSが別の選択肢を提供
GMSが入っていない端末でもGMSと同等なサービスが使えるようにするのがHMSです。HMS端末をわかりやすくいうと、GMSをHMSに置き換えたAndroid端末です。
下の図はファーウェイが提供しているHMSサービスの一覧です。かなり充実していると思います。詳細はこちらをご参照ください。
https://developer.huawei.com/consumer/jp/hms
HMSの開発でどのくらい儲かるのか
開発者がアプリで稼ぐ方法が主に2つあります。
- 課金
- 広告
アプリ課金もアプリ広告もアプリの使用者数に比例します。つまり、ダウンロードする人が多ければ多いほど、より高い利益が見込めるというわけです。
アプリストア
現在、ほとんどのHMSアプリはファーウェイが提供しているHUAWEI AppGalleryでリリースされています。では、AppGalleryの規模を見てみましょう。
MAUが4.9億人のストアなので、ダウンロード数がかなり期待できると思います。
端末の世界シェア
端末の世界シェアも見てみましょう。ファーウェイのオフィシャルサイトの発表によると、端末シェアは18.6%で世界で2位となっているので、シェアがかなり大きいです。
HUAWEI Ads Publisher Service
収益の割合
開発者が得られる広告の収益の割合も重要です。HMSの広告では、開発者は70%~90%の収益が得られます。ちなみに、Googleアドセンスでは68:32(メディア:Google)と言われています。
HUAWEI Ads Publisher Service
HMSの開発準備
必要なもの
- ファーウェイ開発者アカウント。オフィシャルサイトで新規登録します(https://developer.huawei.com/consumer/jp/)
- Android studio / Eclipse
あったほうがよいもの
- ファーウェイのHMS実機(実機を持っていなくても開発できます。詳細は後程説明します)
- Huaweiアカウント(Huaweiアカウントがいらない機能もあります。たとえば、プッシュ通知や、マップなど)
開発費用
0円です。開発者登録もアプリリリースも費用がかかりません。ちなみに、グーグルとアップルの開発費用を下記の通りです。
プラットフォーム | 費用 |
---|---|
ファーウェイ | 0円 |
グーグル | 初回登録費 25ドル |
アップル | 年間参加費 99ドル |
HMSの開発ヒント
Android StudioにHMS Toolkitをインストールすれば、クラウドデバッグ機能が使えます。
HMS Toolkitについてはこちらをご参照ください(https://developer.huawei.com/consumer/jp/huawei-toolkit/)。
クラウドデバッグを使えば、エミュレートをと同じ感覚でデバッグできます。
HMSのみの機能もテストできます(たとえば、プッシュ通知)。
ただ、ブレークポイントを張っても止まってくれないので、実機があれば、実機を使ってデバッグしたほうが良いです。
感想
これからHMSのマーケットシェアがどんどん伸びると予想します。HMS自体の機能もGMSと比べて勝るとも劣らないので、かなり期待できるサービスだと思います。ユーザー数も億を超えているので、広告収益もかなり期待できるはずです。開発費用が0円であることも参入しやすい魅力的なポイントです。
みなさん、いかがでしょうか?
アプリのGMS版だけではなく、HMS版も作れば、より大きな収益を望めるので、ぜひHMS開発をはじめて、もっと稼いでほしいです。