アプリ開発してわかったことを整理する
アプリ開発を始めて約2年。リリースするまで知らなかったことや自分の考えと世の中のギャップを生のデータから考察してみる。アレ?こんな反応するんだ、っていうことが結構あったので書いていく。リリースするアプリの出来やアイデアによって当たり前のごとくデータは異なるけど、今回紹介する元データは
- 誰もが思いつきそう
- 誰でも個人で作れそう
- 特別なデザインや技術を使っていない
というアプリから抽出したもので、あくまで素人がリリースしたらどうなるの?っていう話。
こいつらのデータから考察していく
今までリリースしたのは5本ほど。今回はこいつらのダウンロード情報やその他の情報から考察していく。
・コンタクトレンズ消費期限(ライフスタイル)
コンタクトレンズの交換日を通知するだけ。
・ぷろたん(ライフスタイル)
日々のタンパク質摂取量を記録するだけ。自動入力でもなんでもなく手動で記録する。
・骨折勇者の冒険(RPG)
ドット絵のゲーム。ドラクエ1好きなんだよね。
・北見知り(エンターテイメント)
方角の『北』がわかるようになる超能力を開花させる。結局シューティングゲームになった。
実際どのぐらいダウンロードされるの?
開発を始めてからまず気になったのは「素人アプリってどのぐらいダウンロードされるの?」ってこと。今までの累計ダウンロード数はこんな感じ。
だいたい28000個ぐらい。意外にダウンロードされるんだなってことがわかる。ちなみに全て無料アプリのダウンロード数である(当然だね)。
有料と無料ってどのぐらい差があるの?
今公開中のものは全て無料アプリだが、初めは有料アプリとして出していた期間がある。そこで無料と有料のダウンロード数にどれほどの差があるのかを紹介したい。
有料時:月で1~2個
無料時:3日で90個
という結果に。やっぱり誰が作ったかわけわかんないものにお金を払って買うって人は希少なんだなって知れた。結構世の中ってシビアだよね。
ただどうして無料になった瞬間こんなにダウンロードされるのかが気になったので調べてみた。
有料→無料にすると勝手に紹介される
これが原因。下の画像のようなサイトを見たことがあると思う。こういうのってこちらから申請するのではなく、勝手に紹介されるんだよね。無論全てがそうではない。こちらから紹介してくれって申請するものや逆に相手から紹介させてくれっていうのもある。ただ割と自分の知らないところで掲載されていること多いからリリースしたら自分のアプリをネットで調べて見ると面白い。
レビュー数の話
これが意外に一番驚いたかもしれない。レビュー数ってリリースするまではそこまで大事じゃないだろうと思っていたが、結果を見ると割りと重要な要因であることがわかった。
まずこれがレビュー数0で3ヶ月計測した結果。(対象のアプリは有料120円で出していたもの)
だいたい月に$3〜4しか売れてない、かつ、所々隙間がありまちまちにダウンロードされていることがわかる。
対してレビュー数を5個つけて3ヶ月計測した結果。
だいたい月に$7〜9ぐらいに上がっていることがわかる。また、このころから隙間がなくなり毎週1、2個は売れるという感覚だった。
Appleはレビュー数が5個以上になると下の画像のように☆マークで評価がつくようになる。これも購入に至る1つの要因であると考えられる。友達に頼むかアカウント複数作るなりして、サクラとして5件は投稿しておくことをおすすめする。
課金するページのデザイン
これは、『いや俺デザイン全くできないし、、、』とコンテンツを作る前からつまづいている人や、デザイン関係で周りの人と揉めている方へ物申したい。
下の画像を見て欲しい。どちらも実際に私がリリースしたアプリの課金画面だ。
右の画像、たぶんこのゴミみたいな画面を見て買いたいと思う人はいないと思う、私だって買いたいと思わない。左の画像は「おっ、綺麗じゃん、ちゃんとしてそうだな」と思うかもしれない。
じゃあ実際にデータとしてはどうなのか?結果は以下の通り。
正直このデータの結果を見て非常にショックだった。というのも左の方は時間をかけて渾身の力作として出したにも関わらず全く購入ボタンが押されなかったから。
ただ、この経験を経てから時間をかけるべきはここじゃないだろっていう感覚を得ることができた気がする。デザインの詳しいことは全くわからないけど結構楽しくなってのめり込んじゃう気持ちはわかる。けどやっぱり中身の面白さとかいかにシンプルにするかに時間をかけたほうが結果はついてくるのかなって思うの。(この画面も全部Keynoteで作ってるよ。PhotoshopとかIllustratorとかわからん。)
どのジャンルがおすすめなの?
AppStoreにはエンターテイメント/写真系/ライフスタイル/ゲーム/ユーティリティと色々なジャンルが存在する。実際どのジャンルのが人気なのか?ってのを示すデータがある。今回はインプレッション数(ストアに表示された回数。PVみたいなもの)で比較していく。
まずエンターテイメントのインプレッション数。
びっくりしました私。8倍ぐらいの差があった。もちろんタイトルやコンテンツ内容も関係するとは思うが、他のライフスタイル系のアプリはせいぜい3000ぐらいで、もう一本出したゲーム系のアプリは初日80000ぐらいだったのでゲームのジャンルはかなり人が多いと見ていいだろう。
まとめ
今回はデータをもとに色々比較して結論を出しているけど正しい分析なのかはわからない。ただ、”正しい分析”ってなんなのかわからないし間違ってるかもしれないけど、分析しないと自分の考えは生まれないし感じることができない。自分で感じたこともないのにあれこれ毒にも薬にもならない駄菓子の如く助言をするような人がいるけどこっちには全く響かない。皮の話じゃなくて肉の話をしろよって思っちゃう。
だから今趣味で開発してて周りからごにょごにょ言われて参ってる人がいたら、いいから黙って見てろよって気持ちで開発を着々と進めていったらいいと思う。
最後に言いたいこと
アプリを作るモチベーション
今回書いた通り、私は『アプリを通して世の中の反応を見る』ということをモチベーションに作成している。というのも実際自分の感覚が今の世の中にあっているのかを確かめるにはリリースが一番現実を見ることができると思う。自分の感覚がバッチリ合うこともあるし、全然期待した反応が返ってこないときもある。
ただネットで見た/人から聞いた知識より確実に身につくので、とりあえずやってみる精神大事。
周りの言うことは一切無視しろ
アプリを作っている途中につい友達に「こういう機能あったらどう思う?」とか聞いてしまうことがある。聞くのは一向に構わないし有益なことを言ってくれる方もいる。
ただ、少しでも自分が違和感をもったら取り入れない方が良いという結論に今のところ至ってる。
そいつが操作性こういう風にしたほうがいいんじゃない?→違和感混在故に無視。
十字キーあったほうがわかりやすいんじゃない?→昨今の世の中十字キーなんて概念ない。子供はテレビ画面を直接触ってスワイプしてチャンネルを変えようとする時代なんだから上に移動は上にスワイプに決まってんだろ。
ただアプリを作っているとどうしても人に助言を求めたくなる。しかもその時はその人の言うことが”正”なんじゃないかと思ってやってしまう。 結果後悔するのは自分なんだよね。
結構自分が伝えたいことって伝わる
全てのアプリを作る際に心がけていたのはシンプルな操作であること。私はエクセルのごちゃっとした感じや横画面系アプリが大嫌いで携帯を両手で持って操作するなんてナンセンスだろと思っている。そういう意識を若干だけどしながら作っていたらアプリのレビューや紹介記事で『シンプルすぎて物足りない』等書かれることがある。笑
にやにやしながら見てるんだけど結構嬉しいよね。