4
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

ezdxfを使ってみよう#2~図形描画編~

Last updated at Posted at 2022-05-02

本章では実際に図形を描画するコードをまとめます。

前章はこちら:#1~図面作成と設定編~
次章はこちら:#3~レイヤー・dxfattribs 図形の属性・描画の補足編~

ezdxfで作図可能な図形は、以下で紹介されています。
参考:ezdxfで扱えるエンティティ 公式ドキュメント
ここでは以下の基本的な図形を紹介していきます。

  1. Line 線
  2. Text 文字
  3. Point 点
  4. Circle 円
  5. Arc 弧
  6. poliline ポリライン(連続線・多角形)
  7. hatch ハッチング
共通条件
doc = ezdxf.new('R2010', setup=True)
msp = doc.modelspace()
#線の太さなどはmatplotlibで表現されないがdxfでは再現されている

dxfattribについて

色や線の太さやレイヤーなど、図形に付加する属性です
本章では適用な可能な属性の紹介程度で、次章で詳細にまとめています。

Line 線分の描画

add_line

msp.add_line((0, 0), (5, 0), #始点・終点
dxfattribs={'layer':'mylayer', #レイヤー
'color': 2, #色
'lineweight':5, #線幅
'linetype':"PHANTOMX2" #線種
})

kinr.png

始点と終点をタプルで入力します。 わかりやすいですね。
線幅はCADがDXFを読み込んだ際に既定の近似の太さに変換されることが多いです。
座標の管理次第でpythonの優位性を発揮できそうです。それはまた別の章でまとめます。

Point 点の描画

add_point
#dxfのヘッダー部
doc.header['$PDMODE'] = 35 #点の種類 #✖matplotlib
doc.header['$PDSIZE'] = 10 #点の大きさ #✖matplotlib
#dxfのエンティティ部
msp.add_point([10, 10], 
dxfattribs={'layer':'mylayer', #レイヤー
'color': 3, #色
})

poin.jpg

点の種類と大きさは仕様上ヘッダーの点の設定を参照しており、全点がヘッダーの設定になります。 色とレイヤーは個別に指定できます。
なお、CADによっては反映されない場合もあります。matblotlibでは小さな点のみ確認可能です。
参考:点の種類 公式ドキュメント

Text 文字列の描画

add_text
msp.add_text(('Hello!'+'ezdxf!'),  #文字列
dxfattribs={'style': 'OpenSansCondensed-Bold', #フォント
'height':15, #文字高
'width':0.5, #文字幅 割合で書く
'rotation':45, #角度
'oblique':15, #傾斜 ✖matplotlib
'color':4} #色
).set_pos((1350, 61), #配置位置
align='TOP_RIGHT') #文字揃え

test.jpg

フォントは前賞でまとめた通りsetup =Trueでデフォルトを設定できます。
座標や位置情報はdxfattribsではなく、.set_posで後ろに添加します。 文字の揃えや配置は独特ですね。詳しくは次章#3:文字列の属性でまとめています。

参考:文字列の描画 公式ドキュメント

Circle 円の描画

add_circlet
msp.add_circle((10, 15), radius=2,
dxfattribs={'layer':'mylayer', #レイヤー
'color': 6, #色
'lineweight':18, #線幅
'linetype':"DIVIDEX2" #線種
})

en.png

中心点と半径(radius)で書けます。属性情報は線と同じ。

Arc 弧の描画

add_arc
msp.add_arc(center=(10,10), radius=100, start_angle=50, end_angle=200,
dxfattribs={'layer':'mylayer', #レイヤー
'color': 20, #色
'linetype':"DASHED"
'lineweight':18 #線幅
})

ダウンロード (2).png

中心点、半径、開始角、終了角で描画できます。属性情報は線と同じです。

poliline ポリライン(連続線・多角形)の描画

点が複数ある連続線や多角形などを作成します。
可読性のため座標のタプルをリストに格納しています。もちろんほかの図形同様に座標は直打ちできます。

add_lwpolyline1
pointsss=[(120,70),(120,110),(60,80),(70,130),(0,150)]
msp.add_lwpolyline(pointsss, format="xy", close=False, #closeは連続線を閉じるかT/F
dxfattribs={'layer':'mylayer', #レイヤー
'color': 6, #色
'linetype':"Continuous", 
'const_width':5 
})

poli1.png

ポリラインのformat

タプル内は5つの引数まで渡すことが可能です。それぞれ 始点、終点、始点の線幅、終点の線幅、円弧の高さ(矢高) となります。
下記のformatに従って、必要な数値が変わります。

  • formatは連続線内の起点と終点を"x","y"、
  • 連続線内の各線の始点と終点の太さを指示する"s","e"、
  • 連続線内の各線の始点から終点へ弧を描く時に"b"(高さ/半径で0~1.0のflort値)を使用します。

全部指定すると format="xyseb" 対応するタプルは(120,70,1,1,0.5)のようになります

試しに上の連続線にformatを全て指定するとこんな感じ。また、 close=Trueで線を閉じて今度は多角形にしてみます。

add_lwpolyline2
points=[(120,70,1,1,0.5),(120,110,2,5,1),(60,30,5,2,.2),(80,150,1,1,.1),(0,150,12,5,1)]
msp.add_lwpolyline(points, format="xyseb", close=True, 
dxfattribs={'layer':'mylayer', #レイヤー
'color': 6, #色
'lineweight':18, #線幅
'linetype':"Continuous" #線種
#'const_width':5 #線幅を入れるとformatの"s","e"情報が上書きされるので消すorコメントアウト
})

ダウンロード.png

なお、既存のポリラインに点を追加することもできます。 二つ上の連続線に点を追加してみます。

append_poimts
points=[(120,70),(120,110),(60,80),(70,130),(0,150)]
#ポリラインを変数に格納
poliline_1 = msp.add_lwpolyl
ine(points, format="xy", close=False, #closeは連続線を閉じるかT/F
dxfattribs={'layer':'mylayer', #レイヤー
'color': 6, #色
'linetype':"Continuous", #線種
'const_width':5
})
poliline_1.append_points([(8, 7), (120, 30)])

ダウンロード (1).png

参考:ポリラインの書き方 公式ドキュメント

※補足
最後の点を最初の点と同一座標にすると結線され、close = Trueと同じ状態になります。
format="xyseb"は実はデフォルトで設定されており、(120,70)と入れればxyの型に応じて読み取ってくれます。

hatch ハッチングの描画

参考:ハッチング 公式ドキュメント

参考:円弧の計算

hatch.paths.add_polyline_path
hatch = msp.add_hatch(color=2)
hatch.paths.add_polyline_path(
    [(0, 0), (10, 0), (10, 10), (0, 10)], is_closed=True
)

image.png

こちらが基本形になりますが、タプルに3つ目の要素を与えると
ポリラインと同様に円弧の高さを与えられます

hatch = msp.add_hatch(color=4)
hatch.paths.add_polyline_path(
    [(0, 0, 1), (10, 0), (10, 10, -0.5), (0, 10)], is_closed=True
)

image.png

上記のようにハッチングを単体で作図可能ですが、
以下のように実践的な操作法として、作図描画したポリラインの座標を活用することもできます。

hatch.paths.add_polyline_path
#パターン1:座標をリストに格納する
polyline_1 = msp.add_lwpolyline(
    [(0, 0, 0), (10, 0, 0.5), (10, 10, 0), (0, 10, 0)],
    format="xyb", close=True)

hatch = msp.add_hatch(color=1) #ハッチングの定義
path = hatch.paths.add_polyline_path(
polyline_1.get_points(format="xyb"),
                      is_closed=True
)

#パターン2:ポリラインから座標を取得する
polyline2_points=[(20,0, 0), (30, 10, 0.75), (30, 10, 0.5), (20, 20, 0)]

polyline_2 = msp.add_lwpolyline(polyline2_points,
    format="xyb", close=True)

hatch = msp.add_hatch(color=2)
hatch.paths.add_polyline_path(polyline2_points,
                              is_closed=True
)

ダウンロード.png

エッジパスを追加することで、ハンチングする直線や曲線などを作成・追加などもできます。

edge_path.add
#ハッチの作成
hatch = msp.add_hatch(color=2)
hatch.paths.add_polyline_path(
    [(0, 0, 1), (10, 0), (10, 10, -0.5), (0, 10)], is_closed=True
)
#エッジパスの作成
edge_path = hatch.paths.add_edge_path()
add_points=[(5,0),(15,0),(25,0)] #使いするざ座標をリストに格納

#エッジパスで直線を描画
edge_path.add_line(add_points[0],add_points[1])
edge_path.add_line(add_points[2],add_points[0])
#エッジパスで円弧を描画、円弧の端点が直線の端点と一致する必要があるので、
#数式で中心点を表現してみる
edge_path.add_arc(((add_points[2][0]-add_points[1][0])*2,(add_points[2][1]-add_points[1][1])*2), 5, start_angle=180, end_angle=0, ccw=False)

image.png

エッジパスを使用する際の注意点として、エッジパス内で図形が連続して図形が閉じられないと、追加ハッチが生成されません。
直線だけでハッチングを構成する場合は、ポリラインベースがいいかなと思うのですが、
円弧が絡むと円弧の高さや中心座標を計算するより、例のように式を入力すると楽になりそうです。

参考:エッジパス 公式ドキュメント

ハッチングのパターンも紹介します

hatch.set_pattern_fill1
hatch.set_pattern_fill("ANSI31", scale=0.5, color=2)

この一文を追加するだけです。色もここで指定します。

hatch.set_pattern_fill2
for i, j in enumerate(range(31,39)):
  hatch = msp.add_hatch(color=5) #ここでカラーを指定しても無効
  k = i * 15

  print(j,k)
  hatch.paths.add_polyline_path(
      [(0+k, 0), (10+k, 0), (10+k, 10), (0+k, 10)], is_closed=True
      ) 
  hatch.set_pattern_fill(f"ANSI{j}", scale=0.5, color=i)

image.png

参考:ハッチングのパターン 公式ドキュメント

図形の描画についてはここまで。次章はレイヤー・dxfattribsなどに
ついて掘り下げ、図形の書式を研究します。

4
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
4
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?