概要
Qiita10周年おめでとうございます!
サービス提供が開始されてもう10年も経つんですね・・いや、まだ10年しか経っていないと言うべきか・・?まぁどちらでもいいか。なんにせよおめでとう!!
テーマが「10年後のために今勉強しておきたい技術」ということで、個人的に注目しているNianticのLightshipについて、何がどう凄いのか記しておきたいと思います。
Lightshipとは?
Lightshipは、Nianticが開発しているAR(拡張現実)アプリの作成キットです。
以前は「Niantic Real World Platform」という名称でしたが、プライベートベータ版の発表に合わせて改名されました。
残念ながらプライベートベータ版ゆえにLightshipは完全には一般公開されていません。利用には申請のあと審査があります。
ちなみにNianticはポケモンGOやハリーポッター 魔法同盟、INGRESSなどのARゲームを開発している企業です。
では、Lightshipは何が凄いのかというと、以下の3つの機能強化が図られています。
- リアルタイムマッピング
- セマンティックセグメンテーション
- マルチプレイヤー
リアルタイムマッピング
リアルタイムマッピングはスマートフォンのカメラに写された壁や建物などの物理的な世界を機械的に読み取る機能です。
この機能を使用すると永続的にリアルタイムなマップが作成され、仮想オブジェクトに対してより現実的な反応を起こさせることができます。
例えば、ユーザが投げたバーチャル上のボールが現実に存在する壁にぶつかって跳ね返り地面に落ちる、といった物理の法則を実現することができます。
セマンティックセグメンテーション
セマンティックセグメンテーションは地面、空、建物など空間を区別する機能です。
この機能を使用すると仮想オブジェクトを特定の空間にだけ適用することができます。
例えば、「空」のセグメンテーションにだけ仮想オブジェクトを適用すると、大きなARオブジェクトを地平線上に表示させたり、建物や地面によって仮想オブジェクトを適切に遮らせることができます。
マルチプレイヤー
マルチプレイヤーはその名の通り最大8人のプレイヤーが同時に同じ現実世界の空間で同じAR体験を共有できる機能です。いわゆるマルチプレイが実現できます。
Lightshipの特徴
LightshipはLiDARスキャナーのような一部の超高性能なデバイスに搭載されているカメラを必要とはせず、一般的なカメラに搭載されているRGBカラーセンサーを利用して拡張現実を映し出します。
つまり、スマートフォンさえあれば誰もがLightshipで作成されたARアプリを利用できます。
スマートフォン上で描いた仮想オブジェクトは自分の動作に合わせて、インタラクティブに形や色を変えながら空間上に現れます。
その仮想オブジェクトに近づけば近くにあるように映り、離れれば遠くにあるように映ります。
そして、第3者のスマートフォンを通じても表示・共有されます。
また、LightshipにはP2P型のメッセージ機能とバックエンドのサーバ機能が内臓されます。
これにより複数人でのマルチプレイが可能となり、仮想オブジェクトを一緒に触れたり動かしたり色を足したりすることができます。
ARアプリでのマルチプレイはユーザに今までにない全く新しい体験と言えます。
Lightshipの今後
Lightshipは仮想測位システム(VPS)と正確な位置情報を提供し、世界中で利用できるAR体験を作り出すことができる高度なツールとして、いずれ一般公開されると考えられます。
今後、今までにないARを活用したゲームやサービス、エンターテインメント、アート、ARを組み合わせたテクノロジーが作り出されるでしょう。