書籍名「実践!プロジェクト管理入門」 ch8
著者:梅田 弘之
翔泳社
章ごとに分割して投稿します
読もうと思った動機
最近、CMMについて触れる機会があったため。
印象に残った部分
p126 なぜ失敗は繰り返されるのか
システム開発の要因は、プログラム作成だけではなく、ネットワークやミドルウェア、セキュリティバックアップ、ハードウェア、開発言語といった異なるベンダ製品を組み合わせて
システムを構築するための幅広い知識と経験が必要とされるからだ。
もうひとつの要因は、開発期間やシステムの使いやすさ、デザイン性などのユーザ要求が従来とは比較にならないくらい複雑になっている。
p130-131 PMBOKだけでは意味がない
PMBOKはあくまで一般のプロジェクトを管理するのに必要な知識レベルを体系化したガイドに過ぎず、それをシステム開発プロセス向けに解釈して注目するのはあくまでも自分たちなのだ。
大切なのは、PMBOKを参考にしたうえで、自分たちなりのプロジェクト管理手法を作成し、それを実践することである。
p131 CMMも知っておこう
最近では、PMBOKと並んでCMM(Capacibility Maturity Model)というプロジェクトを改善する手法。CMMは企業単位の開発プロセス改善を目指すものである。
CMMを導入する目的は、「開発委託選定のための評価基準」、「自社のプロセス改善」の2つである
習熟度レベルは以下の通り。
成熟度レベル | 概要 |
---|---|
1.初期段階 | 基本的なプロジェクト管理もできていない。作業のやり方が場当たり的で、雑然としている。 |
2.再現可能段階 | 基本的なプロジェクト管理が実現可能、 スケジュール、コスト機能の面では初歩的な管理プロセスを確立している。同じような仕事を反復して成功することができるレベル |
3.定義段階 | 組織的なプロジェクト管理が行なわれている。プロジェクト管理における管理プロセスと開発プロセスが文書で定義され、全プロジェクトtでそれを遵守している。 |
4.管理段階 | プロセスやプロダクトが定量的に管理されている。開発プロダクトの品質データを数値化し、データに基づいたプロセスの管理を遂行している。 |
5.最適化段階 | プロセス改善に全員が積極的に参加している。改善活動が日常化していて、継続的に改善が図られている。 |
p136 プロジェクト管理を強化するアプローチ
STEP1 プロジェクト管理項目を体系的に整理、理解する。(PMBOKなどを理解)
STEP2 自社の状況に合わせた管理手法として具体化する。(CMMのレベル2,レベル3に相当)
STEP3 手法をオーソライズし、メンバーに実施を義務付ける
STEP4 管理の実行を監視、管理し遂行を徹底する。
STEP5 結果を評価し、管理手法の不備を改善して次につなげる(同レベル5)
p136
STEP2で重要なのは「ドキュメントベース」ということだ。すなわち、手法自体を明文化することもさることながら、PMBOKプロセスの「出力」に相当する
成果物を具体的なテンプレートとして使用できる。
具体的な取り組む方は各社各様だと思うが、最初から完全を目指さないことが肝心である。PMBOKに書かれているといって、それを全て取り入れたのでは、
プロジェクトメンバーがついてきてくれないだろう。
p143 できるところから実践すること
トップやラインマネージャの理解が無いような場合には、せっかくの知識や工夫が絵に描いた餅になりかねない。実は組織がプロジェクト管理力をつける腕難しい点はここなのである。しかし、そんなときでも諦めるのではなく、できる範囲からやればいいのである。
自プロジェクトだけでも実践すれば、それでも十分効果はあるし、効果があれば、やがて部門全体へと波及していくものとして考えることにしよう。
実践できること or 感想
感想
・CMMは会社の力量を図る指標の一つになると思いました。
・どこでも働けて、成果をだせるITエンジニア(プログラマであれ、インフラであれ)になるには、ある程度、PMBOKとCMMを実践できる必要が有ると感じた。
ITエンジニアは一つの会社の在籍期間が短くなる傾向にあるので、転職するたびに会社、会社の上司を期待するのは運頼みで危険だと思います。自分自身でできれば運頼みにしなくて済みます。
・10年後も十分使える分野だと思うので、習得すると無駄にならないと思いました。
実践できること
・p136 プロジェクト管理を強化するアプローチを実践する
個人開発で試せるところを試す。
・CMMの入門書を買って読む
「はじめての開発のためのCMMIとプロセス改善」