Automation Anywhere Enterpriseはクライアント/サーバー型のシステムであるため、クライアント側のソフトウェアバージョンとサーバー側のソフトウェアバージョンの整合性を意識する必要があります。通常はクライアント/サーバー側に同じバージョン番号を入れておけば間違えはないですが、場合によってはどちらかのバージョンだけ変える必要が出てくる場合があります。
また、同時に気になるのが、現在のインストールイメージに対して一度アンインストールをする必要があるのか、新しいバージョンのインストーラをそのまま実行してアップグレードすればよいのかです。
この辺の情報は公式ドキュメントに記載があります。以下は日本語版のドキュメントへのURLですが、英語版では結構内容がアップデートされているので、日本語版を読みながら、英語と比較することをお勧めします。
公式ドキュメントの関連ページ (主要なものを抜粋)
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バージョン番号の意味
公式ドキュメントによると、v11 におけるバージョン番号の各数字の意味は以下の通りとなっています。
新機能、変更された機能、修正された機能、セキュリティ上の修正、廃止予定の機能はどの大きさのリリースでも存在するようですが、パッチリリースかそうでないかで、どの種類の変更が多いかが異なるようです。(いままでのリリースノートの履歴より)
- メジャーバージョン (リリース) / マイナーバージョン (リリース): 新機能が多くリリースされ、変更された機能、修正された機能なども数多く存在しています。
- パッチバージョン (リリース): 新機能、変更された機能、廃止予定の機能は最小限に抑えられ、修正された機能、セキュリティ上の修正が中心のようです。
アップグレード方法
メジャーバージョン/マイナーバージョンのリリースに対しては、フルサイズのセットアップ (exeの中にmsiファイルが入っている) が提供されます。それに対してパッチリリースについてはパッチファイル (exeの中にmspファイルが入っている)が提供されます。
それぞれ、v11.xからのアップグレードであれば、前のバージョンをアンインストールしなくてもインストーラを実行することで自動的に必要な処理 (前のバージョンのファイルを一旦消すなど) をしてくれるようです。
パッチリリースは、対応するメジャー/マイナーリリースがすでにインストールされている場合にしか使えません。(例: 11.3.3.1のパッチは11.3.3には当てられますが、11.3.2には当てられません)
サーバーとクライアントのバージョン対応表
公式ドキュメントにバージョン対応表があります (日本語版は古いので英語版の記載も足したものを下の図にしました)。基本的には、クライアント/サーバーのバージョンが同じであれば問題ありません (黄緑)。また、メジャーバージョンが同じであれば、クライアント側が古い分には問題ないようです(ブルー)。一部のバージョンでは、クライアント側が新しいケースでもサポートされています (深緑)。
赤については、日本語版では "Y" となっていましたが、最新の英語版では "N" になっていました。
今回試したアップグレードパス
今回はクライアント/サーバーとも11.3.2.1が入っていました。クライアントだけ11.3.3にアップグレードして11.3.3.1のパッチを適用しました。サーバーは11.3.2.1のままです。今回の場合は、上の対応表上、深緑の、クライアントバージョンが先行することが認められているケースに当たるため、きちんと動作します。
バージョン番号は以下で確認できます。