はじめに
AIコーディング支援ツールの導入を検討しているものの、
- 「種類が多すぎて、どれが自分に合っているのか分からない」
- 「セキュリティが心配なので、ローカルで完結するツールが欲しい」
- 「コーディング補完だけでなく、もっと複雑な作業を自動化したい」
といった悩みをお持ちではないでしょうか。
この記事では、システム開発に利用可能なAIコーディング支援ツールを中心に、開発者に広く使われている主要なクラウドベースのツールも含め、2025年7月時点の最新情報をもとに25個のツールを比較・解説します。
この記事を読むことで、各ツールの特徴と強みを理解し、ご自身の開発スタイルや目的に最適なツールを見つける手助けとなることを目指します。
AI系コーディングツール比較表
以下が、主要なAIツールの比較表です。
ツール名 | 主な特徴 | GitHub URL/公式URL |
---|---|---|
Continue.dev | 複数AIモデル対応、プロジェクト全体コンテキスト認識、ローカルモデル利用可 | GitHub |
OpenHands | 自律的タスク実行、ターミナル/エディタ統合、拡張性高い | GitHub |
AutoCode | テンプレートベースのボイラープレート生成、主要言語サポート | GitHub |
TabbyML | 軽量設計、完全ローカル処理、VS Code/JetBrains対応 | GitHub |
LAgent | マルチステップ自律タスク処理、外部ツール連携、操作記憶による改善学習 | GitHub |
Smol Developer | 極軽量かつ高速起動、シンプルUI、基本プロジェクト構造の自動生成 | GitHub |
Devika | 多機能アシスタント、会話コンテキスト理解、ユーザーパターン学習 | GitHub |
GPT Researcher | 自動技術リサーチと情報整理、情報源信頼性評価、調査レポート生成 | GitHub |
Kilo Code | 大規模コードベース分析、依存関係可視化、コード構造理解支援 | GitHub |
LangGraph | 視覚的ワークフロー設計、再利用可能モジュール設計、複雑状態管理 | GitHub |
Aider | CLIベースAIペアプログラマー、複数ファイル同時編集、ローカル実行可 | GitHub |
Cody (Sourcegraph) | 高度なコード検索・補完、IDE統合、プライバシー重視、エンタープライズ向け | GitHub |
Zed | Rust製高速エディタ、リアルタイムAI補完、マルチプレイヤー機能 | GitHub |
Void | ミニマルUI、軽量設計、文脈に応じた補完 | GitHub |
Codeium | 70+言語対応AI補完、IDE統合、無料プラン有、自己ホスト可 | GitHub |
AIXcoder | AIコード補完、リアルタイム解析、ローカル/クラウド両対応 | GitHub |
RooCode | コード補助、VS Code拡張、コード品質向上の支援 | GitHub |
Polycoder | 12言語対応の大規模オープンソースLLM、C言語生成に強み | GitHub |
OpenManus | クラウドLinux仮想環境で自律実行、複数AIモデル切替、設計〜実装〜テスト〜デプロイまで自動化 | GitHub |
AWS Kiro | 仕様駆動開発、自然言語からコード生成、AWSサービス統合、VS Code拡張 | 公式 |
GitHub Copilot | IDE/エディタ統合、リアルタイム補完、チャット機能、PR要約 | GitHub |
Gemini CLI (CLI利用) | Google製モデルへのCLIアクセス、スクリプト連携、gcloud統合 | 公式 |
Claude Code (CLI利用) | 長文コンテキスト理解、対話形式でのコーディング、CLIでの利用 | 公式 |
OpenAI Codex-1 | コード生成、コードベースに関する質問への回答、簡易的なテスト支援 | 公式 |
OpenAI Codex CLI (CLI利用) | OpenAI Codexをコマンドラインから簡単に利用するためのツール | GitHub |
各ツールの詳細解説
ここでは、比較表で取り上げた各ツールについて、もう少し詳しく解説します。
Continue.dev
IDEに深く統合されるアシスタントで、開いているファイルだけでなくプロジェクト全体の文脈を理解してくれます。ローカルで動作するOllamaやLlamafileなどのモデルも簡単に利用できるため、セキュリティ要件が厳しいプロジェクトや、特定のモデルを試したい場合に最適です。日常のコーディング作業全般を効率化してくれます。
OpenHands
単なるコード補完ツールではなく、自律型のAIエージェントです。ターミナル操作、ファイルの編集、ブラウザでの情報収集などを組み合わせ、複雑なタスク(例:「このライブラリを最新版に更新し、関連するテストを修正して実行せよ」)を自動で実行します。定型的ながらも複雑な開発ワークフローの自動化に向いています。
AutoCode
定型的なコード、いわゆるボイラープレートの生成に特化しています。例えば、新しいAPIエンドポイントのCRUD処理や、プロジェクトの初期設定ファイル群などをテンプレートから一瞬で作成できます。反復作業を徹底的に減らしたい開発者におすすめです。
TabbyML
プライバシーを最優先に考える開発者向けのツールです。すべての処理がローカルで完結するため、コードが外部に送信される心配がありません。軽量な設計で、スペックが高くないPCでも軽快に動作するのが魅力。オフライン環境での開発や、機密情報を扱うプロジェクトで活躍します。
LAgent
複数のツールやAPIを連携させ、より高度なタスクを実行するためのフレームワークです。例えば、「GitHubのIssueを読み込み、関連ファイルを修正し、テストを実行してプルリクエストを作成する」といった一連の操作を自動化できます。単機能のツールを組み合わせた独自の開発エージェントを作りたい場合に適しています。
Smol Developer
「小さく、シンプルに」をコンセプトにしたツールです。詳細な指示は不要で、簡単なプロンプトを与えるだけで、アプリケーションの基本的な構造とコードを素早く生成します。アイデアをすぐに形にしたい個人開発者や、ハッカソンでの迅速なプロトタイピングに最適です。
Devika
コーディングだけでなく、開発プロセス全体を支援する包括的なアシスタントを目指しています。ユーザーとの対話の文脈を理解し、新しい技術の学習方法を提案したり、複雑なバグのデバッグを手伝ったりと、まるで人間のメンターのように振る舞います。
GPT Researcher
開発を始める前の技術調査フェーズに特化したエージェントです。調査したいテーマを投げると、ウェブ上の情報を自律的に収集・分析し、信頼性の高い情報源を引用した上で、構造化されたレポートを生成してくれます。技術選定や市場調査の時間を大幅に短縮できます。
Kilo Code
大規模で複雑なレガシーコードベースの解析に強みを持ちます。コードの依存関係を可視化したり、リファクタリングの候補を提案したりすることで、巨大なプロジェクトの全体像を把握し、改善していくための大きな助けとなります。
LangGraph
LangChainのチームが開発した、AIエージェントを構築するためのライブラリです。ノード(処理単位)とエッジ(処理の流れ)を組み合わせることで、状態を持つ複雑なAIワークフローをグラフとして視覚的に設計できます。独自の高度なAIアプリケーションを開発したい上級者向けのツールです。
Aider
ターミナル上で対話しながらコーディングを進める「AIペアプログラマー」です。CLI操作に慣れ親しんだ開発者にとって、IDEを離れることなく、複数のファイルを横断した編集やリファクタリングを自然言語で指示できるのは大きな利点です。
Cody (Sourcegraph)
エンタープライズ向けに設計されており、Sourcegraphの強力なコード検索エンジンをバックエンドに持ちます。数十万、数百万行に及ぶ巨大なコードベースでも、文脈を正確に理解した高度なコード補完や検索を実現します。
Zed
パフォーマンスを追求してRustで開発された超高速なコードエディタです。リアルタイムでの共同編集機能をネイティブでサポートしており、AIによる補完機能も統合されています。ペアプログラミングやチームでの開発効率を極限まで高めたい場合におすすめです。
Void
「集中」をテーマにしたミニマルなUIが特徴のエディタです。スマートな文脈予測に基づいた控えめなAIアシスト機能により、開発者の思考を妨げることなく、コーディングの品質向上をサポートします。
Codeium
70以上の言語に対応する汎用性の高いAIコード補完ツールです。寛大な無料プランと、必要であれば自社サーバーでホストできる柔軟性を両立しており、個人開発者から企業まで幅広い層に支持されています。
AIXcoder
比較的古くから存在するツールで、ローカルとクラウドの両方に対応しています。単なる補完だけでなく、コードのリアルタイム解析による品質チェック機能も備えており、チーム全体のコード品質を底上げしたい場合に有効です。
RooCode
コードの品質改善に特化したVS Code拡張機能です。バグの可能性がある箇所を自動で検出し修正案を提示する「自動デバッグ」や、より効率的で読みやすいコードへの書き換えを提案する「リファクタリング支援」など、既存コードのメンテナンスや改善作業を強力にサポートします。ゼロからコードを書くよりも、今あるコードを良くしていく場面で特に活躍します。
Polycoder
オープンソースの大規模言語モデル(LLM)そのものであり、特にC言語などの生成に強みを持つ研究プロジェクトです。これを基盤として新しいAIツールを開発するなど、研究用途や学術的な利用に適しています。
OpenManus
自然言語で指示するだけで、設計から実装、テスト、デプロイまでを全自動で行うことを目指す自律型エージェントです。クラウド上の仮想環境で動作し、複数のAIモデルを適材適所で切り替えながらタスクを遂行します。
AWS Kiro
AWS上でのアプリケーション開発に特化したツールです。自然言語で書かれた「仕様」を基に、Amazon Bedrockを利用してAWSの各種サービスと連携するコードを生成します。AWS環境での開発をメインで行う開発者にとって、強力な味方となります。
GitHub Copilot
AIペアプログラマーの代名詞的存在です。IDEやエディタに深く統合され、リアルタイムのコード補完から、チャット形式での質問、デバッグ支援、プルリクエストの要約まで、開発のあらゆる場面をサポートします。OpenAIの強力なモデルをバックエンドに持ち、個人からエンタープライズまで幅広く利用されています。
Gemini CLI (CLI利用)
Googleが提供するGeminiモデルをコマンドラインから直接利用するためのツールです。
Claude Code (CLI利用)
AnthropicのClaudeモデルが持つ、非常に長い文脈(コンテキスト)を理解する能力をコーディングに活かす利用形態です。特定のツール名ではありませんが、CLIツールと組み合わせて、大規模なコードベースの理解や、詳細な仕様書に基づいた複雑なコード生成・リファクタリングに強みを発揮します。
OpenAI Codex-1
機能の開発、コードベースに関する質問への回答、テストの実行、レビューのためのプルリクエストの提案など、多くのタスクを並行して実行します。各タスクは、リポジトリが事前にロードされた専用の安全なクラウドサンドボックス内で実行されます。
OpenAI Codex CLI (CLI利用)
OpenAIが提供するCodexをコマンドラインから直接利用するためのツールです。
まとめとツールの選び方
本記事で紹介したツールから、最近のAI開発支援におけるいくつかのトレンドが見えてきます。
- 自律型エージェントの台頭: OpenHands や OpenManus のように、複雑なタスクを自律的に実行するエージェントが増えています。
- ローカル・オフライン志向: Continue.dev や TabbyML、Aider など、プライバシーやセキュリティを重視し、ローカル環境で完結するツールが根強い人気を誇ります。
- 特定領域への特化: GPT Researcher(調査)、LangGraph(ワークフロー構築)、RooCode(デバッグ・リファクタリング)、AWS Kiro(AWS開発)のように、特定の用途に特化したツールも多く登場しています。
最終的にどのツールを選ぶべきか、目的別にいくつか例を挙げてみます。
- 日々のコーディングを快適にしたい → GitHub Copilot, Continue.dev, Codeium
- 既存のコードを改善・デバッグしたい → RooCode, Aider
- ターミナルでの作業が中心 → Aider, Gemini CLI, Claude Code (CLI利用)
- 複雑な作業やプロジェクト全体を自動化したい → OpenHands, OpenManus
- AWSを使った開発を効率化したい → AWS Kiro
おわりに
AI開発ツールの世界は日進月歩です。この記事の情報もすぐに古くなってしまうかもしれませんが、ツール選定の一助となれば幸いです。
気になるツールがあれば、ぜひ公式のGitHubリポジトリをチェックして、ご自身で最新の情報を確認してみてください!
補記
この記事の表や要約なども、AIによって生成しました。
誤記等があれば、ご指摘ください