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Webサービスをアプリ化しない理由

Last updated at Posted at 2020-10-10

Webサービスをアプリ化しない理由について

かれこれ10年近くWebサービスを個人開発してきていまして、Webサービスって、そこそこ利用されはじめると、悩みますよね。アプリ化について。

そろそろアプリ化したほうがいいんじゃない?と。うちもいよいよじゃない…と。

そんな感じで考えることも多かったのですが、昨今のアプリ業界の動向、WebサービスのSEO(集客施策)においては、「安易なアプリ化」はプラスよりもマイナスが多いよね。と、結局なりまして。

せっかくなので、なぜそう考えるに至ったのかを共有してみます。

誰向けの記事なのか

対象となるのはこのような人達を想定しています

  • Webサービスを運営していている人
  • アプリ化は必須だと思っている人

安易にアプリ化しないほうがいい理由について

WebサービスのSEO、アプリ業界の動向の2つの視点から説明したいと思います。

WebサービスのSEOへの悪影響

インターネットでサービスを提供する以上、どのように集客するのかを無視することはできません。

ソーシャル経由だけでもビジネスは展開できますが、よりスケールさせたい場合、検索エンジン(Google)への施策は必須になります。潜在顧客の開拓とか。

いわゆるSEOなんですが、業界的に嫌われているイメージもありますけれど、(わたしが言いたいのはGoogleをハックする的な小手先の技術ではなく、もっと全体の最適化のはなしです。)このSEOはアプリ化と相性が悪いんですよね。

Googleがなにを評価しているのかは非公表ですが、サイト内でのユーザーの行動、被リンクやソーシャルシグナルなども重要な指標であると専門家にも分析されています。わたしも実感として同じように感じます。

ところが、Webサービスをアプリ化することで、Googleはアプリ内での行動を把握できなくなりますし、今まで評価されていた重要な情報がGoogleに伝わらなくなる可能性もでてきます。

いろいろ考えている時期に、SEOの専門家がピンポイントの記事を書いてくれて、モヤモヤしていた部分が腑に落ちました。
https://webtan.impress.co.jp/e/2020/08/25/36969

昨今のGoogleは、もはや技術者じゃないときちらんと対応できないところも多いのですが、そもそもGoogleがどうやって情報を得ているのか、Googleができないことはなんなのか?などWebサービス運用者にとって最低限知っておかなければいけないことも増えてきています。

あらたな集客チャネルとしてアプリ化を進めたのにもかかわらず、検索エンジンの評価が下がって集客力を失っては、そもそもなんのための施策なのかわからなくなります。

わたしが運営している名付けポンというWebサービスでは、多い時期で月間700万PVほどが検索エンジンからあったため、SEOへの懸念は無視できませんでした。

SEOの悪影響があるかも?、というのが1つめの理由です。

アプリ業界の動向

アプリの開発者ではないため詳しくはないのですが、アプリ利用率とプラットフォームの台頭について、ちょっと気になっています。

昨今のアプリ利用率について

ユーザーのアプリ利用の実態をまとめた「App Ape モバイルマーケット白書 2019」によると、日本のスマホユーザーが所持するスマホアプリは約82個、利用するアプリ数は25個というデータが発表されています。

3分の2のアプリは使われていないということです。
https://lab.appa.pe/2019-08/app-ape-mobile-market-white-paper.html

利用されているアプリは約30%ですが、このなかにはLINE、Instagram、Twitterなどそうそうたるサービスが一定枠をおさえている状況を考えると、自社のサービスがこれらに加われるのかを冷静に評価する必要があります。

スーパーアプリとミニアプリの台頭

アプリ市場の最先端を走る中国では、2016年後半から、スーパーアプリという新しいアプリプラットフォームが誕生しています。

スーパーアプリとは、すでに大ヒットしているアプリがプラットフォームとなり、外部のアプリを提供する仕組みです。

わかりやすくいえば、LINEの1機能としてアプリを開発ができ、LINEの機能として提供することができます。この場合LINEがスーパーアプリ、LINE用に開発されたのがミニアプリ(ミニプログラム)となります。

LINEミニアプリはすでに提供がはじまっています。)

メリットは、すでにLINEを利用していれば、インストール不要ですし、開発したアプリを使ってもらいやすく、逆に削除されにくくなります。

WeChatがスーパアプリのはしりと言われていますが、そのWeChatの利用経路は約70%以上がミニアプリ経由によるものという調査データもあり、スーパーアプリ導入のメリットは認知されています。

こちらが詳しいです。

WeCha以外にも、アリババ、百度、バイトダンス(TikTok)もスーパーアプリを導入していますので、日本のアプリ市場への影響もあるでしょう。

どのプラットフォームで開発するべきなのか?も、今後考えなくてはならない状況になりそうだということですね。

単純な興味もありますけれど、プラットフォームとの相性など考えることも増えますね。

既存プラットフォームであるAppleやGoogleもこのまま黙ってはいないと思いますがどうなるんでしょうか。

ということで、アプリで戦えるのか?というのが2つめです。

アプリでしかできないことがあるのか?

SEOとアプリ市場の動向でつらつら書いてきましたが、一番重要なのは、アプリでしか実現できないことがあるのかどうかだと思っています。

「Webがメイン」で「アプリはおまけ程度」なら工数含めてマイナスが多いかなと。

アプリでしか提供できないものがあり、それが「ユーザーにとって価値(なくてはならない機能)になるのかどうか」だけで判断すると、すんなり納得できるというか、なんとなく客観的にみれたりしました。

それでもなおアプリ化必須だとなれば踏み切るタイミングなのかなと。

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