1. はじめに
2024年2月より、クロス・リージョンDR(AuDG/バックアップ・ベース)のオプションとして、自動バックアップのピア・リージョン(スタンバイ)へのレプリケーションが選択できるようになりました。この機能により、スイッチ・オーバー/フェイル・オーバーを実行した後も直近最大7日間の範囲でバックアップの利用が可能になります。
また、上記の可用性オプションを加えたAutonomous Databaseで構成可能な各種可用性ソリューションについて整理しています。
2. クロス・リージョンDRのピア・リージョンへの自動バックアップのレプリケーション
クロス・リージョンDRのピア・リージョンへの自動バックアップのレプリケーションの概要と留意点については以下になります。
• クロス・リージョンDR(AuDG/バックアップ・ベース)のオプションとして選択可能
• 最大7日間の自動バックアップがレプリケートされる
• レプリケートされたバックアップ・サイズの2倍のバックアップ・ストレージの追加コストが発生する
• ピア・リージョン(スタンバイ)でレプリケートされた自動バックアップからのクローン作成は可
• レプリケーションの有効化/無効化の切り替えは可
レプリケートされたバックアップ・サイズの2倍のバックアップ・ストレージの追加コストが発生しますので留意が必要ですが、一方で有事の際にリモートリージョン側で過去データの復旧が必要となるケースには有用なソリューションになるかと思います。
3. 可用性構成の基本的な考え方
まず、可用性構成を検討する際の基本的な考え方として、システムに求められる可用性要件(RPO/RTO, コストなど)によって採用するソリューションの選択が変わってくると思います。
障害発生時にどの時点までデータを戻したいのか(RPO)、障害発生からシステムが稼働までの時間をどの程度に設定するか(RTO)によって必要となる対策コストも変わってきます。
また、システムをどのような障害から保護したいかによっても必要となる可用性ソリューションが変わってきます。
3. Autonomous Database 可用性構成の整理
上述の可用性の取り方についての考慮点を踏まえてAutonomous Databaseにおける可用性ソリューションについて整理しています。
4. まとめ
Autonomous DatabaseにクロスリージョンDRのオプションとして新たに自動バックアップのピア・リージョン(スタンバイ)へのレプリケーションがオプションとして選択できるようになっています。
また、可用性・データ保護対策として、RPO/RTO、コスト、想定される障害等を考慮して可用性ソリューションを準備することが重要になるかと思いますが、その際の対策検討時に上記各種可用性ソリューションの比較情報が参考になれば幸いです。