この記事では、ネットワーク共有フォルダ (\\FileServer\共有\Office
) にあるインストールファイルを使って、初期化済みのWindows PCにOffice 365をオフラインでインストールする方法を説明します。
はじめに
社内ネットワーク環境でのOfficeインストールでは、インターネット接続に制限がある場合や、複数のPCに同じ設定でインストールする必要がある場合に、共有フォルダを利用したオフラインインストールが効率的です。この手順では、Office展開ツールを使用して必要なファイルをダウンロードし、その後初期化済みのPCにインストールする方法を解説します。
目次
1. ファイルサーバーでのインストールファイルのダウンロード
1-1. ファイルサーバーへの接続
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます
-
\\FileServer\共有
と入力しOKをクリックします - 必要に応じて認証情報を入力します
- 「Office」フォルダに移動します
1-2. コマンドプロンプトを管理者として開く
- スタートメニューを開きます
- 「cmd」または「コマンドプロンプト」と検索します
- 検索結果の「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します
- ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「はい」をクリックします
1-3. Officeフォルダへの移動
コマンドプロンプトで次のコマンドを入力し、Enterキーを押します:
pushd \\FileServer\共有\Office
1-4. ダウンロード用configuration.xmlファイルの作成
- メモ帳などのテキストエディタを開きます
- 以下の内容をコピーしてファイルに貼り付けます:
<Configuration>
<Add OfficeClientEdition="64" Channel="SemiAnnual">
<Product ID="O365ProPlusRetail">
<Language ID="ja-jp" />
<ExcludeApp ID="Access" />
<ExcludeApp ID="Publisher" />
</Product>
</Add>
<Display Level="None" AcceptEULA="TRUE" />
</Configuration>
XMLファイルの説明:
-
OfficeClientEdition="64"
: 64ビット版Officeをインストール -
Channel="SemiAnnual"
: 半期エンタープライズチャネルを使用 -
Product ID="O365ProPlusRetail"
: どの Office 365 の製品をダウンロードするかを設定します。これは組織の契約によって変わります -
Language ID="ja-jp"
: 日本語版をインストール -
ExcludeApp
: AccessとPublisherをインストールから除外
- ファイルを「configuration_download.xml」という名前で
\\FileServer\共有\Office
に保存します
1-5. インストールファイルのダウンロード
コマンドプロンプトで次のコマンドを入力し、Enterキーを押します:
setup.exe /download configuration_download.xml
注意: このプロセスが完了するまでに時間がかかることがあります。コマンドプロンプトの画面を閉じずに待ちましょう。インターネット接続速度によっては数十分かかる場合もあります。
1-6. ダウンロード完了の確認
- ダウンロードが完了したら、
\\FileServer\共有\Office
フォルダ内に「Office」というフォルダが作成されていることを確認します - このフォルダには、インストールに必要なすべてのファイルが含まれています
2. 初期化PCのインストール準備
2-1. インストールファイルのコピー
- エクスプローラーを開き、
\\FileServer\共有\Office
に移動します -
setup.exe
を右クリックし、「コピー」を選択します - デスクトップ上に「OfficeInstall」という名前の新しいフォルダを作成します
- 作成したフォルダに移動し、右クリックして「貼り付け」を選択します
2-2. 設定ファイルのコピー
- 同様に
\\FileServer\共有\Office
からconfiguration.xml
をコピーします- もし既存のファイルがない場合は、前述の手順1-4のXMLコードを使用して新しいファイルを作成してください
- デスクトップの「OfficeInstall」フォルダに貼り付けます
2-3. 設定ファイルの編集
- デスクトップの「OfficeInstall」フォルダ内の「configuration.xml」を右クリックし、「編集」を選択します
- 以下のように
<Add>
タグにSourcePath
属性を追加します:
<Configuration>
<Add SourcePath="\\FileServer\共有\Office\Office" OfficeClientEdition="64" Channel="SemiAnnual">
<Product ID="O365ProPlusRetail">
<Language ID="ja-jp" />
<ExcludeApp ID="Access" />
<ExcludeApp ID="Publisher" />
</Product>
</Add>
<Display Level="None" AcceptEULA="TRUE" />
</Configuration>
重要:
SourcePath="\\FileServer\共有\Office\Office"
がネットワーク上のインストールファイルの場所を指定しています。環境によって異なる場合は適切なパスに修正してください。
- ファイルを保存します(Ctrl+Sキーを押すか、「ファイル」→「保存」を選択)
3. 初期化PCでのOfficeのインストール実行
3-1. コマンドプロンプトを管理者として開く
- スタートメニューを開きます
- 「cmd」または「コマンドプロンプト」と検索します
- 検索結果の「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します
- ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「はい」をクリックします
3-2. インストールフォルダへの移動
コマンドプロンプトで次のコマンドを入力し、Enterキーを押します:
cd %USERPROFILE%\Desktop\OfficeInstall
3-3. インストールの実行
コマンドプロンプトで次のコマンドを入力し、Enterキーを押します:
setup.exe /configure configuration.xml
注意: このプロセスが完了するまでにしばらく時間がかかります。コマンドプロンプトの画面を閉じずに待ちましょう。通常は5〜15分程度で完了します。
3-4. インストール完了の確認
- インストールが完了したら、スタートメニューを開きます
- 「Word」または「Excel」などのOfficeアプリケーションを検索します
- アプリケーションをクリックして起動します
- 初回起動時にはライセンス認証が必要な場合があります。その場合は、職場または学校のアカウントでサインインしてください
4. トラブルシューティング
インストールに失敗する場合
- ネットワーク共有フォルダへのアクセス権があることを確認してください
- configuration.xmlファイル内のパスが正しいことを確認してください
- Windows PCが最新の状態になっていることを確認してください
- 一時的なファイルやキャッシュをクリアするために、PCを再起動してから再試行してください
ライセンス認証の問題
- インターネット接続が利用可能な環境で初回起動を行ってください
- 組織のアカウント情報が正しいことを確認してください
- IT管理者に問い合わせて、ライセンスが正しく割り当てられていることを確認してください
注意事項: この記事の設定は一例です。実際の環境に合わせて、設定ファイルの内容や手順を適宜調整してください。