この記事は?
Software Design 2019 年 5 月号 の TCP/IP 特集で、Wi-Fi の周波数帯について説明があったのでまとめた。
TL;DL
- 5GHz 帯は 2.4GHz 帯と比べて高速で、家電や Blootooth 対応製品の電波とも干渉しない。
- しかし 5GHz 帯のチャネルによっては、気象レーダーや航空レーダーと干渉する。
- 5GHz 帯の中でもそれらのレーダーと干渉しない W52 チャネルを使用するとよい。
- ただし、他の無線 LAN 機器も W52 を優先して使おうとして混線するかもしれない。
Wi-Fi 規格と周波数帯について
Wi-Fi 規格 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|
IEEE 802.11a | 54Mbps | 5GHz |
IEEE 802.11b | 11Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11g | 54Mbps | 2.4GHz |
IEEE 802.11n | 300Mbps | 2.4GHz/5GHz |
IEEE 802.11ac | 6.9Gbps | 5GHz |
5GHz 帯と 2.4GHz 帯の違いについて
周波数帯 | メリット | デメリット |
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5GHz (高周波数) |
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2.4GHz (低周波数) |
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DFS について
5GHz 帯はさらに 3 つのチャネルに分けられる。
周波数帯 | チャネル | 同じ周波数帯の電波 |
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5,180〜5,240GHz | W52 | |
5,260〜5,320GHz | W53 |
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5,500〜5,700GHz | W56 |
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- W53, W56 は他のレーダーとの共存のために DFS (Dynamic Frequency Selection) の実装が義務付けられている。
- アクセスポイントがチャネルを使用する前に 60 秒間レーダーの存在を確認する。
- レーダが検出されない場合はチャネルの使用を開始する。
- レーダーを検出すると、チャネルを明け渡して他のチャネルを使用する。
- レーダーを検出したチャネルは 30 分間使用できなくなる。
- アクセスポイントがチャネルを使用する前に 60 秒間レーダーの存在を確認する。
- 可能であれば、DFS の不要な W52 を使うとよい。
- ただし、W52 と W53 の屋外利用は法令で禁止されている。