■はじめに
みなさんは人材育成の際、どのように育成しどのように評価されていますか?
人材育成を課題としている企業は多く育成自体も正解が無いため、まさに永遠のテーマと言えなくはない内容ですが、今回はそんな人材育成に取り組むにあたって、今年一年自身がおこなってきた研究結果を共有ができたらと思っています。
※本取り組みはQAでの育成を前提に作成されています
■これまでの育成
これまでは以下のように目標に対して教育を実施してきました。
- 会社の目標基準を参照し自身の目標を設定
- 上長と定期的な振り返りを実施
- 最終的な結果は自己評価→上長と面談の順で実施
上記のように弊社では目標設定を行い、その達成を目指すことで社員の成長を促しています。
この仕組み自体に大きな課題はありませんが、目標設定=成果を出すことに本人の意識が寄ってしまうことがあり、目標設定=自身の成長とは必ずしもならず、実際に成長を実感できてないという実態もありました。
そこで今回は弊社主催の研究会にて、人材育成をテーマに、育成する人材の育成方法に関するフレームワークの作成を検討しました。
■役職を定義
育成をおこなうためには、まずその人材が現状どの位置にいて、次のステップでは何をするべきなのかが不明瞭でした。
そこで、各役職で必要な能力の定義し、必要な要件を洗い出しました。
▼役職定義
役職の定義としては、大まかに何ができる人であるかを表し、この役職の定義をすることで、育成フレームワークに落とし込むことができました。
■育成フレームワークの作成
役職の定義ができたことで、次は実際に育成するために能力の可視化をすることにしました。
検討の結果、下記の育成フレームワークを作成し、フレームワークを使った育成方法を検討することにしました。
▼育成フレームワーク
育成フレームワークは各タスクに対する必要な能力を表しています。
各役職でもそれぞれできる能力の幅があるため、今回レベル1~3までの能力別で作成しました。
このように各能力とレベルに対して、必要な能力がどれであるか確認し、不足している能力を抽出することができます。
■育成方法
育成方法としては今回トライアルで約3か月間で実施しました。
以下の概要で実行することにしました。
▼育成概要
- 教育概要を当人に説明
- 育成フレームワークから現状の立ち位置を本人に共有
- 伸ばすべき課題を共有と合意
- 2週間に1回の割合で振り返りを実施
- 育成シートに2週間の結果と振り返りとネクストアクションを記載
●育成シート
該当の人材が育成シートの課題を振り返りで報告し、課題がある場合は上長からのフィードバックをおこない次のアクションをアドバイスします。
取り組む課題は明確になっているため話す内容も課題にフォーカスでき、育成されている側としては進捗していることや成長が実感できました。
■最後に
今回育成フレームワークを作成し、育成時の能力を明確にしたことで良かった点は、自身に不足している部分が明確になるため、育成される側としては何を頑張れば良いのかが明確になり、自身の成長が実感できる点が良い部分だと思います。
課題としては、これらのフレームワークを作成するには知識や経験が必要であり、作成者のスキルが求められる点があります。
そのため、経験豊富な人材の確保やその人材の時間確保なども検討し導入するのが良いと思います。
少しでも人材育成の参考になれば幸いです。