封筒に直接印刷する
ラベルはたくさんありますし、Publisherにはそのセットがたくさん用意されています。
しかしラベルを貼るのではなく、封筒自体に印刷する方法を取ります。
この方法はズレたり、封筒を印刷機が受け入れなかったりします。速度も遅いです。
一度に大量に印刷するのには向いていないでしょう。
しかしながら指定した順番に住所の入った封筒が並んでいくので、非常に便利です。
差し込み印刷でも良いのですが、住所ごとに封筒のpubファイルを作り、それを呼び出して印刷する方法です。
この方法だとなんの変哲もない普通の茶封筒でもオリジナルな封筒に変えることができます。
もちろんPublisherがないときはWordでもできます。
どこが違うのかというと、印刷の設定が変わらないということです。
プリンターにも簡単設定など、用紙サイズ、用紙の質(普通紙、厚紙、封筒など)、180度逆などを設定し、名前をつけて保存することができます。
すると、Publisherはそのプリンターとプリンターに設定された印刷方法を記憶するため、プリンターを変える、リセットなどしない限りはPublisherを呼び出すだけで用紙の設定が変わります。
Microsoft Publisherは封筒の設定が必要
Wordは若干用意されていますが、なぜかPublisherは日本の封筒のサイズが設定されていません。
このため、用紙サイズを設定します。
角形2号縦(240 * 332 mm)
長形3号縦(120 * 235 mm)
- Publisherを起動します
- 新規作成をクリック
- A4 白紙(縦)を選択
- Publisherの用紙等の指定単位をcmにします。[ファイル]->[オプション]->[詳細]->[表示]->[使用する単位]->[cmセンチメートル]
- ページデザイン サイズ 新しい用紙サイズの作成
- 名前欄に上記の名前を貼り付けます
- レイアウトで用紙1枚につき1ページを選択。ここが封筒ではないというのがポイントです
- ページのサイズに上記のサイズを指定します。cm単位です
- 用紙ガイドを0.5cmにします。してもちょっとズレますが、1cmを超えるのは大きすぎるので。
なお、これらの設定はVBAではできません。
VBAでは現在のDocumentの用紙サイズを設定できますが、余白、用紙サイズの名称までは保存できません。
このような新規設定をするのはVBAでは多くの場合 PageSet.Add のようになるはずですが、このような命令がないのです。
なお、初期値は1.27cm(0.5インチ)というのはMicrosoftが決めています。
ほとんどのプリンターでは、用紙の端から約 0.5 インチ (12.7 mm) までの領域には印刷されません。 使っているプリンターの印刷範囲外の領域は [ファイル] タブの [印刷] で確認できます
用紙設定の標準の余白はこれにより決められていますが、大抵の場合、これよりも小さく5mm程度まではできます。ただし、精度の保証ができないとか、用紙送りで差が生じるとか出てきます。一般的な用紙の場合は上30mm下25mm左右25mmは必要です。一般の用紙まで余白をここまで詰めると、手にとって読みづらいとか、パンチで穴を開けられないとか不都合が生じます。
また、ここで見てもPublisherは印刷機と通信していて、PCで制作できる用紙の大きさの最大サイズは
Publisher の [ユーザー設定のページ サイズ] ダイアログ ボックスについて
封筒 封筒には、このオプションを使用します。
ここで言っている封筒は、いまから3つに折りたたんで封筒を作る場合指しているようです。しかし、封筒に直接印刷するときはあくまで用紙1枚に1ページです。
印刷機の設定
このため、自分が使うプリンターの最大サイズを確認しましょう。たとえばA4までしか印刷できないのであれば、角形2号の用紙サイズの作成まででとめて、この指定を試みるのはやめた方がいいです。
印刷機は概ね封筒のサイズがセットされています。このサイズを選びます。
次に用紙の種類(厚紙または封筒)用紙トレイ(手差し)さらに180度回転して印刷を選びます。
下からではないと蓋が邪魔をするためです。封筒の縦型の場合はつねに上下逆または180度回転で印刷します。
そして、この設定を保存します。
できるのであれば、この設定をExportしておきます。
もっとも原因は不明ですが、Exportしたファイルを読み込まない場合もあります。
Jsonで出力されたものを整形すると拒否されるとか。
エクスポートして、設定を削除してから、同じ設定をインストールしようとすると「すでに同名の設定があります」などというメッセージが出て設定できないなど、色々なことなことがおきます。またエクスポートができないプリンターもあります。
このようなことから、この設定内容はメモ帳等でテキストファイルに、必ず設定名と内容を記録します。
こうしておくと違うメーカーのプリンターに変えても概ね同じ内容にできますし、同じプリンターであれば再現ができます。
Publisherから印刷させて「文書に設定を保存」
封筒をセットしてPublisherから印刷させると出来上がります。
このときファイル->印刷で 「文書に設定を保存」にチェックを入れます。
極端にいうと、印刷しなくてもこのチェックを入れて保存すれば印刷機の設定まで保存されます。
しかし、封筒の設定は、このようなドライバ上の設定だけではありません。
たとえば後ろのレバーを「厚紙」に変更するというものものあります。こうしたハード面の設定がないか、確認はしたほうがいいです。
https://support.brother.co.jp/j/s/support/html/hl3140cw_3170cdw_jp/ug/html/ug_basic/1104.htm
エプソンではアジャストレバーといいます(すべての機種にあるわけではありません)
https://faq2.epson.jp/web/Detail.aspx?id=1051
テンプレートとして保存
これで出来上がったファイルはテンプレートしてOfficeのカスタムテンプレートフォルダに保存します。
ファイル名は長3template.pubのように、テンプレートと用紙サイズがわかるようにしておきます。
また、タグを入れます。封筒;手差し;角2という感じです。
こうするとPublisherを起動すると新規作成時に現れます。
Wordと異なり、Publisherは拡張子はPubで同じです。
このためこのフォルダに入れないとテンプレートして動きません。また意識しないと上書きで保存されます。
マスターページの活用
封筒では送付先は毎回変わりますが、自分の住所は変わりません。このように変わらない部分はCtrl+A(すべて選択)から削除されたり、文字の置換の対象となっては困ります。
このように、宛先の編集などで変わっては困る部分は、マスターページに貼り付けて変更や削除を防ぐと編集が容易になるときがあります。
このような場合はマスターページを使います。
- 自分の住所のテキストボックスを作り、住所を入力し、フォント等を決めます。
- レイアウトからマスタページ、マスターベージの編集 ここでこれから使うのはマスターページ Aだけです。
- 見開きの設定になっていたら解除
- マスターページBがあれば削除し、1枚だけにします。
- 一旦マスターページを閉じて、自分の住所のテキストボックスを選択し(複数可能)コピーします
- 画像やロゴがあれば、それもコピーします。
- 次にマスターページを開いて「貼り付け」を行います
- マスターページを閉じます
- これで自分の住所はマスターページを開かないと編集できなくなります。
なにを言っているのか全くわかりませんが、上記のようなケースで使います。
強いて言うなら、ヘッダー、フッターの1ページ版です。
ただしマスターページは適用しないことができる、というのもポイントです。
たとえばマスターページ2枚は表紙と裏表紙にして、あとは普通にドキュメントを作成するといった使い方です。ドキュメントの部分はマスターページを適用しないということです。
2 ページのマスター ページを 1 ページのマスター ページに変更する
2ページある場合、見開きになっているときは設定を変更すると削除できます。
ファイル名
ファイは都道府県ごと、業種ごとなど、一定のグループに分けて保存します。
またファイル名に送付先社名角2自社総務課ロゴあり.pubのように送付先、封筒のサイズ、付記事項.pubのように命名します。
Wordとの違い
Wordは印刷機自体の印刷の設定を記憶していませんが、Publisherは印刷機が変わらない限り、印刷機の種類と「印刷機自体の設定」を記憶しており、必ずそれで印刷を試みます。
システム等の更新時
システム等が更新され、印刷機を変えた場合、印刷機に封筒の設定を行ってから、Publisherのテンプレートを開いて印刷機の設定を行うと移行がスムーズになります。また用紙サイズがない場合には、再び上記の設定を行います。このとき、テンプレートを更新して、以前作ったファイルのデータを手動でコピーします。(ズレないかなど確認が必要でVBAでもできないことはないとは思いますが、危ないです)。要はテンプレート自体が、プリンターの設定まで含んだファイルとなっているわけです。そして、内容をコピーしたあと、コピー元を閉じて、再びそのファイル名で上書き保存します。
横向きに注意
横向きの場合はどちらが上になるかに注意します。またテキストボックスの文字を回転させるかさせないかが注意するところになります。Publisherの封筒とは洋形で裏表を1枚に印刷するという前提のようです。しかし日本はそうではありません。このため、テキストボックスの文字を回転させるか、あるいは縦書きテキストボックスを使うかという問題が生じます。
つぎに、この場合は180度回転させなくてもよい場合もあります。横向きは横向き用にサイズを設定したほうが良いです。
封筒のセットに注意
大抵の場合、封筒は手差しで、しかも1通か最大で10通程度です。
最近は少なくなりましたが、用紙ガイドをきっちり合わせないと、やはりズレます。
封筒自体も曲がりの少ないものがよく、印刷所等で制作された封筒を使い、クズや端切れが出ないものが良いです。そうしないと故障の原因になります。シワがウラによることはよくあります。また、湿度が多いとシワが増えたりします。
手で作る場合は封筒ではなく、封筒になる前の段階で印刷したほうがいいでしょう。(実際にPublisherの設計はそうなっています。