Google Drive連携・音声設定の謎をOpenAI公式回答から読み解く【2025年6月版】
今回はRecord Modeをきっかけとして現時点で収集した情報を提供する
🔷 はじめに
2025年6月、ChatGPTの新機能「Record Mode(議事録モード)」が一部で注目されていた。
- ChatGPT Teamプラン(macOSデスクトップアプリ限定)にて先行実装
- 音声をリアルタイムで録音し、文字起こし・Canvasに保存
しかし、Plusユーザーにとっては「音声記録オプションが表示されるのに使えない」「Google Driveが連携できない」など、構造的な疑問が残っていた。
さらに、「動画記録を含める」という設定オプションの存在から、筆者(Sho)は「将来の議事録モード拡張(ビデオ会議対応)では?」と推測していた。
だが、正解は別のところにあった。
この設定は、ChatGPTのAdvanced Voice Mode(リアルタイムチャットモード)と呼ばれる感情表現・映像連携対応の新モードと密接に関係していたのである。
本記事では、筆者がOpenAIに英語で問い合わせた公式回答と、最新の仕様公開(公式FAQリンク)をもとに、その全容を明らかにする。
設定の謎
Windows PCのアプリを起動する
設定、データコントロール オンの横の矢印をクリック
🔷 問い合わせた内容(英語原文+日本語訳)
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Will Record Mode support exporting or syncing audio/transcripts to Google Drive or Dropbox?
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Will Record Mode be made available to Plus users?
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What does the "Include Audio/Video Recordings" setting actually control?
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Where are audio recordings stored, and are they accessible to users?
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Record ModeはGoogle Driveに保存できるようになるのか?
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Record ModeはPlusユーザーにも展開予定があるのか?
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設定にある「音声記録を含める」は何を意味しているのか?
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音声データの保存場所、ユーザーによる取得・削除は可能か?
🔷 OpenAIからの正式回答(要約)
✅ 1. Google Drive連携について
- 現在は未対応。Google DriveやDropboxとの連携機能は存在しない
- 全(書き起こし)データは「ChatGPT内のCanvas」に保存される
- 将来的な連携については「開発中」との記述ありだが、明確な予定はなし
🗂 ChatGPTはもうGoogle Driveに接続できない?
のあと公式に確認し、Google Driveとの連携はTeamsユーザー以上でPlusユーザーはいきなり締め出したとの回答を得ていたので、このような質問をした。やはり開発中の記述があるので、音声データまで保存できるようになるかは不明だが、書き起こしをGoogle Driveへ保存することはあるだろう。
✅ 2. Plusユーザーへの開放
- 現時点ではTeamプラン限定(macOSデスクトップのみ)
- Plusユーザーへの展開予定は未定。パブリックロードマップも存在しない
- 今後はEnterpriseやEducation向けに展開予定
今回のバージョンアップがGoogleへの対抗を急いでいるというのがよくわかる。つまりOpenAIにとって、Googleの発表内容がいかに衝撃的だったのかが窺えるわけである。
✅ 3. 音声・動画記録設定の意味
「音声記録を含める」「動画記録を含める」は、Record Mode専用ではなく、すべての音声・動画入力に適用される。
デフォルトではOFF(明示的にONにしない限り学習には使われない)。
ONにした場合、OpenAIのモデル学習に利用される可能性がある。
✅ 4. 音声ファイルの保存と取得
- 録音ファイルは文字起こし後、即時削除される
- 保存されるのは文字起こしで(Canvas)の分だけ
- CanvasからはNotionやVS CODEでMarkDownにコピペして保存する、またはPDFでダウンロード
- ユーザーは音声データをダウンロードすることはできない
- 削除はチャット画面からいつでも可能。30日以内に完全消去される
🔷 「動画記録」設定の正体:Advanced Voice Modeのための布石だった
🎤 危うく嘘を流しそうになった
筆者は当初、この「動画記録」オプションをRecord Mode(議事録モード)の拡張機能だと推測した。
ChatGPTも「これは将来Plusユーザーに議事録が作れるようになる布石です」とか言っていたが、しかしGoogle DriveをBanしているのにこの挙動はおかしいのではないかと思い、様子を見るため原稿を書いて一晩おいて、やり直してみたところ、リンクを発見し、PC、スマホで確認ができたという次第である。
これはハルシネーションを押さえてもこれなので、つまりChatGPTにも限界があり、最終的には自分で考えないとムリ、ChatGPTよりも人間の方が上手だったという典型例となった。
✅ 正解:Advanced Voice Mode(リアルタイム会話モード)対応
ChatGPTモバイルアプリで提供中のAdvanced Voice Modeでは、
- 自然な会話(イントネーション・間の再現)
- 最大15分の対話セッション(OpenAIによる説明)
- スマホカメラを用いた映像の共有と会話 が可能である
- ただちょっとハーフっぽいしゃべり方なのはなぜだろう
- どうも英語を翻訳してしゃべってるっぽい
- あと声が低い
このとき映像や音声をAIに見せる=動画入力にあたる。
「動画記録を含める」は、この映像入力をOpenAIのモデル学習に使ってよいか設定するものだった。
🔎 設定リンクとFAQの更新
筆者がChatGPTの設定画面から「動画記録」オプション横のリンクをクリックしたところ、
Voice Mode FAQ に飛び、
**「Updated yesterday(昨日更新)」**と明示されていた。
これはOpenAIが「機能の追加にあわせて静かに文書だけ更新する」タイプの展開をしていることを示す。
本稿の分析も、筆者がこの変更タイミングに気づいたことによって成立している。
🔒 データの保存について
FAQによれば、音声・映像データはセッション終了後に保存されないとされている(明言あり)。
記録されるのはあくまで会話のテキストログであり、音声・動画ファイルそのものは保持されない。
🔷 OpenAIとのやりとりログ
Thanks your quickly reply!
OpenAI Support:
You're very welcome, Sho! If you have any more questions about ChatGPT features, privacy, or anything else related to your Plus plan, just let me know—I'm here to help!
上記の文字起こしモードやデータの保存に関する点等を含め筆者はPlusプランの範囲でこの件について正式な英語問い合わせを行い、24時間以内にOpenAIから直接回答を受領した。
🔷 結論と今後の視点
- 「動画記録」は議事録(Record Mode)とは無関係であり、Advanced Voice Modeのための設定。
- Record Modeは依然として音声→文字起こしのみ(Team限定)であり、Plusユーザーは対象外
- Google Drive連携やダウンロード機能も現時点では提供されていない
- ただし今後、多モーダルなリアルタイム対話AIの拡張と連携が進む中で、再び変化がある可能性はあるだろう