Wordpadの黄金時代
もしあったとすればWindos95である。
そのころのWord95は現在と全く同じで信じがたいほど使いづらく、有料のリッチテキストエディターより無料のワードパッドがマシという認識だった。
しかもワードパッドはRTF形式が扱えるため一太郎等ほかのソフトに変換できる。なのでWordで打ったものをRTFに変換して保存し、一太郎に渡すということも普通にあった。いろいろなワープロのファイル形式の変換ソフトもRTFに変換するものがあった。
しかもいつのまにか消えているが、doc形式も開けた。
なお、現在で英語だと開けるらしい。(ほんと?)
How to Open .Doc in WordPad: Step-by-Step Guide - Solve Your Tech
現在のWindows11のワードパッドでDoc形式を開くと英語だけでも文字化けするが、おそらく内部がUTF-8なっているためだと思われる。いくら英語だけ書いても、他の情報がダブルバイト文字の時があり、無理である。
アンテナハウス リッチテキスト・コンバータ20
2016年12月20日販売を終了いたしました。
しかし、WordというかExcelをワープロとして使う使い方が普及したことで次第に押され始めた。
富士通、親指シフトキーボードやOASYSを販売終了 - PC Watch 2020年5月19日
日本語ワープロのOASYS V10.0は2021年5月に販売終了し、サポート終了時期は2024年5月。日本語入力ソフトの「Japanist 10」は2021年5月に販売終了し、サポート終了時期は2026年6月となる。
サポートも2024年5月終了
興味深いのはワードパッドの削除、つまりリッチテキストエディタの削除とタイミングが合っている点である、
Windows 95で搭載されたワードパッドがWindows 11で削除 - PC Watch 2024年10月3日
というわけでまもなく削除されるワードパッドについてまとめておこうと思う。
公式の機械翻訳が重大な間違いをしていてクソワロタ
だから機械任せはダメなんだ。
Learn Windows 新着情報 Windows クライアントの非推奨機能のリソース | Microsoft Learn 2024/10/02
WordPad WordPad is removed from all editions of Windows starting in Windows 11, version 24H2 and Windows Server 2025. As a result, Windows will no longer have a built-in, default RTF reader. We recommend Microsoft Word for rich text documents like .doc and .rtf and Notepad for plain text documents like .txt. The following binaries will be removed as a result of WordPad removal:Avoid taking a direct dependency on these binaries and Wordpad in your product. Instead, for trying to open a text file, rely on Microsoft Word or Notepad.
- wordpad.exe
- wordpadfilter.dll
- write.exe
ワードパッド ワードパッドは、Windows 11 バージョン 24H2 および Windows Server 2025 以降のすべてのエディションの Windows から削除されます。 その結果、Windows には既定の RTF リーダーが組み込まれています。 .txt などのプレーン テキスト ドキュメントの場合は、.doc や.rtf、メモ帳などのリッチ テキスト ドキュメントには Microsoft Wordをお勧めします。 ワードパッドの削除の結果、次のバイナリが削除されます。
- wordpad.exe
- wordpadfilter.dll
- write.exe
製品でこれらのバイナリとワードパッドに直接依存しないようにします。 代わりに、テキスト ファイルを開こうとする場合は、Microsoft Word またはメモ帳に依存します。
特に間違っているのはここ
WordPad is removed from all editions of Windows starting in Windows 11, version 24H2 and Windows Server 2025. As a result, Windows will no longer have a built-in, default RTF reader.
ワードパッドはWindows11のバージョン24H2及びWindows Server2025において、すべてのウィンドウズのエディションから削除されます。この結果ウィンドウズはもはや標準のリッチテキストリーダーが組み込まれないことになります。
ただでは読めなくなる
推奨するWordはWeb版ではない
ASCII.jp:WindowsからWordPadが廃止! RTF(Rich Text Format)はどうなる?2024/05/05
ちなみに無料で利用できるWord for the Web(Web版Word)には、RTFファイルを編集する機能はない。
セキュリティ
Microsoftがワードパッドの更新を廃止してWindowsから削除すると発表 - GIGAZINE2023年09月04日
ワードパッドはシンプルなテキストエディタのメモ帳とは異なり、フォント変更や太字、斜体、色付き、中央揃えなどの簡単な書式設定が可能です。もともとは3.x/NT 3.x以前のWindowsに収録されていたワープロソフト「Microsoft Write」の後継として開発され、95/NT 4.0以降のWindowsにデフォルトでインストールされています。ただし、ワードパッドは2020年2月にリリースされたWindows 10 Insider Build 19551以降はWindowsのオプション機能とされており、自由にアンインストールできるようになっていました。
Microsoftは、ワードパッドの更新を停止して将来的にWindowsから削除することを決定した理由について明らかにしていません。セキュリティ問題に詳しいニュースサイト・Bleeping Computerは、Windows 10のワードパッドのDLLに関する脆弱(ぜいじゃく)性を利用して、マルウェアのQBotがセキュリティソフトからの検出を回避していたことを指摘しています。
ワードパッドが問題となるのは今に始まったことではないのだが・・・
Windowsにデフォルトでインストールされていたソフトが廃止された例については、過去には「Microsoft ペイント」が2017年のWindows 10 Fall Creators Updateで削除・非推奨となる機能となったことがありました。ただし、Microsoft ペイントが削除されることを悲しむ声が多かったことを受けて、Microsoft Storeから入手できるようにしています。
Bleeping ComputerはワードパッドについてもMicrosoft ペイントと同様に、WindowsにプリインストールされなくなってからもMicrosoft Storeで無償配布される可能性があると述べています。
元の記事は2023/09/01のこちらの記事
Microsoft、28年目にWindowsのワードパッドを廃止へ
しかし、現在のところワードパッドをリリースする情報はない。
小括
ワードパッドの削除の意味は正しくはRTFファイル形式が読めないことを意味している。なお、以下のようにWeb版のWordはRTF形式を読み込めないので単なる手抜きで値上げでしかない。おまけに公式が誤訳で「既定の RTF リーダーが組み込まれています」とは恐れ入る。よくこれで炎上しないものだ。
起動
wirte.exe
細かいところだがソフト名も日本語(カタカナだけど)関連付けファイル
一応Officeをインストールしているのだが.docx
、.odt
、.rtf
の三種類が関連づけられている。
今なら確実にWordpadで出されるだろう。
Windows11の設定ではオプション機能に出てくる
Windows11 設定>アプリ>インストールされているアプリ
この一覧にワードパッドは出ない。
システムの方に切り替えてもワードパッドは出ない。
システム>オプション機能で出現する
この記事を最初書いている段階では不明だったが、Gigazineの記事により「2020年2月にリリースされたWindows 10 Insider Build 19551以降はWindowsのオプション機能」となったことが判明した。
環境
全景
500%から10%の拡大縮小が可能である。
現在はヘルプは公式サイトに飛ぶようになっている
QAT
ファイルメニュー
特にオプションの設定はない。
電子メールの送信は重くて動かないかった。
ページ設定
用紙の選択は豊富で、ユーザー定義サイズもある。
しかし、ユーザー定義サイズを選択してもサイズ指定画面は出なかった。
余白
保存ファイル形式
rtf リッチテキスト形式
docx Office オープン XML ドキュメント
odt OpenDocument テキスト
txt テキストドキュメント
txt テキストドキュメント MS-DOS形式
txt Unicodeテキスト
貼り付け
形式を選択して貼り付け
英語ではPasete Special
しかしその実態はクリップボードの内容を貼り付けるものである。
アンダーライン 取り消し線
テキストの色
その他の色
色の作成
なんとHSLとRGBが表示される。ちょっと便利では?
このようにカラー表示にこだわっているのは当時のワープロに勝つためである。ワープロの最大の弱点はカラーが扱えないことだったためである。
ハイライトマーカー
箇条書き
行間
段落
tab stop
3.22cmのようにセンチメートル単位で小数点2位まで指定できる。
画像の挿入
日付と時刻
オブジェクトの挿入
検索と置換
表示タブ
右端での折り返し(WordRap)
Windowの大きさに合わせて折り返す、そのままにする。ルーラーに合わせるという3つが選択できる。
通常はルーラーに合わせるを選択している。
これはワープロで宿命の「画面からはみ出た部分はどうするのか?」という処理に迷いがあったためである。
実際ワープロではそのまま見切れてしまうが、見切れると困る場合にはウィンドウに合わせるを選択していた。
また、表示と印刷を一致させるかつてはやったWYSIWYGの名残である。
いつまであるかわからないチュートリアル
Windows 7版
Wordpad for Windows 7 Complete Tutorial HD
全32回のチュートリアル2021
WordPad - Tutorial 1 - Interface
タイ語での解説
COPA-Guide | How to use Wordpad Features
ショートカットキーの解説が充実している。しかし形式を選択して貼り付けのCtrl+Alt+Vのように使えないものもあるようだ。
またPaint Drawingといったツールボタンもある。
デザインとしてのワードパッド
Schreib-Apps: Wordpad verschwindet – das sind die besten Alternativen | Tages-Anzeiger
Windows95時代のワードパッドのスクショがこちら。今とずいぶんイメージが違う。
公式
ワードパッドに関するヘルプ - Microsoft サポート
Windows 7 Windows 8.1 Windows 10
ここでは、ワードパッドの使用に役立ついくつかのヒントを示します。
- ファイルを開いて保存するには、[ファイル] を選び、新しいドキュメントを作成するには [新規]、既存のドキュメントを操作するには [開く]、ドキュメントを保存するには [保存] を保存します (ドキュメントに名前がない場合、ワードパッドにより指定するように求められます)。
- ドキュメントの種類を設定して別のアプリを開く方法については、「Windows 10 で既定のプログラムを変更する」を参照してください。
- 追加のヘルプが必要な場合 は、Microsoft コミュニティに問い合わせてください。
ショートカットキー
アプリのキーボード ショートカット - Microsoft サポート
押すキー | 目的 |
---|---|
F3 | [検索] ダイアログ ボックスで入力したテキストの次のインスタンスを検索する |
F12 | ドキュメントを新しいファイルとして保存する |
Ctrl + 1 | 行間を 1 行に設定する |
Ctrl + 2 | 行間を 2 行に設定する |
Ctrl + 5 | 行間を 1.5 行に設定する |
Ctrl + A | すべてを選択 |
Ctrl + B | 選択したテキストを太字にする |
Ctrl + C | 選んだ内容をクリップボードにコピーする |
Ctrl + D | Microsoft ペイントの図形を挿入する |
Ctrl + E | テキストを中央に揃える |
Ctrl + F | ドキュメント内のテキストを検索する |
Ctrl + H | ドキュメント内のテキストを置換する |
Ctrl + I | 選択したテキストを斜体にする |
Ctrl + J | 文字列を両端揃えにする |
Ctrl + L | テキストを左に合わせる |
Ctrl + N | 新しいドキュメントを作成する |
Ctrl + O | 既存のドキュメントを開く |
Ctrl + P | 文書を印刷する |
Ctrl + R | テキストを右に合わせる |
Ctrl + S | ドキュメントの変更を保存する |
Ctrl + U | 選択したテキストに下線を引く |
Ctrl + V | クリップボードの内容をペーストする |
Ctrl + X | 選択範囲を切り取る |
Ctrl + Y | 変更をやり直す |
Ctrl + Z | 変更を元に戻す |
Ctrl + 等号 (=) | 選択したテキストを下付きにする |
Ctrl + Shift + 等号 (=) | 選択したテキストを上付きにする |
Ctrl + Shift + 大なり記号 (>) | フォントのサイズを拡大する |
Ctrl + Shift + 小なり記号 (<) | フォントのサイズを縮小する |
Ctrl + Shift + A | 文字をすべて大文字に変更する |
Ctrl + Shift + L | 箇条書きのスタイルを変更する |
Ctrl + ← | カーソルを左へ 1 単語分移動する |
Ctrl + → | カーソルを右へ 1 単語分移動する |
Ctrl + ↑ | カーソルを上の行へ移動する |
Ctrl + ↓ | カーソルを下の行へ移動する |
Ctrl + Home | ドキュメントの先頭へ移動する |
Ctrl + End | ドキュメントの最後へ移動する |
Ctrl + PageUp | 1 ページ上へ移動する |
Ctrl + PageDown | 1 ページ下へ移動する |
Ctrl + Del | 次の語を削除する |
Alt + F4 | ワードパッドを閉じる |
Shift + F10 | コンテキスト メニューを表示する |
CTRL+Dという一緒にWindows95に入ったペイントの図が貼り付けられるところに同期愛を感じる。
また単語単位の移動、削除があり、
機能としては残る
リッチ テキスト フィールドをCreateまたは削除する - Microsoft サポート
Microsoft Accessの長いテキストフィールドはリッチテキスト形式、HTML形式が使用できる。(画像は貼れない)
RichTextBox.Rtf プロパティ (System.Windows.Forms) | Microsoft Learn
またリッチテキストボックスは使用可能である。
Web版「Excel」がリッチテキストに対応、セルテキストの一部にだけ書式を追加できる - 窓の杜2022年9月1日
ExcelのWeb版は若干対応している。Wordも対応は・・・しないかな。
RTFは青空文庫で使われている
A:Mac 付属の「テキストエディット」では、初期状態で保存できるのが「リッチテキストフォーマット(rtf)」になっています。青空文庫で採用しているのは、「Shift JIS」の「標準テキスト(txt)」ですので、以下の手順に従ってください。
こういう過去のコンテンツが放置される問題が多く発生しており、デジタルの方が長期保存できるのか全く信じがたいことがよくある。せいぜい50年が限界なのではないか。
生き残り策2024/10
生き残り策は編集という選択肢がないので、いろいろ確認してみた。
無理やり保存
Win11 24H2 でもワードパッドは使える・使う方法 | Windows 技!
多言語対応なので、英語と日本語以外のフォルダもまとめて保存したほうがよさそう。
しかしこの方法は更新やバージョンアップごとにやり直すタイプのメンテンナンスがいる
不安定だがWindows95
GitHub - felixrieseberg/windows95: 💩🚀 Windows 95 in Electron. Runs on macOS, Linux, and Windows.
https://youtu.be/ik9v9kn0jvk?si=vCVoUl_zC9nxMSFd&t=302
アドオンで対応
Chormeのアドオンにビューワがある。
RTFビューワ
スマホのアプリ
電子ブック
E-BOOKリーダーE-Ink、6インチスクリーンE-BOOKリーダー16GB 189G重量片手で簡単につかむ家に持ち運びが簡単(黒, 8G)
表示は白黒になるが、E-bookリーダーは読めるようだ。しかし日本語にどの程度対応するかは未知数である。
Schreib-Apps: Wordpad verschwindet – das sind die besten Alternativen | Tages-Anzeiger
ここぞとばかりに大体ツールを紹介している
現在ではワードパッドはHTMLコードを意識させず編集ができるエディタだととらえれば、タグ付きテキストエディタが相当すると言える。
そうするとQuoraとかは代替案となるがやはり有料である。
セキュリティ情報
日付 | タイトル | 備考 |
---|---|---|
2009/04/14 | Microsoft セキュリティ情報 MS09-010 - 重大ワードパッドと Office テキスト コンバーターの脆弱性により、リモートでコードが実行される (960477) | この脆弱性により、ワードパッドまたは Microsoft Office Word で特別に細工されたファイルが開かれた場合に、リモートでコードが実行される可能性があります。 |
2010 年 10 月 12 日 | [MS10-083] Windows シェルおよびワードパッドの COM の検証の脆弱性により、リモートでコードが実行される | |
2011/4/12 | Microsoft セキュリティ情報 MS11-033 - 重要ワードパッド テキスト コンバーターの脆弱性により、リモートでコードが実行される (2485663) | Microsoft WordPad が特別に細工された Word 文書を解析する方法に、リモートでコードが実行される脆弱性が存在します。 |
まとめ
- 歴史をたどればWindows3.1から流れを汲んでいるソフト。
- Windows95からワードパッドの本質はDoc形式とRTF形式を扱える無料の簡易ワープロソフトだった。
- ただのRTFエディタではなく、簡易ワープロソフトであったため、ページレイアウトが可能で、文字色、フォントに強く、画像やファイルの貼り付けもできる強力なエディタである。
- 以前は自慢げに扱われていた時代もあった。>
[ツール バー ボタンのツール ヒントの作成](https://learn.microsoft.com/ja-jp/previous-versions/visualstudio/visual-studio-2010/9kzsw31s(v=vs.100))
ツール ヒントを作成するには
- ツール バー ボタンをクリックします。
- [プロパティ] ウィンドウの [Prompt] フィールドで、ステータス バーのボタンの説明を追加し、メッセージの後に \n およびツール ヒント名を追加します。
- 現在のワードパッドの扱い
Wordで、このドキュメント形式の一部の機能がワードパッドではサポートされていませんと出て、これまでのように表示されず、編集が出来ません
Wordで、「このドキュメント形式の一部の機能がワードパッドではサポートされていません」「一部の内容が適切に表示されない場合があります」と出て、B5で作成していたものがA4で表示され、それを訂正したり、挿入する事も出来ません。上部にこれまでのように表示されていた項目も少なくなっていて、文書のサイズを変更したりなどの編集が出来ない状態です。
- Doc形式はいつの間にか外されていた。
- というかdoc形式を開いたら文字化けするまでに拒絶されていた
- ただなのが嫌われてリストラの憂き目にあうことになった。
- WindowsからRTF形式のビューワーがなくなる。(というか編集もできないんだけど)
- かつてはワープロの標準のデータ形式で、コンバーターが存在していた。(ただしRTFには完全には変換できない)
- RTF形式はHTML形式の一種。
- このため今はワードパッドにはHTMLエディタのような存在意義が発生していた。
- WordのWeb版では現時点では使えないので、RTF形式の編集はカネが必要になった。
- このようにPCでは居場所がなくなったが、多分用紙のサイズが扱える点でHTML形式より優れていることから、スマホの電子メールでは互換データ形式になっているらしい。まあWindowsとは関係がない。
- Wordを使え=金を払え メモ帳を使え=RTFが読めない 代替案になっていない。
- Windowsにワードパッドがあることは割と多方面で前提になっているのでこの影響はマイクロソフトが考えるより大きいかもしれない。