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円グラフの弱点と代替チャートの提案

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円グラフは、割合を表現するチャートとして使われます。
スタンダートなチャートとして棒グラフや線グラフなどと同様によく使われますが、
実は円グラフはよく使われるチャートの中では表現できることが少なく とても不便 です。

円グラフイメージ01.png

本記事では円グラフの弱点と、
円グラフとほぼ同等のことが表現できる代替チャートの提案をします。

円グラフのデメリット

円グラフのデメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 角度の微妙な違いを比較するのが困難
  • 色を使わないと表現できない
  • 要素の中の隣り合っているものしか比較できない
  • 数が多いと比較が困難になる

角度の微妙な違いを比較するのが困難

円グラフイメージ02.png

上記の図ではあえて割合の表記を隠しています。
家具と家電のカテゴリではどちらの割合が大きく見えるでしょうか?
角度の違いだけを見て判断するのは難しいと思います。

円グラフイメージ03.png

実際はこの図では家電の方が大きいとわかります。
このように、角度の厳密な比較は人間の目では難しいため、
微妙な値の差を示すような場面では適切でないと思われます。

色を使わないと表現できない

円グラフイメージ04.png

色を使わずに表現した場合はどうでしょうか。
不可能ではないですが、色を使わない場合は各要素の詳細部分に書き込むなどする必要があり非常に見づらいです。
色を使わずに円グラフを使用するのは避けた方がよいでしょう。

要素の中の隣り合っているものしか比較できない

円グラフイメージ05.png

上記の図において、隣り合っていないもの同士の比較は出来るでしょうか。(※例のため、あえて割合の大きい順ではないグラフにしています。)
例えば関東と関西の割合はどちらが大きいか、数値の表記なしでは一目で比較するのは難しいと思います。

数が多いと比較が困難になる

円グラフイメージ06.png

比較対象の数が多いとその分色の凡例も増え非常に見づらくなります。
一般的に人間が一度に区別できる色の種類は7色程度とされています。7色を超える場合は色ではなく別の表現で区別する工夫が必要でしょう。

円グラフのメリット

円グラフのメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • 全体に対する割合が一目でわかる

上記の図「サブカテゴリ別売上」では、50%の部分までで「椅子」、「コピー機」、「本棚」、「アプライアンス」のサブカテゴリで構成されており、 上位4つのサブカテゴリで全体の売上の約半数を占める というのが一目で確認できるかと思います。
このように、円グラフは全体に対する割合を一目で確認するのに役立ちます。

代替チャートの提案

ここまでで円グラフの弱点は比較的多く、メリットがあまり多くないことがわかりました。
では、代わりにどのチャートを使うかについて考えたいと思います。

ツリーマップ

比較対象が7つを超え数が多い場合は、ツリーマップを使うことが考えられます。

ツリーマップイメージ01.png

それぞれの要素が扇状ではなく矩形であるため、内部に詳細を書き込むスペースがあり、また面積比で割合を示すため全体に対する割合も表現することができます。

棒グラフ

そもそも割合を角度で表すのではなく、棒グラフで表現することも考えられます。

棒グラフイメージ01.png

上記の棒グラフであれば、家具より家電の売上が大きいことが数値の表記が無くてもわかるかと思います。
このように角度ではなく長さで差を示す棒グラフであれば、微妙な値の違いも確認することができます。

100%積み上げ棒グラフ

棒グラフ1本の全体を100%として、その内訳を色を使って区別することで割合を表現することも考えられます。

棒グラフイメージ02.png

1本あたりが円より小スペースで表現できるため、時間の要素も入れて売上の推移を表現することもできました。

100%積み上げ面グラフ

横軸が時系列や地域など順序的な意味を持つ値である場合、面グラフを使うことも効果的です。

面グラフイメージ01.png

割合の推移が一目で確認できるようになりました。
ただし、100%積み上げグラフは比較対象の色が多いと非常に見づらくなってしまうため注意が必要です。

まとめ

円グラフは、割合を示すのに使われますが欠点が多く、適切な場面でないとかえって見づらくなってしまうことがわかりました。 割合=円グラフ と安易に決めてしまうのではなく、本当にその場面で円グラフを使うのが効果的なのか一度考えてから使うようにしたいです。

割合を示すチャートはいくつもあり、それぞれに長所・短所があるので適切な場面で使い分けをしましょう。

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