日付テーブルは特別なディメンジョンテーブルなのでそれなりの扱いを受けている。

日付テーブルに関する特別な動作

知らなくてもメジャーを記述できるけれど、フィルタコンテキストの動作を理解しようとするとき不思議に思うことがあるでしょう。

DAX クエリ

EVALUATE
SUMMARIZECOLUMNS(
    Dates[YearMonth],
    "Sales amount", [Sales amount],
    "Sales amount PM",
        CALCULATE(
            [Sales amount],
            PREVIOUSMONTH( Dates[Date] )
        )
)

この DAX クエリは YearMonth ごとにメジャー [Sales amount] と [Sales amount PM] を評価してテーブルとして結果を返す。

YearMonth	Sales amount	Sales amount PM
2020年1月	820,900
2020年2月	1,250,100	820,900
2020年3月	830,900	1,250,100
2020年4月	987,300	830,900
2020年5月	987,300	987,300
2020年6月	803,400	987,300
2020年7月	971,400	803,400
2020年8月	1,017,800	971,400
...	...	1,017,800

結果テーブルの "2020年3月" の行ではメジャー [Sales amount] は 2020-03-01 ~ 2020-03-31 の日付の範囲で評価されているのはすぐさま理解できているはずだ。

Measure

Sales amount PM =
    CALCULATE(
        [Sales amount],
        PREVIOUSMONTH( Dates[Date] )
    )

そして [Sales amount PM] は先月の [Salse amount] を得るメジャーで、CALCULATE 関数の <filter> パラメータには PREVIOUSMONTH 関数(タイムインテリジェンス関数)を利用している。"2020年3月" の行では、2020-02-01 ~ 2020-02-29 の日付だけが含まれる Dates[Date] 列 1列だけのテーブルフィルタである。
では、メジャー [Sales amount PM] の評価にも "2020年3月" の行ゆえに適用されるはずのフィルタコンテキストの一部(Dates[Date] : 2020-03-01 ~ 2020-03-31)はどこ行ってしまったんだいと🤔 Dates[Date] が 2020-03-01 ~ 2020-03-31 であり 2020-02-01 ~ 2020-02-29 であるという日付は存在しないけれども、[Sales amount PM] の評価結果が BLANK にならないのはなぜなんだいと🤔

タイムインテリジェンス関数を利用していなくても同じ動作を確認できる。
累積を集計するため、CALCULATE 関数の <filter> パラメータには Dates[Date] <= MAX( Dates[Date] )

DAX クエリ

EVALUATE
SUMMARIZECOLUMNS(
    Dates[YearMonth],
    "Sales amount", [Sales amount],
    "Sales amount RT",
        CALCULATE(
            [Sales amount],
            Dates[Date] <= MAX( Dates[Date] )
        )
)

DAX クエリ

EVALUATE
SUMMARIZECOLUMNS(
    Dates[Year],
    "Sales amount", [Sales amount],
    "Sales amount RT",
        CALCULATE(
            [Sales amount],
            Dates[Date] <= MAX( Dates[Date] )
        )
)

評価軸が Dates[YearMonth] / Dates[Year] と変わっても、引き続き累計された結果が得られる。

要はこういうこと。
ディメンジョンテーブルが日付テーブルとして認識されると自動で行われる所作。CALUCLATE 関数の動作を変更する関数のうち、REMOVEFILTER 関数が自動的に適用されている。だって、ほとんどの場合で必要になるでしょ。
日付テーブル以外のディメンジョンテーブルの場合はこうはならない。

Measure

Sales amount PM =
    CALCULATE(
        [Sales amount],
        PREVIOUSMONTH( Dates[Date] ),
        REMOVEFILTER( Dates )    // 自動的に適用されている状態
    )

Measure

Sales amount RT =
    CALCULATE(
        [Sales amount],
        Dates[Date] <= MAX( Dates[Date] ),
        REMOVEFILTER( Dates )    // 自動的に適用されている
    )

Syntax

REMOVEFILTERS([<table> | <column>[, <column>[, <column>[,…]]]])

Syntax

CALCULATE(<expression>[, <filter1> [, <filter2> [, …]]])

<filter> パラメータで使用できるのは次の式

Boolean filter expressions
Table filter expressions
Filter modification functions 👈これ

思ったこと🙄

フィルタコンテキストの説明はできるのに日付テーブルに関する特別な動作について説明できないひと、意外と多い。

DAX workout - 日付テーブルは特別扱い

日付テーブルに関する特別な動作

思ったこと🙄

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