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C++関数のエクスポート(dllexport + extern "C" 編)

Last updated at Posted at 2022-06-18

経緯

前は下記記事で関数のエクスポートとインポートについてメモしました。

dllexportとdllimportの使い方

上記記事の内容を用いて、更に関数がどのようにエクスポートされているかを確認したく、色々テストしてみました。

少しレベルアップ感の内容があるので、新しい記事でメモします。

DUMPBINというツール

visual studioのインストーラに同梱されているEXEファイルです。
image.png
図にあるvisual studioのコマンドプロンプトを起動してから使えます。
EXEやDLLが他のDLLへの依存性などを確認したり、DLL自身の情報を確認したり、色々情報の調査で役に立つツールです。
Googleすれば色々情報があるので詳細な説明を割愛します。

シンプルな例のDLLのソース

①DLLの外から構造体が渡されると想定
②渡されている構造体の中身を出力

Hello.h
#pragma once
#include<stdio.h>

#ifdef CPPDLL_EXPORTS
#define DECLSPEC __declspec(dllexport)
#else
#define DECLSPEC __declspec(dllimport)
#endif

typedef struct {
	int id;
	char name[20];
}st_info;

extern "C" {
	DECLSPEC int output(st_info*);
}

ここに「extern "C"」を用いて関数をCの方式で出力するよ、ということで、後で説明します。

Hello.cpp
#include "Hello.h"

int output(st_info* info) {
	printf("id: %d\nname: %s\n", info->id, info->name);
	return 0;
}

DUMPBINでDLLの情報を確認

①Visual StudioのコマンドプロンプトでDLLの場所に移動してDUMPBINを実行

C:\Users\pirlo\source\repos\CPPDll\Debug>dumpbin /exports CPPDll.dll
実行結果(一部抜粋)
Dump of file CPPDll.dll

File Type: DLL

  Section contains the following exports for CPPDll.dll
.....

    ordinal hint RVA      name

          1    0 000111A4 output = @ILT+415(_output)

  Summary
.....

エクスポートされている関数(output)は、以下のように記載されています。

    ordinal hint RVA      name

          1    0 000111A4 output = @ILT+415(_output)

他のEXEやDLLがoutputという関数を使用する時に、一般的に「ordinal」(順番)や「name」(名前)列の値から関数を検索します。
この例では、「1」または「output」が参照されます。

extern "C"が使用されない場合

エクスポート対象の関数の実名がソースコードだけで確認できませんが、extern "C"を使用しない場合、DUMPBINの結果は以下のようになります。

    ordinal hint RVA      name

          1    0 0001112C ?output@@YAHPAUst_info@@@Z = @ILT+295(?output@@YAHPAUst_info@@@Z)

結局、エクスポートされている関数の名前が、想定の「output」と異なり、「?output@@YAHPAUst_info@@@Z」に変更されました。

何故かというと、C++の仕様です。
C言語では同名の関数の存在はできず、関数名の唯一性がありますが、C++では関数のオーバーロードができるため、同名の関数を区別するためにDLLの作成段階で関数名が勝手に変更されています。
※詳しい情報を割愛します。

確実にソースコードにある関数の名前「output」を使うために、extern "C"を用いて、コンパイル時にこの関数の名前を変更しないで、という指示を出します。

extern "C"が使用されない時に発生する問題

関数名が裏で変更されたので、他のEXEやDLLでこのDLLのソースにある「output」関数を使用しようとしたら、「output」という関数が見つからないよ、というエラーが発生します。

C++のEXEなどでコンパイル時エラーが発生する場合は多いですが、VBやC#などでDllImportで実行時にDLLをインポートしようとしたら「System.EntryPointNotFoundException」という例外が実行時に発生します。

extern "C"を使用しなくても問題にならない方法

①DLLをC言語としてコンパイル
以下は設定画面
image.png
②DEFファイルを使用して関数をエクスポート
下記記事を参考

C++関数エクスポート(DEFモジュール定義ファイル編)

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