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指差呼称ノススメ

Last updated at Posted at 2024-04-30

 新社会人のみなさん、GWはうまくリフレッシュできていますか? 入社してから1ヶ月も経ち、少しずつ仕事に慣れてきていることと思います。

 仕事に慣れることは良いことで、余裕が出てくる分見えるものが増えて仕事が面白くなってくるかもですね。ただ人間慣れてくると事故や失敗もつきものです。確認を怠ったり手順を省略して作業を進めてしまい、思わぬミスやインシデントを発生させてしまう…といったことも、よくあるケースです。

 今回はこの問題を回避するためのちょっとした手段「指差呼称」を紹介&おすすめします。
 みなさんの役立つちょっとしたライフハックになれば嬉しいです。

指差呼称(しさこしょう)とは

 このように四字熟語の形で聞くことは余りないかもしれませんが、ひらたく言えば“指差し声出し確認”になります。Wikipediaでは「指差喚呼」(しさかんこ)とあり、いろいろな業界で呼び方があるようです。

 電車の運転手さんが出発前に「〇〇ヨシ!」と指差ししながら大きな声でチェックしていますよね。あれです。
この指差呼称ですが単純な目視と比べて間違い防止の効果があると、上記Wikipedia記事でも紹介されています。また、厚生労働省のこちらのページでも効果が紹介されています1

何も鉄道などの交通や工事・工場などの現場に限った話でもなく、私たちのIT現場でも活用することができる手段です。
私も何かの作業アクションをする場合に行っており、経験的ではありますが、指を差し声に出すことで意識をフォーカスさせ、”正しい状態が何か”というのを考えながら作業を進められています。

どういう時に使う?

 メールなどで誰かに何か送る時、ITシステムの運用作業時、部屋や場所を出る時去る時、そういった時に少しでいいので指を差して、小さくていいので声を出して確認するとよいでしょう。
 この時「何を」チェックして「どうあるべきか」を意識するとよさそうです。指差すものを目視し、声に出して照合することで、間違っていないことを”頭”と”体”で確認します。

 何か作業をする時には、この”指差呼称”でチェックしながら進めてみましょう。
いくつか例となるシチュエーションをあげてみましたので参考にしてください。

【チェックの例】
何で, どこで チェック対象 どうあるべき
メールなど 宛先/内容/添付ファイル メールアドレスが間違いがない / 文面・表現などが問題ない / 正しい添付ファイルである ヨシ‼️
SlackやTeamsなど 発言場所(チャネル) 目的のチャネルやチーム、宛先・人物である
システム運用作業 作業場所/作業内容 接続先・実行場所が目的のホストである / 実行しようとしているコマンドが手順書通りである / 実行した結果が手順書の想定どおりである
防犯対策・忘れ物対策など 戸締り/忘れ物 鍵かけ、窓閉め、火の始末がなされている / チェックリスト通りである / 持っていくものが揃っている / 忘れものがない
SNS投稿 アカウント/投稿内容 目的のアカウントである / 情報漏洩していない / コンプライアンス遵守している

注意点

これだけで事故は無くならないよ

当然のことながらこの指差呼称するからといってミスや間違いがなくなるわけではありません。大前提ですが、ベースとなる他の防止手順・措置・対策といったハード面の対策や、教育・意識づけといったソフト面での対策と組み合わせることで効果が期待できます。2

形骸化させないように

形骸化なりやすい行為でもあります。漫然とやってしまうと、ミス防止の効果もなく、まさに現場猫のような「ヨシ!」となってしまいます3

忙しい時ほど慌てずに

指差呼称の効果の1つに、気持ちの落ち着かせや状況の整理、というのもあると思います。
何かを急いで行わなくてはならない時に、慌ててそれを進めるのは事故を誘発させやすい状況です。指差呼称で作業に一呼吸入れながら進めることで、焦りからくるミスの防止に多少の効果が期待できそうです。

(おわり)

  1. 『職場のあんぜんサイト - 指差呼称』 - https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo72_1.html

  2. 妨害音声がある場合の指差呼称の効果を調べた論文で、このようなことが述べられていました。「作業と無関係な音や声が存在する環境において指差呼称を行うことが懸念される場合,指差呼称を行う者は,指差呼称の意義を理解し,動作だけでなく,考察で述べたような心のはたらかせ方まで習慣化している必要があるということである.日常生活の中で指差呼称を行うことは,習慣化をもたらすとともに,より指差呼称の意義に気づく機会を増やすことにつながるだろう」(松井 裕子,篠原 一光,内藤 宏,彦野 賢(2011) 『妨害音声に対する指差呼称の効果 ― 業務としての指差呼称経験の影響 ―』 6.

  3. システム障害対応の教科書』(木村誠明著)では、(指差呼称について)「『失敗のメカニズム 忘れ物から巨大事故まで』にて著者の芳賀繁氏は、実験によりヒューマンエラーが1/6になることを確認しています。(中略)一方で、指差呼称への過度な期待は、個人責任への転嫁や形骸化を招くことにも注意を促しています。」(p109)と引用しており、指差呼称の支持はしつつ注意喚起もしています。

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