この記事は趣味で宇宙開発をしている団体「リーマンサット・プロジェクト」がお送りする新春アドベントカレンダーです。
トップバッターを務めます私は人事部に所属していて、この組織でやっていること
とメンバーがやりたいこと
をつなげるべく活動をしています。
というわけで、技術的な話しはこの後のメンバーに任せて、私からはこの組織の人について話したいと思います。
ワークライフバランスが唱えられている社会に、特にエンジニアにとっては技術と人と組織との取り組み方を考えるヒントになればと思います。
##「趣味」とは
リーマンサットは確かに人工衛星やローバーをつくっている団体ですが、その大前提に趣味で
というものがあります。この趣味
というのは、人によりその解釈が様々です。仕事から解放される時間、休憩、適当に楽しむ時間、勝手な研究、人生の醍醐味、夢、周囲の人々を見渡しても「趣味」の定義にはかなり差があるように感じます。これはリーマンサット内部でも共通していて、私はメンバーと接する中で様々な活動形態を目の当たりにしてきました。
今回はその観測を、趣味というモチベーションでメンバーがリーマンサット内で如何に宇宙開発をしているか
を、紹介したいと思います。
#TeDD (Teach each other Driven Development)
教え合いながら開発
。この形態を一番よく見かけます。
宇宙対応するための開発では、どんな技術者でも見かけることのない要件によく出会います。ひとつの分野に特化している技術者でも決まった解を見つけることが難しかったり、それぞれの得意分野を持ち寄って相談することで開発が進んでいきます。
そしてメンバーには学生も多くいます。
学生は時間の自由が効きやすいこともあり、知見・経験のあるメンバーが学生や初心者に教えながら一緒に開発をする場面はとても多いです。
#DDD (Deadline Driven Development)
締め切り駆動開発
。
これはこの団体に限りませんね。私も今この原稿をまさにこのDDDで書いています。
人はなぜこの業を繰り返すのでしょうか。
#IDD (Involved Driven Development)
巻き込まれ駆動開発
。
まだオフでみんなで集まれた頃、懇親会や飲み会の場でよく見かけました。
自分が好きな技術を知る仲間を見つけて楽しく話し込んでいると、いつの間にか相手のプロジェクトに参加している人。
自分に何が出来るのか分からないけど、とりあえずメンバーと飲んでいたらいつのまにか酒以外のものに飲まれていた人。
この形態をとる方々はご自身で選択しているようにはなかなか見えませんでしたが、意外と皆さん幸せそうでした。ホントですヨ。
#MDD (Muchaburi Driven Development)
無茶振り駆動開発
。
この形態は私自身も何度か経験があります。大概この方式はある限界(主に時間)をむかえて採用されることが多くそれはもうとてもたちが悪く、自分も限界を突破するためのいい経験になります。
この形態に出くわした瞬間相手を怨みそうになりますがこそが、自分が成長するチャンスなのです。
この形態が採用される確率は、自分のスキルやポテンシャルをメンバーに共有している量に比例します。
趣味とか軽いノリで宇宙開発なんていう難解なことに取り組んでいるから
リーマンサットは相手を尊重すること
を大事にしているからこそ成り立つ形態だと思います。
#SDD (Stranger Driven Development)
それは未知との遭遇。
いつから同じ輪にいたのか、不意に現れたかと思えば、メンバーの問題を解決に導き、見たことのないマテリアルを置いていき、他の銀河系から遣いを呼び、杯を交わし共に熱狂し・・・
何もしていないように見えたが、目の前でロケットで打ち上がっている景色はその方のおかげでもあったのだ。
#HDD (Human Driven Development)
人駆動開発
。
この形態は私です。自分ひとりでは出来そうにないことを、同じ方向を向いた誰かと一緒にやりたかったのです。
どんな組織であれその組織にいる人が何を感じ・思い・考え・行動するかが大事だと考えているメンバーは特に人事部に多いです。
リーマンサットは2020年も200名
あまりの人が新規メンバーとして加わりました。
宇宙関係の開発だけでも6つプロジェクトがあります。
広報系の活動も7つに分かれて行っています。
それとは別に、約30つものサークル活動があります。
例えばこの記事をお読みになられているあなたが加わると、リーマンサットプロジェクトはよりいっそうドライブします。
#DDD (Dream Driven Development)
夢駆動開発
。
先程のDDDとは全く違う方式です。比べてはいけません。
リーマンサット・プロジェクトを始めたメンバーは『この組織が宇宙(夢)を通して自分を見つめ、大切な何かを見つけていける場所になってほしい』
と話していました。
ローバーを開発しているプロマネは言います。『夢から醒めてはいけない』
。
私がリーマンサットのメンバーであり続けている理由も、同じ夢をみながら活動する仲間が居るからで間違いありません。
##終わりに
今更ですが、衛星開発にはNASAでもとられていたPPP(Phased Project Planning)を採用しています。
趣味って結局、人にとってどういうものなのでしょうか?
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次回は@manabu042001 さんによる「基板設計初心者がカメラモジュールプロトタイプを作ってみた」です!
お楽しみに!!