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非モデル生物などから比較的安価に集団解析をする方法:RAD-seq

Last updated at Posted at 2021-07-07
[PictBio HP「解析メモ」](https://www.pictbio.com/tips/1669.html)から移行中です。 元記事:2016/10/13 公開 非モデル生物などから比較的安価に集団解析をする方法(RAD-seq)

 ゲノムサイズが未知で、Whole-genomeを使っての集団解析を行うのは厳しい、それでも解析を行いたいというときに活躍する方法としてRAD-seq(Restriction-site Associated DNA Sequencing)という方法を紹介します。

解析範囲

 RAD-Seqは次世代シーケンシング技術を用いた、制限酵素認識サイトの近隣領域(ゲノム全体の0.1~1%程度)を解析する手法です。この方法では下記の図のようにゲノムを制限酵素で切断し、切断した部位から50-100bp程度のシーケンスを読み、SNPsを探索します。シーケンス範囲が狭いため、通常のWhole genomeをショットガンシーケンスで読むよりも低コストで効率よく解析が行えます。

RAD-Seqのシーケンス範囲

また制限酵素の種類を変えることで、高密度解析、低密度解析の調整が可能となります。

低密度解析

低コスト、探索範囲は狭い (e.g. 8bp認識の制限酵素カット)

高密度解析

高コスト、探索範囲は広い (e.g. 6bp認識の制限酵素カット)

 ただいろいろやってみた感想ですが、ゲノムサイズが大きすぎると制限酵素サイトもそれに応じて大きくなるので、カバレッジが低くなる傾向があるようです。

 変異が生じていると断ずるには最低5カバレッジは欲しいところです。カバレッジが低くても、候補を増やしたい時には、ツールの方でカバレッジを低くして、よりセンシティブに検出できるようにする方法があります。・・・が、あまりお勧めしません。一度解析して、いい結果が出そうであれば、素直にもう一度読んでデータ量を増やしたほうがいいと思います。

解析内容

  • 種内での分子系統解析
  • 品種・系統・集団間での遺伝的変異の同定
  • 集団構造解析
  • 連鎖解析
  • 特定の遺伝子のマッピング
  • QTL解析

など。

"Double Digest RADseq: an inexpensive method for de novo SNP discovery and genotyping in model and non-model species" Peterson et al., 2012

 上の使える解析をみて、あれ?そういえば似たようなことが分かる解析があったぞ。って思った方正解です。ISSR(Inter Simple Sequence Repeat)で行う解析も同じようなことが出来ましたね。これらを利用したMIG-Seq(multiplexed ISSR genotyping by sequencing)という解析手法もあります。考え方としてはRAD-seqと同じで、制限酵素の部分がISSR認識のプライマーに変わった手法となります。

"MIG-seq: an effective PCR-based method for genome-wide single-nucleotide polymorphism genotyping using the next-generation sequencing platform" Suyama, Y. & Y. Matsuki. 2015

解析ソフト

有名なものに、

があります。

 pyRADのほうがInDelを考慮してくれる反面、そのせいで解析時間が結構かかるという特徴があります。また使ってみた個人的感想として、1サンプル当たりの配列数が少ないと、Stacksと比較して、データが出にくい傾向があるように思います。

 受託解析や共同研究では、上のStacksを使うことの方が多く論文もStacksのほうが多いようです。

最後に

 コツですが、まず制限酵素選びが重要です。先ほど6塩基認識、8塩基認識のところでも説明しましたが、探索範囲が大幅に変わってきます。生物種によっても異なるため、一度少量だけでも読んでみて、検討してみたほうがいいと思います。

 こちらにわかりやすくまとまっておりますので、確認してみてください。

DDBJing33 ゲノムワイド多型を利用した遺伝解析の実際.pdf

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