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【初心者向け】1時間でAzureとOpenVPNで自分専用のVPNサーバーを構築してみた

Last updated at Posted at 2025-07-30

はじめに

「海外から日本のサービスを使いたい」「公衆Wi-Fiを安全に使いたい」「中国に旅行や出張に行く」そんな時、VPNが役立ちます。でも、安全なVPNは大体月に2000円弱もかかってしまうし、自宅のPCをVPNサーバとして使うにしても電気代が嵩む上に設定が難しい...

この記事では、Azureを初めて触った超初心者の私でも1時間もかからずに、驚くほど簡単に自分専用のVPNサーバを立てられた方法をご紹介します。

なぜAzureを使ったのか

  • 現時点で大学生なので、Azure for Students から$100のAzureクレジットを貰っちゃったから

この記事のゴール

  • Azure上にOpenVPN Access Serverを構築し、自分専用のVPN環境を手に入れる
  • PCやスマホからVPNに接続できる

対象読者

  • Azureを触り始めたばかりの方
  • 手軽にVPNサーバを立ててみたい方
  • ネット検閲がある国でGoogleなどのサービスを使いたい方
  • Azureでやりたいことがない方
  • マイクロソフトから大学生向けに100ドルのAzureクレジットもらったけど使い道に困っている

OpenVPN Access Serverとは?

OpenVPNは、VPNプロトコルの中でも非常に有名で信頼性が高いオープンソースソフトウェアです。

そして、今回使う OpenVPN Access Server は、そのOpenVPNを誰でも簡単にセットアップ・管理できるようにあらかじめチューニングされたイメージ( OSとパッケージがあらかじめある程度設定済みの仮想マシン )です。Azure Marketplaceから数クリックでデプロイでき、Webの管理画面でほとんどの設定が完了します。

ただし、無料範囲では同時接続2台までなので注意!
それ以上接続しようとすると次のようなエラーになります。

LICENSE: Access Server license failure: maximum concurrent_connections exceeded (2)
// ライセンス: アクセスサーバーのライセンス障害: 最大同時接続数を超えました (2)

準備するもの

  • Azureのアカウント
    • 無料試用版でもOKです。持っていない方は公式サイトから作成してください。
  • コマンドライン環境があるPC
    • WindowsならPowerShell、macOSならターミナルを使えるようにしてください。
      • なくてもいけるけど面倒くさいし結局やること変わらない
  • 動作確認用のデバイス
    • ここではAndroidスマートフォンを使って動作確認します。

構築手順 (ここからが本番!)

それでは、実際にAzureポータルから操作してVPNサーバを構築していきます。

Step 1 : Azure MarketplaceでOpenVPN Access Serverを検索

  1. Azureポータルにサインインします。
    image.png
  2. リソースの作成をクリックして、検索バーで「OpenVPN Access Server」と検索し、サービスを選択します。選び間違えないように注意してください。
    image.png
  3. 作成」ボタンをクリックします。事前設定された構成で開始するを選ぶ場合、料金がかかるプランになりますし、何より個人利用では持て余してしまいます。
    image.png

Step 2: 仮想マシンの基本設定

仮想マシン(サーバ本体)の設定を入力していきます。

image.png

  • リソースグループ: 新規作成で分かりやすい名前(例: OpenVPN-RG)をつけます。
  • 仮想マシン名: サーバの名前です(例: my-vpn-server)。
  • 地域: 日本から使うなら「東日本 (Japan East)」がおすすめです。
  • サイズ: 仮想マシンを稼働するサーバーの設定。使用料金に関わるところです。
    すべてのサイズを表示から次の画面に飛べます。BシリーズのB1sB2ats_v2は最初の750時間、仮想マシンの使用料金が無料なのでこの2つをおすすめします。

image.png

  • 認証の種類: パスワード をおすすめします。
  • ユーザー名: サーバにログインするための管理者名(例: azureuser)。
  • パスワード: 強力なパスワードを設定します。

ポイント💡
「認証の種類」で「パスワード」を選ぶと、後のサーバ接続が簡単になります。
SSHキーの管理が面倒な上、どのみちパスワードは必要になるので、何かとパスワードのほうが管理しやすい。

Step 3: デプロイと完了

他の設定(ディスク、ネットワークなど)は、次のように選択すると良いです!
image.png

image.png

画面下の「確認および作成」を押し、内容に問題がなければ「作成」ボタンをクリックしてデプロイを開始します。

デプロイには数分かかります。気長に待ちましょう


OpenVPNサーバの初期設定

デプロイが完了したら、次はOpenVPN自体の設定です。

Step 1: 管理画面にアクセス

  1. デプロイが完了したリソース(仮想マシン)の概要ページに移動します。
  2. 「パブリックIPアドレス」をコピーします。
  3. ブラウザのアドレスバーに https://<コピーしたIPアドレス>/admin と入力してアクセスします。
    • 例: https://203.0.113.1/admin
  4. 証明書のエラーが出ますが、気にせず「詳細設定」→「〜にアクセスする(安全ではありません)」などをクリックして進みます。

Step 2: サーバの初期設定とパスワード設定

初めて管理画面にアクセスすると、初期設定ウィザードが表示されます。基本的にはすべてデフォルトのままで「Agree」や「Save Settings」をクリックして進めばOKです。

次に、VPNに接続するための openvpn ユーザーのパスワードを設定します。

  1. Azureポータルに戻り、仮想マシンの「接続」→「SSH」を使ってサーバに接続します。(Azure Cloud Shellを使うと簡単です)
  2. サーバに接続できたら、以下のコマンドを実行してパスワードを設定します。
sudo passwd openvpn

新しいパスワードを2回入力すれば完了です。

Step 3: VPNユーザーの作成 (任意)

家族用など、自分以外のユーザーを追加したい場合は、管理画面の「User Management」→「User Permissions」から新しいユーザーを作成できます。


クライアント(PC/スマホ)から接続してみよう!

いよいよクライアントから接続します!

  1. ブラウザで https://<コピーしたIPアドレス> にアクセスします。
    • 今度は /admin は不要です。
  2. ユーザー名に openvpn、パスワードに先ほど設定したものを入力してログインします。
  3. 利用しているOS(Windows, macOS, Android, iOS)のクライアントソフトをダウンロードしてインストールします。

(ここにクライアントログイン画面と、プロファイルダウンロード画面のスクリーンショットを挿入)

  1. インストールした「OpenVPN Connect」アプリを起動し、先ほどダウンロードしたプロファイルをインポートします。
  2. スイッチをONにすれば...接続完了です! 🎉

(ここに接続成功画面のスクリーンショットを挿入)

whatismyip.com のようなサイトにアクセスして、IPアドレスがサーバのものに変わっていれば成功です。


気になる料金は?

  • OpenVPN Access Serverライセンス: 同時接続2台まで無料!
  • Azure仮想マシン:
    • 今回作成したVM(Standard B1sなど)の実行時間に応じた料金がかかります。
    • 1か月24時間稼働させても、月額1400円程度です。(2025年8月時点、為替等の影響を受ける)
    • 使わない時はVMを「停止」しておけば、料金はほとんどかかりません。
    • 1時間で約1.8円程度の従量課金制

個人で使う分には、かなり安価に運用できますね!


実用性について

2025年8月時点では、中国でも問題なくつながることが確認できました。


おわりに

いかがでしたでしょうか?
専門知識がなくても、本当にあっという間に自分専用のVPNサーバが立てられてしまいました。
これで、海外からでも日本の動画サービスを楽しんだり、公衆Wi-Fiを安全に使ったりできます。
ぜひ皆さんも、構築してみてください!

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