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大学院生のための効率的な研究手法:Pandasを活用したデータ分析

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大学院生のための効率的な研究手法:Pandasを活用したデータ分析

はじめに

大学院での研究においてデータ分析は非常に重要です。しかし、従来のExcelを用いたデータ分析には手作業が多く、データ量が増えると限界が生じます。そこで、Pythonのデータ分析ライブラリ「Pandas」によるデータ処理を取り入れることで、研究の効率を飛躍的に高めることができます。Pandasを使えば大量データも迅速に扱えるだけでなく、繰り返し分析やデータの再現も可能です。


Pandasとは

Pandasは、Pythonを用いたデータ分析に不可欠なライブラリです。表形式でデータを操作できるため、Excelのような操作感でデータを分析できます。加えて、Pythonの豊富な機械学習ライブラリと連携できるため、研究やデータ分析に広く利用されています。


Pandasを使うメリット

  1. 計算の自動化:一度書いたコードを繰り返し実行でき、複数回の計算処理も自動化されます。
  2. 大量データの処理:Excelでは負荷がかかる数万行のデータもスムーズに扱える。
  3. 多様な分析手法の提供:統計分析や機械学習への接続が容易で、深い分析が可能。
  4. 再現性の確保:Pythonコードを保存しておけば、同じ処理を何度でも実行でき、研究の再現性が確保されます。

よく使うPandasコード一覧

以下に、研究でよく使用されるPandasの基本的なコード例を紹介します。

1. データの読み込み

import pandas as pd

# CSVファイルの読み込み
df = pd.read_csv('data.csv')

# Excelファイルの読み込み
df = pd.read_excel('data.xlsx')

2. データの基本情報確認

# データの先頭5行を表示
print(df.head())

# データの基本統計量を表示
print(df.describe())

# データの情報(列名、データ型、非欠損値の数)を表示
print(df.info())

3. データの選択と絞り込み

# 特定の列を選択
selected_columns = df[['column1', 'column2']]

# 条件に基づいてデータを絞り込み
filtered_data = df[df['column'] > 5]

4. データの集計

# グループごとの平均を計算
grouped_mean = df.groupby('category')['value'].mean()

# クロス集計
cross_tab = pd.crosstab(df['category1'], df['category2'])

5. データの結合

# 2つのDataFrameを結合
merged_df = pd.merge(df1, df2, on='key_column')

6. データの可視化

import matplotlib.pyplot as plt

# 折れ線グラフの作成
df['column'].plot(kind='line')
plt.show()

# ヒストグラムの作成
df['column'].hist()
plt.show()

7. データの保存

# CSVファイルとして保存
df.to_csv('output.csv', index=False)

# Excelファイルとして保存
df.to_excel('output.xlsx', index=False)

Pandasを使った研究のやり方

  1. データの準備:収集したデータをCSVやExcel形式で保存。
  2. データの読み込み:Pandasでデータを読み込み、分析に備えます。
  3. データのクリーニング:欠損値や異常値の確認・処理を行います。
  4. データの探索:統計量や可視化でデータの基本的な特徴を把握。
  5. データの分析:研究目的に応じて必要な統計分析や機械学習を実行します。
  6. 結果の可視化:分析結果をグラフや表で視覚的に表現。
  7. レポートの作成:Jupyter Notebookやレポートツールを使用し、コードと結果を記録します。

PandasとExcelの違いと使い分け

比較項目 Pandas Excel
処理速度 大量データでも高速 データが多いと処理速度が低下
計算の自由度 Pythonコードで高度な計算が可能 基本的な関数や数式で対応
再現性 コードで再現性が高い 手動操作が多く、再現性に欠ける
拡張性 他のPythonライブラリとの連携が容易 基本的にはExcel単体で使用
視覚的な使いやすさ GUIで操作可能 GUIで直感的に操作可能

Pandasは大量のデータを効率的に処理できるため、研究で扱う大量のデータ分析や再現性が重要な場合に適しています。一方、Excelは小規模なデータ処理や、ビジュアルを重視したデータの整理に適しています。


まとめ

Pandasを活用することで、研究データの分析をより効率的に、そして深く行うことができます。また、ChatGPTなどのAIツールを活用することで、Pandasのコードをより簡単に書くことができます。大学院生の皆さんは、ぜひPandasを学び、研究に活用してみてください。

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