Pythonで計算結果をExcelシートに書き込む方法:openpyxl
とpandas
を使用した解説
はじめに
データ解析を行った後、その結果をExcelファイルに保存することはよくあります。この記事では、Pythonのopenpyxl
とpandas
ライブラリを使用して、計算結果を新しいExcelシートに書き込む方法を詳しく解説します。以下のコードブロックは、解析結果をExcelシートに書き込む一連の処理を行っています。
Excelシートへの書き込み処理の流れ
次のコードブロックは、解析結果を新しいExcelシートに保存し、処理完了のメッセージを表示する部分です。
ws = wb.create_sheet(title=sheet_name)
for row in dataframe_to_rows(result_df, index=False, header=True):
ws.append(row)
print(f"{sheet_name} の修正後の差の割合をExcelに書き込みました。")
1. 新しいExcelシートの作成
コード例
ws = wb.create_sheet(title=sheet_name)
説明
-
wb.create_sheet()
:-
openpyxl
ライブラリのメソッドで、新しいシートを作成します。 -
wb
は、Excelワークブックオブジェクトです。事前にWorkbook()
で作成されているか、既存のExcelファイルを読み込んだオブジェクトです。
-
-
title=sheet_name
:- 新しいシートの名前を設定します。ここでは、現在処理中のシート名(
sheet_name
)を使用しています。 - シート名は一意でなければならないため、重複しないよう注意が必要です。
- 新しいシートの名前を設定します。ここでは、現在処理中のシート名(
-
ws
:- 作成された新しいワークシートオブジェクトで、このシートにデータを書き込みます。
使用例
wb = Workbook()
ws = wb.create_sheet(title="Analysis Results")
出力例(Excelファイル内のシート構成):
- Sheet1(既定のシート)
- Analysis Results(新しく作成されたシート)
2. DataFrameのデータをExcelシートに書き込む
次に、pandas
のDataFrameからデータをExcelシートに書き込みます。
コード例
for row in dataframe_to_rows(result_df, index=False, header=True):
ws.append(row)
説明
-
dataframe_to_rows()
:-
pandas
ライブラリの関数で、DataFrameをExcelの行形式に変換します。 -
result_df
は、解析結果が格納されたDataFrameです。
-
-
index=False
:- DataFrameのインデックスをExcelに書き込まないように指定します。
- 通常、インデックスは解析には不要な場合が多いため、省略することが一般的です。
-
header=True
:- DataFrameの列名をExcelのヘッダーとして書き込むように指定します。
- これにより、Excelシートの1行目に列名が表示されます。
-
ws.append(row)
:- DataFrameの各行をExcelシートに追加します。
使用例
import pandas as pd
from openpyxl import Workbook
from openpyxl.utils.dataframe import dataframe_to_rows
# DataFrameの作成
result_df = pd.DataFrame({
'Wavelength (nm)': [400, 500, 600],
'Normalized Spectrum 12/7': [10, 20, 30],
'Normalized Spectrum 12/8': [12, 19, 27],
'Difference Ratio (%)': [18.18, 5.13, 10.53]
})
# 新しいExcelワークブックとシートの作成
wb = Workbook()
ws = wb.create_sheet(title="Results")
# DataFrameのデータを書き込み
for row in dataframe_to_rows(result_df, index=False, header=True):
ws.append(row)
# Excelファイルの保存
wb.save("analysis_results.xlsx")
Excelファイルの例:
Wavelength (nm) | Normalized Spectrum 12/7 | Normalized Spectrum 12/8 | Difference Ratio (%) |
---|---|---|---|
400 | 10 | 12 | 18.18 |
500 | 20 | 19 | 5.13 |
600 | 30 | 27 | 10.53 |
3. 処理完了メッセージの表示
コード例
print(f"{sheet_name} の修正後の差の割合をExcelに書き込みました。")
説明
-
print()
:- Pythonの組み込み関数で、指定されたメッセージをコンソールに表示します。
-
f-string:
- フォーマット済み文字列で、
{}
内に変数を埋め込むことができます。 - ここでは、現在処理中のシート名(
sheet_name
)が表示されます。
- フォーマット済み文字列で、
出力例
Sheet1 の修正後の差の割合をExcelに書き込みました。
初心者へのポイント
データ処理が完了したことを示すメッセージを表示することで、長時間の処理中でも進捗を把握できます。
このコードの重要性
-
構造化されたデータ保存:
-
result_df
のデータがExcelシートに書き込まれることで、解析結果がわかりやすく整理されます。 - データの再利用やレポート作成が容易になります。
-
-
動的なシート名:
- シート名を動的に設定することで、同じExcelファイルに複数の解析結果を保存できます。
- 各シートに異なるデータを格納することで、データの整理が簡単になります。
-
進捗の可視化:
- 処理が完了するたびにメッセージを表示することで、ユーザーは処理の進行状況を把握できます。
注意点
-
既存のシート名と重複しないように注意:
-
create_sheet()
で指定するシート名が既存のシート名と重複するとエラーが発生します。必要に応じて、一意のシート名を生成する工夫が必要です。
-
-
大量のデータに注意:
- 大規模なデータセットの場合、メモリ使用量が増加する可能性があります。その場合は、分割して書き込むか、メモリ効率の良い方法を検討してください。
-
Excelファイルの保存:
-
wb.save("ファイル名.xlsx")
でExcelファイルを保存する際、ファイルが開いていると保存に失敗することがあります。事前にファイルが閉じていることを確認してください。
-
まとめ
この記事では、PandasのDataFrameからExcelシートにデータを書き込む方法について詳しく解説しました。以下のポイントを学びました:
-
wb.create_sheet()
を使用して、新しいExcelシートを作成する方法 -
dataframe_to_rows()
を使用して、DataFrameのデータをExcelシートに書き込む方法 - f-stringを使用した進捗メッセージの表示
これらの手法を使用することで、データ解析の結果をExcelファイルに自動的に保存でき、後続の分析や報告書作成がスムーズになります。次は、この記事を参考に、自分のデータをExcelに保存する練習をしてみましょう。
参考文献
この記事が、PythonでのExcelファイル操作に役立つことを願っています。