このコードは、PythonのPandasライブラリを使用して、Excelファイル内の複数のシートに対してデータ処理を行う部分です。各シートからデータを抽出し、解析し、結果をまとめるという一連の流れが実現されています。初心者の方でも理解できるように、コードの各部分を丁寧に解説していきます。
目次
Excelファイル内のシートごとの処理
コード例
for sheet_name in sheet_names:
説明
- 目的:Excelファイル内にある複数のシートを順番に処理します。
-
sheet_names
:このリストは、先ほど取得したExcelファイル内のシート名の一覧です。 -
ループ処理:
for
ループを使用して、シート名ごとに以下の処理を実行します。
初心者へのポイント
Excelファイル内には複数のシートが存在する場合があります。このコードは、1つのシートだけでなく、全シートに対して同じ処理を自動的に行います。
シートのデータ読み込み
コード例
df = excel_data.parse(sheet_name)
説明
-
excel_data.parse(sheet_name)
:現在のシート名に基づいて、そのシートのデータをPandasのDataFrameとして読み込みます。 -
df
:読み込まれたシートのデータを格納するDataFrameオブジェクトです。
ポイント
- DataFrameとは、表形式のデータを扱うためのPandasのデータ構造で、行と列から成り立っています。
-
parse()
メソッドは、Excelファイルの特定のシートを読み込むために使用されます。
必要な列の存在確認
コード例
if 'Normalized Spectrum 12/7' not in df.columns or 'Normalized Spectrum 12/8' not in df.columns:
print(f"Warning: '{sheet_name}' シートに必要な列が見つかりませんでした。")
continue
説明
- 目的:データ処理を行う前に、シートに必要なデータが存在するかどうかを確認します。
-
df.columns
:DataFrameのすべての列名を取得します。 -
continue
:必要な列が見つからない場合、このシートの処理をスキップし、次のシートに進みます。
初心者へのポイント
この確認は、エラーを防ぐために重要です。もし必要な列が存在しなければ、処理を続行してもエラーが発生します。
差の割合の計算
コード例
numerator = abs(df['Normalized Spectrum 12/7'] - df['Normalized Spectrum 12/8'])
denominator = abs(df['Normalized Spectrum 12/7'] + df['Normalized Spectrum 12/8']) / 2
difference_ratio = (numerator / denominator) * 100
説明
-
分子(numerator):
-
Normalized Spectrum 12/7
とNormalized Spectrum 12/8
の絶対差を計算します。 -
abs()
関数は、値の絶対値(負の値を正の値に変換)を返します。
-
-
分母(denominator):
- 両スペクトルの絶対値の和を計算し、それを2で割ります。これは、2つのデータの平均値として使用します。
-
差の割合(difference_ratio):
- 分子を分母で割り、その結果に100を掛けてパーセンテージ形式に変換します。
- この計算は、2つのデータ間の違いがどれだけ大きいかを示す指標です。
初心者へのポイント
差の割合(Difference Ratio)は、2つのデータがどれだけ異なるかを比較するために便利な指標です。この例では、12月7日と12月8日のスペクトルデータの違いを計算しています。
結果のDataFrame作成
コード例
result_df = pd.DataFrame({
'Wavelength (nm)': df['Wavelength (nm) 12/7'],
'Normalized Spectrum 12/7': df['Normalized Spectrum 12/7'],
'Normalized Spectrum 12/8': df['Normalized Spectrum 12/8'],
'Difference Ratio (%)': difference_ratio
})
説明
- 目的:解析結果を新しいDataFrameとしてまとめます。
-
pd.DataFrame()
:Pandasの関数で、新しいデータフレームを作成します。 -
列の内容:
-
Wavelength (nm)
:波長情報を含む列。 -
Normalized Spectrum 12/7
とNormalized Spectrum 12/8
:それぞれの日付のスペクトルデータ。 -
Difference Ratio (%)
:計算された差の割合。
-
初心者へのポイント
DataFrameを使うことで、複数の列をまとめて管理できます。これにより、後でデータを保存したり、可視化したりすることが簡単になります。
グラフの色の設定
コード例
color = location_colors.get(sheet_name, 'blue') # 色が指定されていない場合は青を使用
説明
- 目的:各シートのデータをグラフ化する際に、色を設定します。
-
location_colors
:シート名と色の対応関係を持つ辞書です。 -
get()
メソッド:辞書からシート名に対応する色を取得します。指定されたシート名が辞書に存在しない場合は、デフォルトで青色('blue')が使用されます。
初心者へのポイント
グラフの色を変更することで、視覚的にデータを区別しやすくなります。このコードでは、シート名ごとに異なる色を設定することが可能です。
まとめと次のステップ
この記事では、Excelファイル内の複数のシートに対して、データを読み込み、解析し、結果をまとめる方法を学びました。特に、次の内容を理解できたはずです:
- Excelファイル内の各シートを順番に処理する方法
- 必要なデータが存在するか確認する方法
- 2つのデータ間の差を計算する方法
- 結果を新しいDataFrameにまとめる方法
- グラフの色を設定する方法
次のステップ
- 作成したDataFrameをExcelファイルに保存してみましょう。
-
matplotlib
を使用して、結果のデータをグラフ化して可視化してみましょう。 - エラーハンドリングを追加して、より堅牢なコードに改善してみましょう。
この記事を参考に、Excelファイルのデータ解析に挑戦してみてください。次は実際にコードを書いて、データ操作のスキルを向上させましょう!