はじめに
まだ多くの現場で、RS-232シリアル通信を使った機器が働いています。
制御機器、計測器、古い端末など、Ethernetを通してクラウドや他の機器とつなぎたい場面は少なくありません。
今回取り上げるのは、そういった“シリアル機器のネットワーク化”をシンプルにしてくれるモジュール、PP-Ethernet-RS232です。
製品概要
PP-Ethernet-RS232 は、小型でありながら強力な Ethernet ↔ RS-232 プロトコル変換モジュール です。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
- 搭載チップ:WIZnet の W55RP20(RP2040 MCU統合) :contentReference[oaicite:2]{index=2}
- Ethernet:10/100 Mbps、TCP/IP 通信対応 :contentReference[oaicite:3]{index=3}
- シリアル通信(RS-232):最大速度 約 230kbps 程度(接続条件による) :contentReference[oaicite:4]{index=4}
- プロトコルサポート:Modbus, MQTT など一般的なネットワークプロトコル :contentReference[oaicite:5]{index=5}
- オプションで PoE モジュールを取り付け可能 → 給電と通信を一本のケーブルで済ませたい用途に ◎ :contentReference[oaicite:6]{index=6}
- USB / SWD によるデバッグ・ファームウェア更新対応 :contentReference[oaicite:7]{index=7}
- ステータスピン(PHYリンク状態 / TCP接続状態など)や電源LED等で稼働状態が確認しやすい設計 :contentReference[oaicite:8]{index=8}
実際のユースケース例
このモジュールは以下のような場面で特に力を発揮しそうです:
- 計測器 / 制御装置:RS-232出力しか持たない古い装置をネットワーク接続してモニタリング
- 産業オートメーション:PLCやシリアル端末を遠隔操作・データ収集して効率化
- ビル管理 / 設備監視:温度計・センサー等を制御室から集中管理
- 公共施設・交通表示板など、外部からデータ更新したい RS-232 ディスプレイ
実際に RS-232 シリアル端末を繋いで、IPアドレス等の設定をしてみると、設定ツールで比較的短時間で通信が確立されました。
利便性・技術的魅力
この製品の特に優れている点は:
-
設置・配線のシンプルさ
- Ethernet ケーブル+ RS-232 ケーブルで済む構成
- PoE を使えば給電線も不要な設置が可能
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設定が直感的
- 専用設定ツールを使って IP/TCP の設定可能
- シリアルからの AT コマンド操作もサポート
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高い汎用性
- 多くのプロトコル対応(MQTT, Modbus 等)で用途を選ばない
- ステータス表示が見やすく、トラブルシュートもしやすい
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産業用にも耐える設計
- 電源保護・過電圧/過電流保護機能
- 実績あるチップセットの採用により信頼性が高い
まとめ
PP-Ethernet-RS232 は、RS-232機器をネットワーク化したいが配線や設定をあまり複雑にしたくない、という現場のニーズに非常にマッチするモジュールです。
「古い装置を捨てずに活かしたい」「現場からデータをクラウドに取りたい」「設置コスト・メンテナンスコストを抑えたい」――そんな用途におすすめです。
LANケーブル1本で通信と給電(オプションで PoE)をまとめたい方にとって、手軽で信頼性の高い選択肢になるでしょう。