未経験でエンジニアになって 1 年未満(9 ~ 10 ヵ月)で、転職ドラフトへ参加して年収約 800 万円で転職に成功しましたので、そのレポートを書きたいと思います。
転職ドラフトを使いたいけど実務経験は浅くて指名が取れるか不安な方の参考になれば幸いです。
自己紹介
簡単な自己紹介です。
転職ドラフト参加時のスペックは以下のような感じです。
- 20代後半、SES+受託企業でエンジニア歴10ヵ月(その前に半年程度独学)
- Windows アプリ開発、Web バックエンド開発(Python)、Web フロントエンド開発(React)、AWS インフラ環境開発などを経験
- 基本設計、詳細設計、実装、テスト、CI/CD 環境構築、IaC 化など幅広く担当
転職を志したきっかけは、より長期的な目線に立ってサービスの開発・運用をしたいという思ったことと、家族を養うための給与(単価)アップを狙うには SES は業界構造的に経験年数を増やすしか選択肢が無くつらかったからです。なのでフリーランスという道は考えず、資本潤沢かつビジネスモデルが手堅いBtoB系の自社開発企業へ転職したいと考えて転職ドラフトへ参加しました。
前の会社では未経験にもかかわらず入社した瞬間から開発をさせていただいたり、ある程度モダンな環境で開発をさせていただいたり環境的にはかなり恵まれていたので、辞めるにあたり大変心苦しく、本当に何度も謝罪をしました。それでも嫌味なことを何一つ言われずにむしろ応援していただく形で辞めることができたので、前の会社には感謝しかありません。未経験の段階での転職先選びが大成功したと思っています。
ドラフト結果
早速ですが結果は以下のようになりました。
- 2023 年に転職ドラフトへ 2 回参加(参加時の実務経験は 8 ヵ月 ~ 9 ヵ月)
- 指名件数は 1 回目で 9 件、2 回目で 10 件(合計 19 件獲得)
- 指名をいただいた企業は全て自社開発企業、指名額は Min.580 万円, Max.830 万円, Ave.650 万円
- その内 6 社の指名を承諾し、2 社内定、2 社選考落ち、2 社辞退
- 最終的に 700 万円台前半で指名をいただいた企業から内定オファー金額で800万円弱まで上げていただいて承諾し、転職活動終了
感想
まさかエンジニア経験 1 年未満の自分に 700 万円以上の指名がいただけるとは思っていなかったので、驚きと嬉しさでいっぱいでした。800 万台の指名(830万円)も 1 件いただきましたが、指名内容からして流石に要求レベルが高く現時点で期待に応えるのは難しいと判断して指名承諾はしませんでした。いろんな角度から感想と考察を書き並べてみたいと思います。
転職ドラフトに有利な人
一言で言えば、「企業側の指名を送る人が指名理由を書きやすい人」が転職ドラフトで有利です。転職ドラフトでは企業側が指名を送るとき、指名理由を 1 人 1 人に向けて書かないと行けません。一般的な転職サービスでもスカウト機能はありますが、だいたいスカウト文はテンプレートが多いと思います。しかし転職ドラフトはテンプレートで送るには行きません。指名を貰うと会社に対して指名理由の評価をすることになりますが、その評価項目の 1 つとして「指名理由がテンプレートに感じた」という低評価項目があります。つまり、企業はテンプレート指名ばかり送ると自分たちの会社の評価が下がり首を絞めることになるのでしっかり 1 人 1 人に指名理由を考えなければなりません。
一般的な就活をした人なら分かると思いますが、履歴書に書く企業の志望理由を考えるのは中々面倒です。特筆する業界内のポジションや良い業績が無い企業の志望理由を考えるのは特に難しいと思いますが、転職ドラフトも同じで、特筆する魅力が無く他の人と差別化する要素が無い人に指名理由を付けるのは企業の人にとって大変な作業になってしまいます。
逆に考えると、他の人に無い魅力を持っている人が転職ドラフトで勝つことになると言えます。以下のような人が当てはまると思います。
- モダンな技術でのプロジェクトを経験し、一人称で実装した内容、改善した内容、成長した内容等を詳細かつ分かりやすくレジュメに書いている
- しっかり作り込んだポートフォリオがある
- フルスタックに技術を扱える
- 定期的に技術記事を書いて継続している
- Github に技術レベルの高いリポジトリがある
私の場合はいただいた指名理由のほとんどに「レベルの高いポートフォリオ」「フルスタックな経験」が挙がっていました。そのような評価をいただけて本当に光栄でした。私のポートフォリオは Qiita 記事のいいね数はほぼ皆無ですし、2 週間程度で転職向けに急ピッチで作った程度のものでしたが、これが無かったら指名はほとんど貰えていなかったと思うので作って正解でした。
他の転職サイトとの比較
多くのIT系転職サイトでは、エンジニアの市場価値≒実務経験となってしまいますが、転職ドラフトでは必ずしもそうはなりません。転職ドラフトに参加していた時期と同時期に、ほぼ同じレジュメ内容で paiza に登録していました。paiza の S ランクを複数言語で複数課題クリアもしていましたが、それでもスカウトの年収幅は 400 万円~ 500 万円程度でした。ポートフォリオや自発的なアウトプットがあっても paiza に登録される実務経験年数区分は「1 年未満」になってしまい、それが非常に強く効いてしまっているようで、経験年数を上げる以外に市場価値の上げようが無いのかな?と思いました。
対して転職ドラフトではレジュメに実務経験の記載がありません。ただレジュメに書くプロジェクトで、プロジェクト期間の記載はあります。私は半年のプロジェクトと 3 ヵ月のプロジェクトの 計 2 つしか書けなかったので、多くの企業担当者は私の実務経験が浅いことは気付いていたのではないかと思います。それでも多くの指名が来ていたので、転職ドラフトに参加している企業自体、経験年数だけを重視せずにしっかりと中身を見てくれる企業のような気がしました。 実際、指名承諾後の選考中にほとんどの企業では履歴書を求められ、私の 9 ヵ月のエンジニア歴しかない履歴書を送ってもむしろオファー金額を上乗せして内定をいただけたので、たくさん努力をしてアウトプットを残しているのに経験年数が浅いがために他の転職サイトでは高収入で転職できる気がしない人は、転職ドラフトに参加してみるといいと思います。
希望年収を書くかどうか
希望年収をあえて空欄にすることで高い指名を引き出せるらしい?という噂は聞いていましたが、私は空欄にはせず 1 回目600 万円, 2 回目650 万円に設定しました。理由としては自分が企業側だとしたら空欄よりも希望年収を書いてくれている人の方が好印象だと思ったからです。
当然希望年収ちょうど辺りでの指名を多くいただきましたが、最終的には希望年収を大きく超えた指名も多くいただくことができました。希望年収ちょうどの指名のおかげで指名件数が増えて別の企業の高い指名を誘発してくれたのでは?と思いました。結果的に最初に書いた希望年収よりも 200 万円程高い金額で内定を貰えたので、自分の場合は書いて良かったと思いました。(希望年収を空欄にしていた世界線での参加結果は分からないので断定はできませんが…)
転職後の感想
転職後の感想として、「年収が高い ≠ 仕事が大変」ということです。転職後の企業は自社開発ということもありクライアントワーク時代の前職と比べて休みや勤務時間も自由が効くようになりました。また、1 日の標準労働時間も SES 系ならほぼ全て 1 日 8 時間だと思いますが、自社開発企業の中には 1 日 7 時間の企業もあり、自分もありがたいことに 1 日 7 時間の企業へ転職できました。自由な時間が増えた分、技術研鑽やリフレッシュに使え、仕事の効率も上がると思いました。当然仕事の要求レベルは転職前より上がっていますが、それは自分の市場価値向上にも繋がっていると実感しているので充実感があります。決してクライアントワークが悪などとは思っていないですが、年収がほぼ 2 倍になったのに勤務時間は減り、勉強や家族との時間が増えて、自分にとって転職はメリットばかりでした。
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