はじめに
Amazon Echoでできることのひとつとして、スマートホーム連携があります。
音声だけで家電とか操作できちゃうなんて、ちょっと未来的でいいですよね。
とはいえ、Echoから直接操作できる家電製品はまだ少ないですし、わざわざ買い換えるのも大変です。
今はまだ、WiFi経由で操作できる赤外線学習リモコン(スマートリモコン/IoTリモコン)を設置して、なんちゃってスマートホーム化するのが現実的なところかと思います。
Alexa対応のリモコンはさまざまな製品があり、こちらの比較記事が参考になります。
TECHS LIFE Amazon Echo向けスマートリモコン(赤外線リモコンハブ)対応機器をの違いを比較
最近だとこんな新商品も出ましたね。
sRemo-R (sRemo)
実はこれらの製品とAlexaを連携する方法には、大きく分けて3種類あり、それぞれ一長一短あります。
- カスタムスキル
- スマートホームスキル
- IFTTT
今回は家電を操作するAlexaスキルの特徴と連携のコツについて紹介したいと思います。
(IFTTT連携についてはまだ試していないので、詳細は割愛します。)
スキルの種類
- Alexaには以下の3種類のスキル用意されています。
名称 | 特徴 | 発話例 |
---|---|---|
カスタムスキル | スキルによって多種多様な機能が可能 | 「クックパッドを開いて」、「クックパッドで大根のレシピ教えて」など |
フラッシュブリーフィングスキル | ニュースなどを読み上げる | 「今日のニュースは?」、「ニュースを教えて」など |
スマートホームスキル | 家電などを操作 | 「テレビをつけて」、「リビングの照明を消して」など |
Alexaでスマートホーム連携を実現するには、スマートホームスキル、またはカスタムスキルのいずれかを使うことになります。
2つのスキルについてもう少し詳しく説明します。
カスタムスキル
各メーカーそれぞれの専用スキルを直接呼び出して使います。
ラトックシステム社のRS-WFIREX3や、Nature Remoなんかがそうですね。
ラトックシステム RS-WFIREX3 製品ページ
発話例)アレクサ、家電リモコンでエアコンつけて
Nature Japan Nature Remo 製品ページ
発話例)アレクサ、リモでエアコンをつけて
通常のスキル同様、必ずスキル名を指定する必要があり、例えばラトックシステム社のスキルは「家電リモコン」というスキル名なので、「家電リモコンでテレビをつけて」という具合に使用します。
スキル名を呼ぶのが若干煩わしいですが、その代わり、テレビのチャンネルの変更や、エアコンの温度指定など、細かい操作まで対応できるのがメリットです。
スマートホームスキル
そのままズバリの呼び名のスマートホーム専用のスキルです。メーカーが用意したスキルと、スマホのAlexaアプリを連携させて使用します。
Amazon 開発者向けドキュメントから引用(https://developer.amazon.com/ja/docs/smarthome/understand-the-smart-home-skill-api.html)発話とデバイスの紐付けをAlexa側が管理することで、「アレクサ、照明をつけて」のようにメーカーのスキルを意識することなく家電を制御できます。(最初の家電の登録時はメーカーのアプリの設定などが必要になります)
eRemoteやMagic Cube, sRemoのスキルがこちらのタイプですね。
Link Japan eRemote 製品ページ
ORVIBO Magic Cube 製品ページ
sRemo-R 製品ページ
発話例)アレクサ、エアコンをつけて
(2018/2/5 追記)
スマートホームスキルには電源やスイッチのオン/オフのような汎用的な操作と、特定の機器を想定した操作(例:照明の明暗や色)が用意されており、各メーカーがこれらに対応した機能を用意することになります。
機器固有の操作の対応状況は言語によって異なり、日本向けには現時点(2018/2/5)では、照明とスマートロックの操作が対応しています。
https://developer.amazon.com/ja/docs/smarthome/develop-smart-home-skills-in-multiple-languages.html#decide-languages
(2018/2/5 誤解を招く表現なので取り消し)
これであらゆる操作ができればいいのですが、残念ながら現時点では日本向けには照明とスマートロックの操作くらいしか対応していません。
(2018/2/5 eRemoteに限定した話なので取り消し)
そこで、スマートホームスキルを採用しているタイプでは、テレビやエアコンを照明と偽って登録することで、電源のON/OFF操作を実現しています。
照明に"テレビ"や"エアコン"という名前をつけただけなので、照明が持つ機能である電源のオン/オフくらいしか使えないわけです。(一応、明るくする、暗くするに操作を割り当てることも可能)
実は、スマートホームスキルではスキル名省略以外にも、Alexa純正機能の、部屋まるごと同時に操作する「グループ」機能や、特定の発話で発動できる「定形アクション」機能が使えるという特徴があります。
特に定形アクションは、好きな発話と機能を紐付けられる、Alexaの中では希少な手段ですので、実はこれが使えるのは大きなメリットとなります。
スマートホームスキル+定形アクション
定形アクションは任意の発話で対応する機能を実行するもので、先のフラッシュブリーフィングスキル、スマートホームスキルと連携することができます。つまり、「アレクサ、おはよう」でニュースを読み上げたり、「アレクサ、行ってきます」で照明を消灯したりすることができます。
複数の操作を連続して呼べるので、「アレクサ、ただいま」で照明とエアコンとテレビを一気にオンにする、みたいな使い方もできます。
これだけでも十分便利ですが、ここから解説するように設定を工夫することで、好きな言葉で電源オン/オフ以外の操作も可能になります。
例えば、次のような操作ができます。
「アレクサ、温度上げて」でエアコンの温度を上げる
「アレクサ、スキップ」で、レコーダーのチャプタースキップ
設定のおおまかな流れとしては、
1.リモコンメーカーのアプリに操作ごとに家電として登録
2.Alexaアプリでデバイスを検出
3.Alexaの"定形アクション"から呼び出す
となります。
例として、我が家で導入したeRemoteを参考にしながら、レコーダーのチャプタースキップを登録する流れを紹介します。
1.リモコンメーカーのアプリに操作ごとに家電として登録
リモコンメーカーのアプリで実行したい操作を1つの家電として登録します。
「テレビ」や、「エアコン」の代わりに「チャプタースキップ」、「エアコンの温度」のように操作がわかる名前をつけておくと良いでしょう。
LinkJapan eRemoteの場合は、種別を"照明"として登録します。
2.Alexaアプリでデバイスを検出
Alexaアプリのメニューから"スマートホーム"を開き、"デバイスを追加"で先程の機能を検出します。
先程追加した"チャプタースキップ"が表示されました。
これで、「アレクサ、チャプタースキップをつけて!」のように話すと、レコーダーのチャプタースキップが動作するようになります。
3.Alexaの"定形アクション"と連携させる
上記まででも十分ではあるのですが、操作によっては「○○つけて」と発話するのは違和感があるので、定形アクションと連携させて、好きな発話と紐づけます。
Alexaアプリのメニューから"定形アクション"を開き、スマートホーム、デバイスを選択で先程スマートホーム画面で追加した項目を選択します。あとは開始フレーズとして呼びたい任意の発話を登録すれば完了です。
上記の例だと、「アレクサ、スキップ」で、レコーダーのチャプタースキップが実行されます。スマートですね!!!
IFTTT連携(参考)
Nature RemoはIFTTT経由での操作にも対応しており、好きな発話と家電操作を紐付けることができます。
ただし、Alexaの仕様上、「"テレビをつける"をトリガー」のように、最後に「トリガー」をつけねばなりません。
おわりに
Alexaで家電連携する方法を調べていて、カスタムスキルはちょっと言いにくいし、かといってスマートホームスキルも今のところ電源オン/オフだけかぁ、と落胆していたのですが、"定形アクション"を使うことで解決できました。
とはいえ、セットアップに多少手間はかかるので、
- 設定に手間がかかっても自由な発話で操作したい
→スマートホームスキル対応製品 (eRemote, Magic Cube, sRemo-Rなど) - 設定めんどいから、手軽にいろんな機能を使えるようにしたい
→カスタムスキル対応製品 (RS-WFIREX3, Nature Remoなど)
ですかね。
いずれにせよ、既存の家電+αでちょっと未来の生活を先取りできますので、頑張ってみる価値はあるかと思います。
ぜひお試しください。