お断り
こちらに触発を受けて遊びで。SIerを代表するものではございません。
クラウドほぼ未経験。だからこそ勉強を兼ねて。
とりあえず大項目をマインドマップで想像しつつ、まとめてみる
思考の開始方法はここ
- どう繋げるか
- どう用意するか
- どう運用するか
- どう使わせるか
費用内訳のおおよその答え
※AWS クラウドとオンプレミスとの違い(AWS公式資料)より
どう繋げるか
繋げるとは、多種多様な物理的に存在するサーバをつなげて、クラウドコンピューティングとして成り立たせることです。※グリッドコンピューティングであり、AWSはHPCとして提供してはいるようですが、基本はハイスペックなホストサーバを何個も配置して、それぞれにハイパーバイザと呼ばれるアプリケーション(AWSならxen)を稼働させた上で仮想環境を構築している。誤解その1。
じゃあ、ホストサーバの障害時はどうするねん?と思ったら、ライブマイグレーションなる仮想環境をホスト間で受け渡す仕組みがハイパーバイザには提供されている模様。
仮想化技術の調達
ということでXENというOSSによって仮想化は実現されているようです。
独自拡張もしている模様。
どう用意するか
データセンター構築
まず現在22のリージョンにおいてサービスを展開しています。
22の地域それぞれに確実にデータセンターは一つ以上構築する必要があるでしょう。
と思ったら、リージョンはAZ2つ以上で構成されている、AZはデータセンター1つ以上で構成されているとのことです。
WikiLeaksがAWSのデータセンター所在地を暴露したので詳細を見る
なるほど。サーバ構成の内容はさらに以下の記事でとてもよくイメージできました。
AWS のデータセンターに侵入する(妄想で)
サーバ台数
一般的に1データセンターあたり何台のサーバを置くのが普通だろうか。
下記記事内では3700台。
IDC Japan、国内データセンターのサーバー設置台数を発表。対前年0.5%増
さらに、データセンターの規模の定義がある。
- IT機器設置スペースの面積をもとに500㎡以上を大規模
- 100~500㎡未満を中規模
- 50~100㎡を小規模と定義
大規模データセンター1サイト当たりの平均サーバー設置台数は約3700台とのこと。
総量を推計するケース
ちょっと古い。
大胆推定!アマゾンとマイクロソフトのクラウド向けサーバ保有数はこれだ
2019年、日本国内だけで250万台
こちらの記事では、以下の情報あり。
AWSは、これらのサーバを3年間の償却期間で入れ替えているといわれています。
コレ1枚で分かる「クラウドコンピューティング 2019年版」
2019年度の日本国内のサーバ出荷台数は、50万台。
2019年度売上は350億ドル
ついでにAWSの売上も見てみる。2019年度は350億ドル。
Amazonの2019年売上は2805億ドルで2割増――直販ECは1412億ドル、プライム会員は1.5億人を突破
実例(AWS公式資料)
この資料にも3年間という表記。やはり、3年周期で入れ替えなのだろうか。
重要な数字がいくつか。
- 1台年間込み込みで25,760円。
- 1人あたり50台保守。80万/人月契約が標準なのか?
※Dell Power Edge R310(スペック)
さて、具体的なおそらく標準的であろう年間サーバ維持費が得られた。
25,760円
実例2(データセンターのコスト構造)
総務省資料より
// この資料を読むと、人件費や災害などの面から考えると、東京リージョンを構築する気がよく湧いたなというレベル。
データセンターの立て方
データセンターの立地選定:インテルの取り組み
会社は違うが非常に面白い内容。
災害対策含む環境面、通信面、電力面の3大要素があるという。
- 環境条件
その地域の気候や過去の自然災害歴 - ワイド・エリア・ネットワーク
ファイバー回線および通信インフラストラクチャーの可用
性とコスト - 電力
電力インフラストラクチャーの可用性とコスト
電力については、UPSより、電力会社を複数契約せよ、2つ以上の変電所から電力供給を受けるのがよいと書かれています。
なければ、発電所の増設が必要だろうとの記述も。
// 東京リージョンをよく構築する気になったなぁ・・・。
建設費
データセンター建設費はあまり調べて見当たりませんでしたが、両備システムのデータセンター建設費が見つかりました。
「Ryobi-IDC第3センター」概要
500ラックで、35億円とのこと。
岡山市北区の土地価格相場は坪単価平均20万
(1坪=3.3058m²)
データセンターは、約3,100㎡。
土地取得単価は、3100/3.3 * 20万 = 約2億
単純計算で、35億-2億=上モノの建設費33億
計算してみる
基本情報の計算から
AZ数76
AZあたりのデータセンター数はわからなかったが、
WikiLeaksがAWSのデータセンター所在地を暴露したので詳細を見る
によれば、東京は6つ。
建築の難易度や費用面は東京が世界でみても最高レベルだろう。
という予想のもと、他のAZにおいても最低6センター以上あるとする。
76AZ * 6DC = 456DC
とする。
また、いずれもIDC Japanの定義により大規模(500m2〜)とする。
大規模DCでは平均サーバ台数3700台という値も引用する。
456DC * 3700server = 1,687,200server
構築費用
データセンター数は456データセンターと仮定し、土地取得費用の見積もりはかなりきつい。
AZごとの土地価格平均を出して、雑にこねくり回そうとしてもきついw
雑なので、さっきの岡山市北区の代金で考えてしまおう。
500ラックあたり、33億と考える。
1ラックあたり = 6600000(660万)
サーバ数は1,687,200台である。
660万 * 1687200 = 11兆1355億2000万
仮に両備データセンター基準(500ラック/1DC)としても
1,687,200 / 500 = 3374.4DC * 3,500,000,000(35億) = 11兆8104億円
どうやら建設費で11兆8104億円となるようだ。
まぁ、さすがにデータセンターが3374拠点もあるのかは怪しいところ。
雑に見ると、12兆程度は掛かっているように見える。
維持運用費
1,687,200server * 25,760円/年間維持運用平均費用 = 43,462,272,000円(434億6227万2000円)
雑に見ると、どうやら年間維持費で434億となるようだ。
//何かがおかしい。
どう使わせるかに関する費用
AWSの販促サイトやドキュメント、xenの拡張開発費、AWSサービスの開発費などは面倒くさくなったの割愛・・・。
やるとしたら、AWS従事者数をなんとか予想して、平均給与とか、人件費とか、オファーレター例を取ってきて計算してみる攻め方になるか。
感想
非常に勉強になった。
カンニングを活用しまくり、さくっと半日で考えてみた結果なので、他のどなたかにもやってみていただきたい。
こういったざっくりした予測をフェルミ推定と呼ぶらしいです。