2019年6月に「BizRobo!」10.4.0.1がリリース1されました。主な新機能のひとつとして、DA (10.4よりDevice AutomationからDesktop Automationに名称変更、略称は同じ)がDS (Design Studio)と別の端末にインストールする必要がなくなり、開発環境に必要なマシンの数が少なくなりました。
以下、ニュースリリースより引用
「BizRobo!」10.4.0.1では、エンドユーザー様がより現場で使って頂けるよう、大幅にユーザビリティの向上を実現しました。本機能は、Design Studio (以下、DS)端末にDesktop Automation Service (以下、DAS)をインストールすることにより、従来はDS端末とDAS端末の2台が必要であったDesktop Automation (以下、DA)使用ロボットの開発において、1台の端末で済ませられる機能となっております。
BizRobo系の製品は、サーバー型RPAなのですが、DA (つまりWindowsアプリおよびJavaアプリのUIの構造解析を行うライブラリを扱えるサービス)はサーバー (Management Console、MC) ともクライアント (DS)とも独立した第3のモジュールとして存在し、別途インストールして設定する必要があるところが他の製品と異なる特徴です。モジュールが分かれているのはインストールも設定も面倒くさい2💦
DA 10.4のインストール
MSIのインストーラを起動することで Windowsマシンに普通ににインストールできます。必要なランタイムライブラリをあらかじめインストールするように求められることがありますが、言われたとおりに入れてください。
DAの設定
名前は変わっても10.3までと同じように設定が可能です。一番わかりやすいのはBizRobo! Tutorialのビデオなのでこの記事の最後の参考記事を参照してください。必要な設定のキーポイントは以下の通り。
- DAとMCをインストールするパソコンのコンピューター名を調べておいて、設定画面の所定の場所 (Host name/MC Path) にコンピューター名を入力
- Single Userをオンにする
- Tokenに任意の値を入力 (この値は後でDSの設定で利用)
詳細手順
まず、タスクバーのシステムトレイの青またはグレーのドーナツ型アイコンを右クリックして、Configureをクリックします。
Host nameにDAのコンピューター名を入力、Single UserをOnにします。MC Pathには、MCのコンピューター名を足します。MCの場合はIPアドレスでもよし、DAと同じマシンにインストールする場合は"localhost"でもよいです。(例: http://localhost:50080
)
Tokenには任意の文字列を入力 (例: TestToken)。その後、Save and Restartボタンをクリックします。
その後、タスクトレイのアイコンが青くなり、"DAS is running" と表示されればOKです。
DSの追加設定
DAを使うためにはDSでも追加の設定が必要になります。概要は以下の通りです。
- ロボットの実行モードを変更 (デザインモード実行を「スマート再実行 (フル)」へ)
- 新しいオートメーションデバイスマッピングを作成、「デバイスマッピング」を設定
詳細手順
DSを起動、「ファイル」-「ロボット設定...」(もしくはツールバーでも同様のアイコンあり)で、「デザインモード実行」のドロップダウンを「スマート再実行 (フル)」に変更、OKボタンを押します。
ロボットが開いている場合は、いったん保存され再ロードされます。
タイトルバーのテキストからモードが変更されたことが確認できます。
「ファイル」-「新しいオートメーションデバイスマッピング...」を開き、名前を「DA.device」等に変更、次へボタンを押します。
ドロップダウンリストを「デバイスマッピング」に変更して、ホストにDAのコンピューター名、ポートに49998、トークンに先ほど入力したトークン (例: TestToken)を入力、終了ボタンを押します。
これで初期設定は完了です。
利用時の設定: Desktop Automationステップを追加して「必要なデバイス」を追加
実際にDAを使いたいロボットの編集画面で、新しいアクションステップを追加、Desktop Automationをアクションとして指定した後、先ほど作成した「DA」を「必要なデバイス」で指定して追加します。
あとは、入力値、出力マッピングを指定した後、ワークフローの編集ボタンを押します。
すると、Desktop Automationエディターが起動します。
これで、ワークフローを編集するための準備が整いました。
結構いろいろ設定しないと、ユーザーインターフェイスの操作のレコーディングをして構造解析を行うところまでいかないのが大変です💦
参考記事
- ローカル Desktop Automation の使用 - Kofax RPA のヘルプ 10.4
- Desktop Automation の構成 - Kofax RPA のヘルプ 10.4
- 【BizRobo! Tutorial】Device Automation 10.3ver インストール・セットアップ - YouTube ビデオ
- 【BizRobo! Tutorial】Device Automationの基礎操作 - YouTube ビデオ
- Kapow Quick Start Guide (Desktop Automation Setup) (英語)
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BizRobo! は Kofax RPA (旧Kapow)のOEM製品であり中身は同じです。また、SynchRoidは BizRobo!のOEMなので、これらの3つの製品はバージョン番号も中身も同じになっています。 ↩
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実はMCもDSもJavaアプリケーションであり、Java Service Wrapperという仕組みを使ってWindows とUnixの両方に対応しているようです。ただし、UI構造解析ライブラリはWindowsのみの機能なので、Windows専用の別の仕組みを作る必要があったというのが経緯なのでしょう。 ↩